トップページ  番組情報  情報WAVEかごしま  さつま狂句  2015年2月9日放送分

2月の兼題「眼鏡(めがね)」
(第一回 2月9日放送分)

さつま狂句

「見っくれ」が 誰も相手せじ 伊達眼鏡
鹿屋市 植山 三朗 さん

解説

(見てくれと言うが誰もだて眼鏡を相手にしてくれないという意味の句です。)
黒柱 :せっかくのだて眼鏡を誰にも相手にされずに「ふてくされ」ている様子がおかしいですね。ところで、薩摩狂句では、かっこや疑問符や感嘆符などは使わないのが原則です。
キャスター:この句はちゃんと五七五になっていますし、意味も分かるような気がするのですが。
黒柱 :意味は分かるのですが、上五にもう少し工夫が必要でしょう。それと中七と下五の意味のつながりがはっきりしません。
キャスター:具体的に言いますと?
黒柱 :まず、上五を「見て欲しい」という気持ちをそのまま「見(み)っ欲(ほ)しが」とします。それから、中七の「相手せじ」は「相手にしないので」という意味ですから、「相手てせじ」と「て」は送り仮名になります。
キャスター:では、添削と唱です

見っ欲しが 誰も相手てせん 伊達眼鏡
<唱> 冷て視線に 機嫌が悪るなっ
(「周りの」冷たい視線に機嫌が悪くなったという意味です。)

※ 「狂句作りのポイント」(今回の「眼鏡」について)

1.一番初めに浮かんだ句(第一想)は捨てる。多くの人が同じような句を考えるので似た様な句が多くなるので共倒れになる。
2.いろんな「眼鏡」を辞典で探す。水中眼鏡、箱眼鏡、鼻眼鏡、虫眼鏡、新しい眼鏡、古い眼鏡、高価な眼鏡、百円眼鏡など。
3.出来るだけ人が狙わないようなユニークな眼鏡を考える。「眼鏡」を句の中の「主役」にする。
なかなか難しいことですが、参考にしていただければと思います。