NHK札幌放送局

衆議院選挙 北海道の結果を振り返る 小選挙区制下で各党は

衆院選2021

2021年10月6日(水)午後2時02分 更新

衆議院選挙は、いまの「小選挙区比例代表並立制」が導入されて以降、1996年の41回選挙から2017年の48回選挙までで8回行われました。その北海道での結果を振り返ります。  


41回(1996年/平成8年)

小選挙区で初めて争われた41回選挙は1996年10月20日に行われました。
自民党と新進党の戦いとなる中、選挙直前に民主党が結成されました。
当時、道内の小選挙区の数は13で、比例代表の北海道ブロックの定員は9でした。
北海道では、この以前の中選挙区の時代と比べて1人減ったものの、小選挙区、比例代表とも1人ずつ、いまよりも当選者の数が多かったことになります。
このうち、小選挙区では、自民党は道内13すべての選挙区に候補者を擁立して6人が当選しました。
一方、当時の民主党は11の選挙区に候補者を擁立して5人が当選しました。
このほか、新進党は6つの選挙区に候補者を擁立して2人が当選しました。
小選挙区の北海道全体の投票率は61.38%でした。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は民主党が83万票余りで最多となり、自民党が74万票余りで続きました。
比例代表は「ドント式」と呼ばれる方法で各党の得票数から獲得議席数が決められ、民主党と自民党がそれぞれ3、新進党が2、共産党が1議席を得ました。
その議席を誰が得るのか、比例代表での当選は2つのケースがあります。
小選挙区で議席を得られず落選したものの重複立候補していた比例代表で当選するケース(復活当選)と、比例代表のみに立候補して当選するケースです。
この選挙では、小選挙区で落選し比例代表で復活当選したのは、自民党は3人、共産党は1人でした。
ほかの5人の当選者は、いずれも比例単独での立候補で、内訳は民主党が3人、新進党が2人でした。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、自民党が9人、民主党が8人、新進党が4人、共産党が1人でした。
全国的には、自民党は議席を伸ばしたものの過半数には届かず、新進党は議席を減らしました。当時、自民党と連立を組んでいた社民党とさきがけは大幅に議席を減らして閣外協力のかたちとなり、第2次橋本内閣は自民党単独の内閣となりました。

42回(2000年/平成12年)

42回選挙は2000年6月25日に行われました。この年の4月、小渕首相が脳梗塞で緊急入院し、森内閣が発足。森首相のいわゆる「神の国」発言に野党側が反発して内閣発足2か月足らずで衆議院解散となりました。
北海道では22年ぶりに有珠山が噴火して間もない時期の選挙となりました。
道内の小選挙区の数は13のままでしたが、この選挙から比例代表の北海道ブロックは定員が1つ減って8になりました。
小選挙区では、自民党、民主党とも道内13すべての選挙区に候補者を擁立し、自民党は7人、民主党は6人が当選しました。
小選挙区の北海道全体の投票率は65.50%でした。
投票時間の2時間延長や不在者投票の条件の緩和が行われて初めての衆議院選挙でしたが、投票率は41回選挙と比べて4ポイント余りの回復にとどまりました。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は民主党が89万票余りで最多となり、自民党が73万票余りで続きました。
この結果、民主党が3、自民党が2、公明党、共産党、社民党がそれぞれ1議席を得ました。
その議席を得たのは、小選挙区で落選し比例代表で復活当選したのは自民党と共産党がそれぞれ1人でした。
ほかの6人の当選者は、いずれも比例単独での立候補で、内訳は民主党が3人、自民党が1人、公明党が1人、社民党が1人でした。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、自民党と民主党がそれぞれ9人、公明党、共産党、社民党がそれぞれ1人でした。
全国的には、自民党・公明党・保守党は議席を減らしたものの、この与党3党で絶対安定多数は確保し、森首相による自・公・保連立政権が継続することになりました。

43回(2003年/平成15年)

