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【解説】北海道知事選挙 与野党の2人の記者会見 AIで分析してみた

  • 2023年2月21日

告示まで1か月と迫った北海道知事選挙、与野党が対決する構図となります。与党が支援する現職の鈴木直道氏と野党が支援する新人の池田真紀氏。2人が行った立候補表明での発言についてAI技術を使った手法で分析しました。(札幌放送局  黒瀬総一郎)

今回は、AIを使った「テキストマイニング」という手法で、鈴木氏と池田氏がどのような政策を訴えたのかを読み解きます。記者会見の中で使われた言葉を集計し、より多く使われた言葉を大きく表示して、どういったことに力点を置いて訴えていたのか可視化します。
分析にあたっては、立候補予定者自身の名前や「知事」「北海道」といった当然、出てくるような言葉などは除いて、それぞれの訴えに関わる単語を抽出して比較しました。

現職の鈴木氏。最も多く発していたのは「コロナ」という言葉でした。
また、「感染」という言葉が次に多くなっています。
鈴木氏は「知事に就任してからの期間の8割を新型コロナ対応に費やしてきた」としたうえで、自身が進めてきた感染対策への医療従事者や道民・事業者の協力に感謝を述べていました。
そして今後の感染対策や経済対策にも取り組む必要性を強調しました。

このほか、「エネルギー」「デジタル」が大きく表示されています。
知事に就任して以降の道を取り巻く環境の変化として「エネルギー」「デジタル」「食」があるとして、北海道の「再生可能エネルギー」の潜在力を生かすこと、そのための本州への送電インフラを整備する必要性などを挙げていました。
そしてデジタル化で地域課題の解決に取り組むとともに、データセンターの整備も進めたいと訴えました。


新人の池田氏。最も多く使っていたのは「人」という言葉でした。
池田氏は「コロナ禍や物価高騰、偏見や差別で苦しんでいる人たちがいる」としたうえで、今の道政の中で声を上げたくても上げられない人がいるとして、誰ひとり取り残すことのない温かみのある道政をつくりたいと訴えました。

このほか、「要請」という言葉が大きく表示されています。党や連合など4者からの要請を受けて立候補を決めたこと、大変重い要請で直前まで迷いに迷ったことを述べていました。
さらに、「自治体」という言葉です。自治体職員の出身で、自治体レベルの現場の声を政策に反映していくことが重要だと説いていました。
また、「子ども」という言葉も使われていました。衆議院議員時代に子どもの貧困対策などに関する法案を提出したことを紹介し、子どもや人に焦点を当て道民に安心を生み出していくと訴えました。

こうして言葉を並べてみますと、双方の主張の違い、何を重視して訴えているのかよく分かります。

2人の言葉を比べてみてもう1つ、違いが目立ったのが、「道民」「道政」という言葉の使い方です。
鈴木氏が繰り返し「道民」という言葉を使って呼びかける一方、池田氏は「今の道政」「目指す道政」と「道政」という言葉を多く使って訴えていました。
逆に鈴木氏は「道政」を、池田氏は「道民」という言葉を使うことはほとんどありませんでした。
こうした言葉の使い方にも双方の違いが見えるように感じられます。

今回の知事選挙。
このほか無所属の新人、門別芳夫氏が立候補を予定しています。
「北海道に住む人と手を携えて道民の視点で道政をつくりたい」としています。

知事選挙の告示は3月23日。あと1か月です。

2023年2月21日

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