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見て、触れて、学べる「は虫類」!

  • 2022年11月10日

こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当のリポーター、坂井里紗です。先日、札幌で有名な紅葉スポットに行ってきました。秋ももう終わり…と思っていましたが、青空の下、赤や黄色に彩られた絵画のような景気に出会うことができました! この日は寒くてダウンを着ている方もいましたが、札幌はまだちょっぴり秋が続いているみたいです。さて今回はそんな札幌市の話題です。今月、手稲区に小さな室内動物園がオープンしました。でも普通の動物園じゃありません!「は虫類専門」なんです。コンセプトは「見て、触れて、学べる」です。 

新たにオープンしたのは「北のレプ舎」です。英語で「は虫類」を意味する「レプタイル」から名付けられました。つくったのは札幌市の一般社団法人、「北のワニ舎」。飼い主に捨てられた「は虫類」の保護活動を行っています。

建物の一角に設けられた施設の中は「は虫類」が暮らしやすいよう室温が30度前後に保たれています。ヘビやトカゲ、カメレオンなど22種類、およそ50匹が展示されていて、中には甲羅に星のような模様がある「インドホシガメ」など国内では珍しい種類もいます。なるべく自然と同じような環境で飼育しようと隠れられるスペースも作っているんだそうです。

《パンサーカメレオン》

《インドホシガメ》

館長は「北のワニ舎」代表理事長の武藤卓也さんです。武藤さんによりますと、実は展示されている半数は、捨てられたり飼えなくなったりして保護された「は虫類」なんだそうです。「は虫類」の飼育がブームとなるなか、武藤さんのもとにはことしに入って行政や警察、個人などからすでに50件ほどの保護の依頼があるといいます。武藤さんは「北のレプ舎」をオープンさせた背景にはこうした事情もあると話してくれました。

北のレプ舎 館長 武藤卓也さん
「人気になるのはいいんですけど、犬や猫のように保護しなきゃならないレベルにきているのと思っています。飼ってみて『想像より大きくなった』とか『想像より長生きする』という理由で飼いきれないという方がいて、年々引き取り依頼は増えています。このように展示することで「は虫類」の保護の実態をみなさんに知っていただこうとオープンしました」

施設では、「は虫類」についてより深く知ってもらおうと展示方法も工夫しています。それが生態や生育環境などが書かれたパネルです。例えば「パンケーキリクガメ」は薄くて少し柔らかい甲羅を持つことや「国際希少動物」であることなどが紹介されています。

また「キメラアオジタトカゲ」は名前のとおり青い舌を持っていて敵に合うと舌を見せて威嚇することなどが紹介されています。

さらに、「は虫類」に触れて学んでもらおうと、餌あげ体験ができるコーナーもあります。私も「ケヅメリクガメ」のユキちゃんに餌をあげてみました。ゆっくり動いていておとなしそうに見えましたが、そっと小松菜を近づけて名前を呼んでみると…。

すごい速さでやってきました!さらに食べる力も強い!おとなしそうな見た目からは想像ができないほど強い力で引っ張られます。茎をまとめてかじっちゃうくらい噛む力が強いんだそうです。

北のレプ舎 館長 武藤卓也さん
「ユキちゃんはすごく食いしん坊で一度に小松菜2袋は食べちゃいますね。ほかに野菜ではニンジンやレタスを与えています。ちょっとでもビタミンが足りなくなると『ビタミンA欠乏症』などの病気につながるおそれもあるので気をつけています」

直接触れ合うことで「は虫類」についてもっと知ってほしい。実際に餌やりを体験してみて武藤さんたちの思いが改めて伝わりました。

北のレプ舎 館長 武藤卓也さん
「カメはおとなしいイメージあるんですけど結構活発に動き回ります。これだけ動き回るのだったら『自分の部屋で果たして飼えるのか』『どのくらいのケージを用意すればいいのか』などを判断することができるかなと思ってこういうコーナーをつくりました。本来の姿を楽しんでもらいながら安易に飼おうとする人が減っていけばうれしいです」

また施設では、一部のカメについては譲渡も行っています。武藤さんは飼いたいと思っている人にも足を運んでほしいと話しています。

北のレプ舎 館長 武藤卓也さん
「は虫類の魅力を全面的に伝えたいっていうこともありますし、来て見て触って学ぶことで、きちんと飼えるか判断してほしいです。手のひらの大きさの『は虫類』だと10年や20年は生きるような長い命なので、最後まで本当に飼えるかどうか考えてほしいです。保護するケースがひとつでも減るよう大切にしてほしいと思います」

みなさんもは虫類の魅力や本来の姿を見に、触りに、学びに、足を運んでみませんか?きょう10日(木)午後6時40分からの「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」でご紹介する予定です。ぜひご覧ください♪

取材後記

動物園の「は虫類館」に3時間滞在した経験がある坂井には大変癒される取材でした。じっくり見ていくと、種類はもちろん個体によって模様や顔にそれぞれ特徴があるのも魅力に感じました。同時に多くの「は虫類」が保護されている現状を学ぶことができるとも思います。「は虫類」が好きな大人はもちろん、子どもたちも命の尊さを感じる「北のレプ舎」に足を運んでみてはいかがでしょうか。年末年始を除いて年中無休で、午前9時30分から午後5時までオープンしています。入場料は高校生以上1300円、小中学生800円、小学生未満は無料となっていて、施設の運営や保護活動に活用されるということです。

道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2022年11月10日

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