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2021年10月 寿都町長選挙 現職・片岡氏が6選果たす 「核のごみ」文献調査継続へ

  • 2021年10月27日

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐる文献調査の是非を最大の争点に10月26日に投票が行われた後志の寿都町長選挙は、現職の片岡春雄氏が6回目の当選を果たしました。調査に応募した片岡氏の勝利で文献調査は継続する見通しになりました。

寿都町長選挙の開票結果です。
▼片岡春雄(無所属・現)当選 1135票
▼越前谷由樹(無所属・新) 900票
寿都町選挙管理委員会によりますと、投票率は84.07%でした。

片岡氏は旭川市出身の72歳。
町の農政課長や保健衛生課長を経て、2001年(平成13年)の町長選挙で初当選し、これまでに5期務めてきました。

寿都町では、高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、去年11月から第1段階となる文献調査が行われています。
みずから調査に応募し、国から得られる交付金を地域の振興に役立てようと訴えた片岡氏が、調査への反対、撤回を掲げた越前谷氏を抑えて6回目の当選を果たしました。
2001年(平成13年)以来、20年ぶりとなる今回の選挙戦は調査の是非が最大の争点になり、結果が注目されていました。
調査に応募した片岡氏の勝利で、文献調査は継続する見通しになりました。

片岡氏は「住民とひざをあわせながら、『核のごみ』について勉強させていただきたいという思いだ。私は『核のごみ』の議論に一石を投じることで、全国に議論の輪を広げていきたいという思いも強い。寿都町で冷静に議論が進むようにしっかり取り組みたい」と述べました。
越前谷氏は「私は私なりに一生懸命やったつもりだが、結果は受け止めている。私の力が及ばなかった、それに尽きると思っています。寿都のこれからを考えると、何とも言い表すことはできないし、核のごみ反対、文献調査撤回と言ってきたが、町民の多数が片岡氏を支持したのでどうしようもない」と述べました。

6期目の課題は

寿都町民は「調査の継続」を訴えた片岡氏を選びました。風力発電の推進など「稼げる町」を実現してきた5期20年の実績も幅広い支持につながりました。
一方で反対を掲げた越前谷氏も支持を広げ、片岡氏に200票余りまで迫りました。
NHKの取材では、片岡氏の支持者の中にも文献調査に「賛成、反対、どちらとも言えない」という考えの人が一定程度、確認できました。
日頃から「肌感覚では調査に賛成の方が多い」と説明してきた片岡氏の認識とのズレがうかがえました。
激しい選挙戦を通じて町に生まれた“しこり”を解消し、円滑に町政を運営していくには、文献調査に反対している人たちも含めて町民と丁寧に対話し、ズレを埋めていくことが欠かせない前提となります。
(小樽支局 小田切健太郎記者)

寿都町長選挙2021の特設サイトはこちら

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