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「俳句を詠む猫?! “保護猫”への思い込めた絵本」

  • 2023年10月23日

羅臼町の女性が飼っている猫をモチーフにした絵本を制作しました。 作品には、深刻な問題となっている「保護猫」への思いがありました。(中標津支局・原田未央) 

8月に発行されたこちらの絵本。
羅臼町で暮らす猫の「タビ」が俳句を詠むという設定です。

うねる波朝日に透ける鮭の群れ
川にのぼろうと集まってきたサケをタビが気球から眺めています。

 結びたるみくじを突く初雀
お正月、神社の神木に集まるスズメをタビが見上げています。

「タビは元“保護猫”」

絵本にも登場した羅臼神社で出迎えてくれたのが、作者の山中英美さん(69)。そして「タビ」です。推定3歳のオス猫で、たびを履いているような見た目からタビと名付けられました。普段、社務所や境内にある山中さんの自宅で過ごしています。

タビは去年6月に役場に保護されたいわゆる「保護猫」でした。なかなか飼い主が決まらない中、家族の後押しもあって引き取ることにしました。

山中英美さん
「(里親募集の写真は)あまりかわいい猫じゃなかったんです。でもね、なんかすごく親しみ持てるような猫ちゃんだったので。もう家中が癒されて和んでもう、大変です、メロメロ」

人懐っこいタビはたちまち家族の中心に。一方で山中さんは、タビのような保護猫に思いをめぐらせるようになりました。

山中英美さん
「タビを飼ってとてもかわいいと思う反面ね、このタビと同じような猫が野良猫ちゃんでたくさんいるんだろうな。その猫ちゃんたちが、少しでもね、幸せになれたらいいなって」

「絵本で保護猫に関心を」

保護猫について関心を持つきっかけになればと山中さんが思いついたのは、趣味の俳句とアクリル画を生かした絵本作りです。作った俳句からイメージを膨らませて絵を描いていきました。完成までにおよそ4カ月半かけました。

神界の色賜りて流氷来
毎日、色合いが違う流氷。
自然が作る美しい色合いをタビは流氷に乗って喜んでいます。

大昼寝ワープの先は波の上
春から夏にかけて羅臼沖に姿を現すシャチ。
タビは夢の中でシャチとサーフィンを楽しんでいます。

幅広い世代に楽しんで貰おうと、想像上のガールフレンド・白猫の「ヒメ」を登場させたり、各ページにタビが好きなアイテムを隠し絵として描いたりと、遊び心も加えています。
山中さんは、絵本の収益すべてを保護猫活動の支援に充てたいと考えています。

山中英美さん
「北海道知床のこの自然豊かなところをちょっとこの本で味わっていただけたらということと、保護猫ちゃんのことですね、飼い猫を捨てるとかそういうことがなくなるような活動につながっていけばというのが一番の思いですね」

山中さんはインスタグラムでもタビの日常と俳句を紹介していて、絵本はそこからも注文できると言うことです。

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