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道南でもホワイトアウト! あなたならどうする?

  • 2023年11月28日

アナウンサーの向井一弘です。2022年2月、北斗市の函館江差自動車道で、車およそ100台が絡み1人が死亡する多重衝突事故が発生しました。その原因が「ホワイトアウト」でした。雪で前後左右の視界が全く利かなくなる恐怖。感じたことのある方も多いのではないでしょうか。今回の「道南DEぼうさい」はホワイトアウトのメカニズム、予測のカギ、遭遇した場合の対処についてです。

ホワイトアウトを生む2つの雪

解説はおなじみの、気象予報士で防災士、渡島総合振興局の國田博之(くにた・ひろゆき)さんです(現:北海道危機対策課)

國田さん
まず、ホワイトアウトによって起きた2022年2月21日の北斗市の多重事故から振り返りましょう。

函館江差自動車道の北斗中央ICから北斗追分ICの間で車およそ100台が絡む多重事故が発生して1人が死亡し、170台ほどの車が1キロ以上にわたって立往生しました。

國田さん
この日は冬型の気圧配置で上空に強い寒気が流れ込んだので気温が低く、10メートルくらいの強めの風が吹いていました。しかし道路沿いの市や町には暴風雪警報は出ていませんでした。このため普段通りに通勤や用事で車を使った方が多く、まさかのホワイトアウトに遭遇するという事態になったんです。

國田さんは、ホワイトアウト発生の最大の要因は「2つの雪」の重なりだと指摘します。

國田さん
ホワイトアウトには2つの雪、「降る雪」と「飛ぶ雪」が関係します。
① 「降る雪」:私たちの目には残像のため、点ではなく線に見えます。
このため雪の降り方が強く風が強いほど見通しは悪く感じられます。

② 「飛ぶ雪」:これは地吹雪のことです。気温が低く風が強いと、積もった雪が舞い上がりやすくなります。特に風速8メートル以上だと地吹雪は目の高さを越えてきます。

ホワイトアウトを予測する

では、ホワイトアウトの発生を事前に知ることは出来るのか。
國田さんは「もちろん!」と答えます。気象情報の中のキーワードに注目です。

國田さん
気象情報の中で、「強い雪」「強い風」「厳しい寒さ」という3つの予報が揃う時が要注意です。天気図で言うと「強い冬型の気圧配置」の時です。等圧線が混み合い、強い寒気が入ることで、この3つの予報が揃うんです。その時は車で遠出しないことがベストですが、そうもいかないことがあります。対策を考えましょう。

ホワイトアウトに遭遇したら

國田さん
まずホワイトアウトを避ける方法です。周囲が広く、平らで開けた場所の道は通らないようにしましょう。このような場所は市街地や森の中よりも地吹雪が濃くなりやすく、ホワイトアウトになりやすいのです。

國田さん
そして、もしホワイトアウトに遭遇した場合。慌ててはいけません。ハザードランプをつけていつでも止まれるよう徐行しましょう。そうすることで後ろから車の追突も防ぐことが出来ます。
また、コンビニや駐車帯など安全なところで待機するのもおすすめです。冬の雪雲の大きさは10キロメートルほどですので、少し待っていると雪雲は去って視界が改善することがあるんですよ。

日々の気象情報から、まずはホワイトアウトを避けること。そして遭遇してしまっても落ち着いて行動できるよう、國田さんの解説、覚えておいてくださいね!

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