43回選挙は2003年11月9日に行われました。この年の9月、自民党総裁選で再選された小泉首相が衆議院を解散。対する野党側は民主党と自由党が合併して2大政党の流れが強まった中での選挙となり、各党は政権公約=マニフェストを掲げて戦いました。
区割りの見直しで道内の小選挙区の数は1つ減って12となり、この選挙から北海道での当選者の数は小選挙区12人、比例代表8人のあわせて20人と、いまのかたちになりました。
小選挙区では、民主党は社民党が候補者を擁立した11区以外の11の選挙区で候補者を擁立して、1区・2区・3区・4区・8区・9区・10区の7人が当選しました。
これに対して、自民党はすべての選挙区で候補者を擁立して、5区・6区・7区・11区・12区の5人が当選しました。
小選挙区の北海道全体の投票率は62.97%でした。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は、最多の民主党は115万票余りと初めて100万票を超え、自民党が87万票余りで続きました。
この結果、民主党が4、自民党が3、公明党が1議席をそれぞれ得ました。
比例代表の当選者は、民主党は、小選挙区で落選した5区・6区・7区・12区の4人が全員、比例代表で復活当選しました。
自民党は、小選挙区で落選したうちの3区・10区の2人が復活当選したほか、比例単独で立候補した1人が当選しました。
公明党は、比例単独での立候補で1人が当選しました。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、民主党が11人、自民党が8人、公明党が1人となりました。
全国的には、自民党が議席を減らす中、民主党が躍進して議席を大幅に増やした一方、共産党・社民党・保守新党は2大政党の戦いに埋没して大幅に議席を減らしました。
こうした中、道内での当選者数は、民主党が初めて、自民党を上回り、全国的な2大政党の流れが北海道でも顕著にあらわれたかたちとなりました。

44回(2005年/平成17年)

与党側が郵政民営化を争点に掲げた44回選挙は2005年9月11日に行われました。小泉首相は郵政民営化関連法案に反対した議員を公認せず“刺客”候補を全国各地で擁立。北海道をはじめ全国各地で“造反”対“刺客”の対決が繰り広げられました。
一方、この44回選挙は、それまでの不在者投票に代わるかたちで期日前投票が導入された初めての衆議院選挙でもありました。
小選挙区では、民主党、自民党とも道内12すべての選挙区に候補者を擁立し、民主党は1区・2区・4区・6区・7区・8区・9区・10区の8人、自民党は3区・5区・11区・12区の4人が当選しました。
小選挙区の北海道全体の投票率は71.05%でした。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、民主党が109万票余りとこの回も100万票を超えて最多の得票でした。
これに対して自民党の得票は94万票余りで、いまの制度で行われた前回までの8回の中では、この44回選挙が党として最多の得票数です。
議席数では、民主党と自民党がそれぞれ3、新党大地と公明党がそれぞれ1議席を得ました。
比例代表の当選者は、民主党は、小選挙区で落選したうちの3区・12区の2人が復活当選したほか、比例単独で立候補した1人が当選しました。
自民党は、小選挙区で落選したうちの2区・10区の2人が復活当選したほか、比例単独で立候補した1人が当選しました。
新党大地と公明党は、比例単独での立候補でそれぞれ1人が当選しました。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、民主党が11人、自民党が7人、新党大地と公明党がそれぞれ1人となりました。
全国的には、自民党が圧勝する中、民主党は郵政民営化をめぐる自民党内の争いに埋没したかたちとなり、議席を大きく減らしました。

45回(2009年/平成21年)

45回選挙は2009年8月30日に行われました。選挙前、麻生内閣の支持率は低迷が続き、事実上の“任期満了”の解散・総選挙となりました。
小選挙区では、民主党、自民党とも道内12すべての選挙区に候補者を擁立し、民主党は7区以外の11人が当選、自民党は7区の1人が当選しました。
小選挙区の北海道全体の投票率は73.65%でした。
衆議院選挙の道内の投票率は、消費税などが争点になった1990年(平成2年)の39回選挙で76.66%となって以降、低落傾向が続いて60%台で推移していましたが、44回選挙、45回選挙と2回続けて70%台に回復しました。
この45回選挙は、平成に入って2番目に高い投票率となりました。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は民主党が134万票余りで最多となり、自民党は80万票余りでした。
この結果、民主党が4、自民党が2、新党大地と公明党がそれぞれ1議席を得ました。
比例代表の当選者は、民主党は、小選挙区で落選した7区の1人が復活当選したほか、比例単独で立候補した3人が当選しました。
自民党は、小選挙区で落選したうちの5区・12区の2人が復活当選しました。
5区・11区・12区の3人は、党や政府の要職を歴任し“ビッグスリー”とも呼ばれたベテランでしたが、いずれも小選挙区で敗れたうえ、比例代表でも1人が復活当選できない事態となりました。
一方、新党大地と公明党は、比例単独での立候補でそれぞれ1人が当選しました。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、民主党が15人、自民党が3人、新党大地と公明党がそれぞれ1人となりました。
全国的には、民主党が戦後最多となる308議席を得て大勝、政権交代を果たしました。選挙後、民主党・社民党・国民新党の非自民連立政権として鳩山内閣が発足しました。

