ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. 選挙北海道
  4. 【プチトリビア】「骨格予算」ってなんだ?

【プチトリビア】「骨格予算」ってなんだ?

  • 2023年2月15日

毎年この時期になると、自治体は新年度予算案をまとめ、議会にはかります。4月からの次の年度、自治体がどのような事業を行おうとしているのか、平たく言えば「お金」をどのように使うのか、予算案には細かく盛り込まれます。そうした中、春にトップを選ぶ選挙を控える自治体は「骨格予算」と呼ばれる予算案を編成します。それってなんだ? (札幌放送局  竹村知真・三藤紫乃)


「骨格予算」とは…

自治体の歳出は、大きくくくると、政策的な経費と義務的な経費にわけられます。前者は自治体が行う事業にかかる費用のことで、新年度に新たに始めるもの(=新規事業)もあれば、これまでの事業を続けるもの(=継続事業)もあります。後者は職員の人件費や生活保護などの扶助費、“借金”返済のための公債費があげられます。
このうち、義務的な経費はなかなか減らせません。家庭で例えると、光熱費や食費のようなものです。一方、政策的な経費はやりくりしやすい部分です。家庭で例えると、家族旅行を減らして子どもの習いごとの費用を賄うといったやりくりです。最近はどの自治体も財政状況が厳しく、“借金”を返済しながら、限られた財源の中でメリハリをつけて政策を進めていかなければなりません。

「骨格予算」とは新規事業を抑えた予算のことです。春に選挙を控える自治体は通常、この「骨格予算」を編成します。選挙で自治体のトップが変わると政策も変わる可能性があるためで、その余地を残しているのです。なお、春の選挙のあと、6月の議会でその年度の新規事業を盛り込んだ補正予算を通すケースがほとんどで、この予算のことを「肉付け予算」ともいいます。


道の新年度予算案は

道の新年度、2023年(令和5年)度予算案は4月の知事選挙を控え「骨格予算」となっています。その一般会計の総額は2兆8507億円余りと、今年度より11.6%少なくなっています。ただ、「骨格予算」としては拓銀破綻後の経済対策が膨らんだ1999年(平成11年)の3兆2400億円余りにつぐ規模です。過去2番目の規模の「骨格予算」となったことについて、道は「新型コロナ感染症対策のため規模が大きくなった」としています。
新規事業は抑えられていますが、ゼロではありません。
脱炭素社会を目指して「ゼロカーボン」を推進するため、改正条例案を周知するためのリーフレットをつくって事業者に配ったり、取り組みのメリットを発信するセミナーを開催したりするということです。


札幌市の新年度予算案は

4月の市長選挙を控える札幌市も新年度予算案は「骨格予算」です。ただ、新規事業は抑えながらも一般会計の総額は1兆1922億円と6年続けて1兆円を超え、過去最大となっています。
気象の変化により機動的に対応するため除雪費は過去最大の261億円余りを計上したほか、新型コロナ対策の経費などが総額を押し上げる形になったということです。一方で、2030年冬のオリンピック・パラリンピック招致のための費用は、東京大会をめぐる一連の汚職事件を受けて渉外活動などの経費を大幅に減額したことなどから、今年度に比べて3億円余り少ない2億1250万円となっています。 計上された関連費用には、大会運営の透明性や公正性の確保に向け、組織委員会のあり方を検討するための費用のほか、事務費などが含まれています。

このほか、函館市の新年度予算案は4月の市長選挙を控えた「骨格予算」ながら一般会計の総額で1391億円と、2004年(平成16年)の合併以降で過去最大となりました。新型コロナ対策の経費が26億円近くにのぼったほか、エネルギー価格などの高騰で電気代や燃料、資材費が増加したことなどが主な要因となっています。

4月に選挙を控える自治体の中には、「骨格予算」として新規事業を抑えても、様々な要因で新年度予算の規模が大きくなっているところがあります。選挙後の補正予算も合わせて、「お金」の使いみちをしっかり見ていきたいと思います。

2023年2月15日

関連記事はこちら👇
道の新年度予算案は骨格予算 前年度より1割ほど少なく
札幌市新年度予算案 過去最大1兆1900億円程度で最終調整
函館市新年度予算案まとまる 合併以降で過去最大の規模

“春の政治決戦”に向けた動きをまとめています👇

ページトップに戻る