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“芸術の秋” 臨床美術を楽しもう!

  • 2023年10月27日

寒くなってきましたね!みなさんは北海道の短い“秋”どんなことで楽しんでいますか?
今回は“芸術の秋”にピッタリなイベントをご紹介します。
臨床美術の作品展『心喜ぶ、思いっきりアート2023』です。
このイベントは臨床美術の作品展と全7回(10月28日(土):4回、29日(日)3回実施)のワークショップが開かれます。

ところで、みなさんは『臨床美術』ご存じですか?
『臨床美術』は主に認知症の予防や改善を目的に、医師や美術家などが開発したプログラムです。作品を“楽しみながら作る”ことで脳を活性化させることができるといいます。
このプログラムはアートの鑑賞ではなく、作ることで“五感”を刺激することに着目したもので、これまで約800種類も開発されています。
日本人は『美術の鑑賞は好き』だが、『作るのは苦手』という傾向があるそうです。実践研究を重ね、そんな苦手意識を持つ人でも自然と楽しめるようにさまざまな工夫がされてきました。

作品展『心喜ぶ、思いっきりアート2023』
この作品展は9月から10月にかけて道内4か所(北見・旭川・札幌・函館)で臨床美術「ほっかいどう」が主催する作品展『つながるかがやくアート』との共催で、函館会場では今年で7回目を迎える『心喜ぶ、思いっきりアート』として開催します。
道南地域で制作活動する方々の600点以上の作品展示とワークショップが行われます。

このイベントを主催するのは道南を拠点に臨床美術を伝える活動をしている中村まゆみさん(臨床美術士)です。
先日、七飯町で行われていた臨床美術の教室にお邪魔しました。
この日のテーマは ~秋草の墨絵~ 短冊に墨と水彩絵の具で描きます。
『身近にある野草の美しさを感じて、写実ではなく印象を大切に描くこと』を意識して制作することが目的です。

中村さんが集めた草木について、名前や俗名・これらにまつわる思い出話などで盛り上がり、とても和やかな雰囲気です。

なんと、指を使って直に描いていく様子も!
制作過程で五感を使う工夫がされているんですね。

中村さんのイメージをもとに参加者のみなさんは自由にのびのびと描いていました。
手を動かし始めると、その集中力はすさまじく、そしてみなさんお上手です!

制作にかかった時間は約1時間、完成した全ての作品を並べて、一つ一つ作品の特徴やよいところを参加者全員で語り合う鑑賞会を行います。
臨床美術は『分析しない、癒しのアート』とも呼ばれるそうで、この鑑賞会は『自分に自信を持つ』ことや『積極性』につながる臨床美術の特徴的な要素です。

臨床美術の作品展『心喜ぶ、思いっきりアート』について、中村さんに思いを伺いました。

臨床美術士 中村まゆみさん

Q 臨床美術とは?
「上手に描かなくていい、楽しみながら制作できる。でもできた作品がすごい満足とまではいかなくても私がこれを作ったの?という喜びに変わるっていう。」

Q作品展の見どころは?
「いらした方は見ているだけで元気が出るねっていう感じです。それだけ作品にパワーがあるエネルギーがある。それが伝わる。じゃあ私にもできるかしらってなるんです。」
「今回の作品展のメインとして『歌舞伎の色の世界』ということで歌舞伎を色々勉強して私たちがイメージした大きな作品です。これを20枚以上壁に並べて1枚の壁画のようにして皆さんに見ていただきたいと思います。」

「楽しめる作品がたくさんありますので、どうぞいらしてください。待ってます!」

【イベント詳細】

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