46回(2012年/平成24年)

46回選挙は2012年12月16日に行われました。政権交代から3年余、与党民主党では離党する議員が相次ぎ、衆議院で単独過半数を割る中で、野田首相は衆議院を解散しました。冬の衆議院選挙は1990年(平成2年)2月の39回選挙以来22年ぶり、12月の“師走選挙”は1983年(昭和58年)の37回選挙以来29年ぶりでした。
小選挙区では、自民党は公明党が候補者を擁立した10区以外の道内11の選挙区で候補者を擁立し、その全員が当選しました。
公明党もその10区で1人が当選し、いまの与党の自民党と公明党で道内のすべての小選挙区を抑えました。
これに対して、民主党は11の選挙区で候補者を擁立しましたが、小選挙区では議席を得られませんでした。
45回選挙とは対照的な結果となり、“民主王国”崩壊をみせつける格好となりました。
小選挙区の北海道全体の投票率は58.73%で、厳しい冬に行われたこともあって、45回選挙と比べて15ポイント近く下がりました。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は自民党が69万票余りでいまの制度になって初めて最多となり、民主党が47万票余りで続きました。
ただ、低投票率の中で、自民党、民主党とも、党としてはいまの制度で行われた前回までの8回のうちで最も少ない得票数でした。
議席数でみますと、自民党が3、民主党が2、新党大地、日本維新の会、公明党がそれぞれ1議席を得ました。
“第3極”の政党は、2大政党には収まらない有権者の支持を集めて全国的に躍進し、道内では小選挙区で議席を得るまではいきませんでしたが、比例代表で議席を獲得しました。
比例代表の当選者は、自民党は、比例単独で立候補した3人が当選しました。
民主党は、小選挙区で落選したうちの1区・3区の2人が復活当選しました。
このほか、新党大地(11区)と日本維新の会(2区)は小選挙区で落選した候補者が復活当選し、公明党は比例単独での候補者が当選しました。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、自民党が14人、民主党と公明党がそれぞれ2人、新党大地と日本維新の会がそれぞれ1人となりました。
全国的には、自民党が294議席を得て圧勝、公明党とあわせて全体の3分の2を上回る議席を得て政権を取り戻しました。対する民主党は選挙前の4分の1以下に議席を減らして大敗。選挙後、自民党と公明党の連立による第2次安倍内閣が発足しました。

47回(2014年/平成26年)

46回選挙同様に冬の選挙となった前々回・47回選挙は2014年12月14日に行われました。安倍首相が消費税率引き上げ時期の延期やアベノミクス継続の是非を問うとして突然、衆議院を解散しました。
小選挙区では、自民党は公明党が候補者を擁立した10区以外の道内11の選挙区で候補者を擁立し、2区・3区・4区・5区・7区・9区・11区・12区の8人が当選しました。
また、公明党も10区で議席を守り、与党側は小選挙区では9議席となりました。
これに対して、民主党は2区以外の11の選挙区で候補者を擁立しましたが、当選したのは1区・6区・8区の3人でした。
小選挙区の北海道全体の投票率は56.35%でした。投票率は46回選挙よりもさらに下がり、戦後最低となりました。
一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は自民党が74万票余りで最多となり、民主党が68万票余りで続きました。
低投票率の中で得票を伸ばしたのが共産党で、42回選挙以来の30万票を超える得票となりました。
議席数では、自民党が3、民主党が2、公明党、共産党、維新の党がそれぞれ1議席を得ました。
比例代表の当選者は、自民党は、小選挙区で落選したうちの6区・8区の2人が復活当選したほか、比例単独で立候補した1人が当選しました。
民主党は、小選挙区で落選したうちの3区と7区の2人が復活当選しました。
このほか、公明党と共産党は比例単独での候補者が当選し、維新の党は小選挙区で落選した2区の候補者が復活当選しました。
小選挙区と比例代表をあわせた北海道での当選者の数は、自民党が11人、民主党が5人、公明党が2人、共産党と維新の党がそれぞれ1人となりました。
共産党は、42回選挙以来14年ぶりに北海道で議席を得ました。
全国的には、自民党が圧勝して公明党とあわせて全体の3分の2の議席を上回りました。

