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高等支援学校生が栽培!網走ブドウサイダー

  • 2023年12月22日

11月中旬から網走市の道の駅でブドウのサイダーが販売されています。作ったのは日本体育大学付属高等支援学校の生徒たち。なぜ高等支援学校の生徒たちがサイダーを作っているのでしょうか。(網走支局・佐藤公哉)

11月18日、土曜日。網走市の道の駅「流氷街道網走」には、ブドウサイダーをPRする日本体育大学付属高等支援学校の生徒たちの姿がありました。このブドウサイダー、実は生徒たちが丹精込めて育てたブドウから作られたもの。それだけにPRにも熱が入ります。
その熱が伝わったのか、名古屋から観光で来ていた男性は、購入したサイダーをその場で開けて口へ。「ブドウの香りが豊かでとてもおいしいです」と笑顔で話していました。この日の網走市の最高気温は15.5度。平年より9度近くも高かったことも影響してか、この日はその場で飲む人たちの姿が多く見られました。
ところで、高等支援学校でなぜ、ブドウを栽培しているのでしょうか。

きっかけは5年前。学校が20歳を迎えた卒業生たちに、後輩の生徒たちが育てたブドウで作ったワインを贈る計画を立ち上げたことでした。その際にワイン用の品種だけでなく、それ以外の品種も試験的に栽培してきました。授業の一環とはいえ、苗植えから収穫までブドウを一生懸命育てた生徒たち。去年はワイン用の品種がシカに食べられる被害もありましたが、それ以外の品種は奇跡的に壊滅を逃れ、初めて収穫することができました。
そのブドウを使い、地ビールメーカーの「網走ビール」に依頼して作ったのが、このサイダー。ことし1月から道の駅で1000本を販売し、好評を得ました。

そしてことし秋。ブドウは想定していたよりも順調に成長し、去年よりも糖度が高いブドウが収穫できたことから、昨年度に続いてサイダーを製造することになったんです。ことし製造したのは昨年度の倍の2000本。売り子を務めた3年生の瀧口琉永さんは「前回よりもおいしくなって、甘いのが苦手な人も飲めるジュースになりました」と話していました。
実は私、昨年度もこのサイダーを取材し、その時も購入して飲んでいました。ことしのサイダーも買って飲んでみましたが、確かに昨年度の物よりもブドウの風味が豊かで、それでいてスッキリしていて、とても飲みやすかったです。ブドウの出来が違うと、サイダーもここまで違うのかと驚きました。

ブドウ栽培を授業に取り入れて5年。高等支援学校の生徒たちの努力が、まずはサイダーという形になってあらわれました。そしてもともとの目的だったワイン用のブドウはことし初めて収穫され、来年春から夏にかけてワインが出来上がる予定です。
私もここまで、生徒たちや先生の努力を間近で見てきたので、どんなワインが出来上がるのか、とても楽しみにしています。ブドウ栽培は軌道に乗ってきていて、将来的にはサイダーとワインが高等支援学校の呼び物になるかもしれません。

私ができるのは天候不良や食害などに遭わず、ブドウ栽培が順調に進むよう祈ること。そして出来上がったサイダーやワインを、生徒たちの顔を思い浮かべながら、おいしくいただくことだけです。その日が無事に来ることを願ってやみません。

ニュースはこちらから👇
網走 高等支援学校の生徒が育てたブドウでサイダーを作り販売

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