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自転車でめぐる大自然の魅力とエゾシカのおいしい仕組み

  • 2023年10月6日

道内に30組ほどいるローカルフレンズのみなさんに最新のローカル事情を教えてもらうローカルフレンズニュース。今回はスポーツの秋、食欲の秋にぴったりな2つの話題が届きました。

子供の好奇心を刺激!マウンテンバイクで森へ

「町に新しくマウンテンバイクのコースができました」。そう教えてくれたのは、上川町のローカルフレンズ・絹張蝦夷丸さん。

青空の下をすいすいと走れる、先月オープンしたコース。

プロデュースしたのは山梨県の古道を再生するなど、マウンテンバイクを使った地域づくりで知られる弭間(はずま)亮さんです。

弭間さん
「マウンテンバイクってあくまで森とか自然を楽しむときの1つの道具なんですよね。北海道のこの素晴らしい自然をまず体験していただきたいです」

そんなコースの完成を心待ちにしていた人がいます。

上川町で子供たちに自然体験を提供している松井丈夫さん(写真右)。子供たちからは「まっちゃん」の愛称で親しまれています。

子供たちを連れて、さっそくオープンしたばかりの森のマウンテンバイクコースへ。途中、松井さんが道を間違えるシーンもありましたが、なんとか到着!

コースを入っていくと、視界が一気に緑色に。道の脇には、たくさんの木々が生い茂っています。

子供たちは、あたり一面広がる自然に興味津々。マウンテンバイクを停めながら見つけたのは「L字型をしている樹」や「抱き合っているような樹」。そんな変わった形をしている樹に登ってみる場面もありました。

L字型の樹(左)と抱き合っているような樹(右)

自然のなかで遊んでいるうちに子供たちもすっかりこのコースの虜になったようで、松井さんへ子供たちからこんなお願いも。

「まっちゃん、今度ここでなんかイベントやって!」

はじめてコースを体験した松井さんも「物理的に道ができたことで(自然に)入りやすくなって。アイデアがポンポン浮かぶような環境ができて、ワクワクしますよ」と期待を膨らませています。

エゾシカの農業被害&負担を減らす当麻町

「安心しておいしいジビエが食べられるようになりました!」

鹿肉が大好きなローカルフレンズ・谷山嘉奈美さんから届いたのは、エゾシカ対策に関するニュース。舞台は、道北の当麻町です。町ではエゾシカによる農業被害が増え、深刻な問題になっています。

有機野菜を育てる福山萌子さんは、この日、大豆畑で作物を狙うエゾシカを1頭駆除しました。

ここで福山さんは誰かに電話をかけます。まもなくして車が到着し、エゾシカを運んでいくではありませんか……!

実はエゾシカを引き取っていったのは、美瑛町にあるジビエ専門の精肉店。この道15年の高い技術をもった白田稔明さんが鮮度のいい鹿肉を扱うことで、道外のレストランからも注文が相次ぐ、おいしい食材に変身します。

白田さん
「9月後半になってきて、脂もしっかり乗ってきて、いい品として出せますね」

この仕組みをつくったのは、当麻町役場です。これまでエゾシカは駆除した人が解体し、町外の塵芥処理場に持っていく必要があり、大きな負担になっていたのです。そこで、当麻町はジビエ専門の精肉店に電話で取りに来てもらう委託契約を締結。おかげで、福山さんのように農家として働く人も駆除に出かけやすくなり、農業被害の減少につながりました。

当麻町役場・農林業振興課の久保遼馬さんによると、9月末時点での駆除頭数は去年40頭だったのに対し、今年は94頭に増えたそう。久保さんはこの取り組みを「これからも続けていきたい」と語っています。

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