48回(2017年/平成29年)

平成最後となった前回・48回選挙は2017年10月22日に行われました。衆議院議員の任期を1年余り残す中で安倍首相は突然、衆議院を解散。同時に野党側の再編が一気に進みました。
この48回選挙は選挙権を得られる年齢が18歳に引き下げられて初めての衆議院選挙でした。また、いわゆる1票の格差を是正するため区割りの見直しが行われ、1区のうち札幌市西区の一部が4区に編入され、2区のうち札幌市北区の一部が1区に編入されました。札幌市の行政区が初めて、複数の小選挙区に分かれました。一方、札幌市以外では、区割りを振興局単位とするため、10区のうち上川の幌加内町が6区に、宗谷の幌延町が12区にそれぞれ移りました。

選挙の構図が固まったのは、公示直前にもつれ込みました。
民主党の流れをくむ民進党は事実上、希望の党に合流する方針を決め、解散翌日、民進党道連はいったんは道内11人の小選挙区の候補者全員を希望の党に公認申請する方針を決めました。
しかし、「安全保障政策や憲法観が異なる」などと候補者から異論が出て、この方針は撤回。民進党の候補者は、希望の党、新たに結成された立憲民主党、無所属(当選後に立憲民主党が追加公認)の3つの立場でそれぞれ立候補することになりました。
これに対して共産党は、立憲民主党や無所属の候補者と野党連携を行うとして、7つの選挙区で公認候補を取り下げました。一方、希望の党とは連携できないとして、希望の党の候補者がいる選挙区では対立候補を擁立しました。
迎え撃つ自民・公明両党の与党側は、47回選挙に引き続き、候補者を一本化して連携を強めました。
47回選挙は民主党と共産党が各選挙区で候補者を擁立し、自民・公明両党の候補者と対決する“三つどもえ”の選挙区が大半でしたが、48回選挙は与党と無所属を含めた野党が事実上“1対1”で対決する構図が7選挙区にのぼりました。結果、道内の小選挙区ではいまの小選挙区制になってから候補者数は最も少なくなりました。

道内小選挙区の結果は、野党連携の状況で様相が異なりました。
追加公認を含めて立憲民主党が候補者を擁立した8選挙区では、与党側は自民党が4区・5区、公明党が10区で議席を得た一方、残る1区・3区・6区・8区・11区の5選挙区は立憲民主党が議席を獲得しました。
また、立憲民主党は敗れた3人全員が重複立候補した比例代表で復活当選した一方、自民党は1区の候補者のみ比例代表で復活当選しました。自民党は前議員4人が落選しました。

一方、立憲民主党が候補者を擁立しなかった4選挙区、2区・7区・9区・12区はすべて自民党が希望の党や共産党、日本維新の会の候補者を抑えました。
このうち9区では希望の党の候補者が比例代表で復活当選しました。
小選挙区では、与党側は自民党6人と公明党1人の7人が、野党側はいずれも立憲民主党の5人が議席を得ました。
小選挙区の北海道全体の投票率は60.30%で、47回選挙は4ポイント近く上回ったものの、戦後4番目の低さでした。

一方、比例代表の北海道ブロックでは、得票は自民党が77万票余り、立憲民主党が71万票余りでした。この2党が抜き出た中で、得票3位は希望の党で33万票余り、4位は公明党で29万票余りでした。
この結果、議席数では、自民党と立憲民主党がそれぞれ3議席、希望の党と公明党がそれぞれ1議席を得ました。
その議席を獲得したのは、自民党は比例単独で立候補した2人と復活当選の1人、立憲民主党はいずれも復活当選の3人、公明党は比例単独の1人、希望の党は復活当選の1人でした。
一方、共産党は47回選挙で獲得した議席を失いました。また、日本維新の会は維新の党時代も含め46回選挙から維持してきた議席を失いました。
 
小選挙区と比例代表をあわせた当選者は、自民党が最も多い9人、次いで立憲民主党が8人でした。また、公明党が2人、希望の党が1人でした。
全国的には自民・公明の両党が全体の3分の2を超える議席を獲得し圧勝しましたが、北海道では候補者調整を追い風に立憲民主党が勢力を伸ばしたかたちとなりました。

2021年10月6日

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