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釧路町長選挙で再選 小松茂町長に聞く

  • 2022年10月20日

10月18日に告示された道東の釧路町長選挙は、無投票で現職・小松茂氏の2回目の当選が決まりました。2期目のかじ取りにあたる小松氏に抱負を聞きました。 (聞き手:釧路放送局 佐藤恭孝) 


釧路町は人口およそ1万9000人。コンブ漁で有名な昆布森漁港があり、1次産業が基幹産業のひとつです。一方、釧路市に隣接する西部は大型ショッピングセンターが立ち並ぶ商業地として発展し、新興住宅地が整備されました。

防災対策 津波避難タワー建設へ

小松氏に2期目の重点施策を聞いたところ、まず防災を挙げました。国の想定では、千島海溝の巨大地震が発生した場合、釧路町の沿岸には道内で最も高い最大26.5メートルの津波が押し寄せ、最悪の場合5700人が死亡すると推計されています。

小松茂町長
「釧路町は交流人口が大変多い町なので、災害時は町民だけではなく買い物などで訪れる人も含めた安全対策を早急に進めなければならない。国の支援策(3分の2補助)が決まり、財政負担はかなり軽減されることになったので、人口密度が多い地区から対策を講じようと思う。まずセチリ太地区に3基ぐらいの津波避難タワーの建設を考えている」

釧路川を遡上する津波に備えて、市街地のセチリ太地区に津波避難タワーを3基程度、建設する計画です。小松氏は11月にも住民説明会を開き、早ければ再来年・2024年度の着工を目指す考えを示しました。

子育て支援 経済的支援強化を

次に小松氏が挙げたのは子育て支援です。西部の釧路市に隣接した新興住宅地には人口が流入し、子育て世帯も増えています。物価高騰が続く中、家計の負担が増している子育て世帯への経済的な支援を強化したいと意気込みを語りました。具体的には、子ども基本条例の制定や、その財源となる応援基金の創設などを進める考えを示しました。

小松茂町長
「子育て世帯の方々が一番苦労されているのは、子育てをするうえでかかるさまざまな経済的な負担だと思う。ここを町がどうやって支援できるかが重要だ。まずは『子ども基本条例』を制定して、その財政的な裏付けとして基金を創設したい。具体的な支援内容はこれから議会で議論していくが、基金を使って子育て世帯の経済的な負担を減らしたい」


1次産業 “テコ入れ不可欠”

釧路町の基幹産業のひとつは1次産業です。しかし、去年の赤潮によるウニ被害や飼料価格高騰による酪農業の経営悪化など、1次産業を取り巻く環境は厳しくなっています。みずからもコンブ漁に従事していた小松氏は、町の発展には1次産業へのテコ入れが不可欠だと話します。

小松茂町長
「農業は生産者が減っているので、新しい作物への支援などでこれ以上生産者が減らないように支援していきたい。漁業はサケなど回遊魚の漁に比べて収穫が安定しているコンブの資源を維持することが重要だ。コンブは温室効果ガスの吸収にも大きな役割を果たしている。コンブの生産活動と雑草駆除が結果的に環境保護にも貢献することになるので重要視していきたい」


選挙は5回連続無投票に

釧路町長選挙は今回も無投票となったことで、2006年(平成18年)以来、5回連続で無投票となりました。この状況をどう見るか、聞きました。

小松茂町長
「無投票が続いているが、町民にきちんと施策を示し、その効果や実績を評価していただいた結果だと考えている。ただ、すべての町民が必ずしも賛成だけじゃない。『やっぱり厳しい意見はある』ということをいつも胸に刻みながら取り組んでいかなければならないと思う」

小松茂氏 プロフィール
釧路町出身の64歳。コンブ漁などに従事しながら町議会議員を務め、道議会議員を経て、前回・2018年(平成30年)の町長選挙に立候補して初当選。今回再選し、11月から2期目に。


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