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「投票は土曜日」 増毛町長選挙 理由を調べてみると…

  • 2023年1月24日

今年は4月に、4年に1度の統一地方選挙が行われます。春にかけて選挙についてのニュースを見たり聞いたりする機会が多くなりますが、統一地方選挙に先駆けて行われる増毛町の町長選挙の投票が土曜日に行われることはあまり知られていません。いつから、なぜ、「土曜日投票」になったのか調べてみると、「港町」ならではの理由がありました。
(留萌支局  土田史世)


特産は海の幸  港町・増毛町

日本海に面する増毛町。
町の特産は甘エビにタコ、ホタテにカズノコなど新鮮で質の高い海の幸です。
かつてニシン漁で栄えた町を歩くと、通りには明治時代の豪商が建てた邸宅や“日本最北”の蔵元として知られる酒造会社などが建ち並び、往時がしのばれます。名優・高倉健さんの主演映画「駅 STATION」のロケ地としても有名で、観光客も多く訪れます。


町長選挙 今回も投票は土曜日です

この増毛町の町長が任期満了を迎えるのは今年2月12日。次の町長選挙の日程について町の選挙管理委員会に尋ねると、投票は2月4日、「土曜日」に行われると教えてくれました。
そもそも「投票といえば日曜日」と決まりがあると思っていました。自治体の判断で変えてもいいのでしょうか? 疑問に思ったので選挙管理委員会に聞いてみると、「曜日を日曜日と決める法律などはありません」とのことでした。
では、いつから投票が土曜日に? 選挙管理委員会は「平成11年(1999年)から町長選挙の投票は土曜日に行われている」としています。以来、これまで6回の町長選挙がありましたが、いずれも投票日は土曜日でした。


“漁業関係者が投票しやすいように”

それでは、なぜ「土曜日投票」になったのか。その理由を選挙管理委員会に尋ねると…。

「土曜日は増毛漁港の魚市場が休みなんです。漁業関係者が多い町だけに、できるだけたくさんの人が投票しやすいように土曜日にしたと伝え聞いています」

「土曜日投票」には港町ならではの理由があったのです。
漁業者は「土曜日投票」についてどう感じているのでしょうか。取材でお世話になっている増毛漁協の方に話を聞きました。

増毛漁協 幹部
「札幌や旭川など大きな市場は通常は日曜日が休みだけど、増毛町のような地方の市場は土曜日が休みのところが多いんだよ。増毛漁港では、水揚げした甘エビを金曜日の日中までに東京に出荷してしまう。土曜日はひと仕事終えてほっとする休み。そして翌日の日曜日からまた働き始める。これが増毛の漁業者のスタイルなんだ」

増毛の漁業者にとっては土曜日が週に1度の“休日”だったようです。

増毛漁協 幹部
「土曜日投票が始まった当時は、漁業者も今の倍の200人くらいはいたからね。漁業関係者の影響力が大きかったのだと思う。水産加工に携わる人も市場の休みに仕事を合わせるから、みんなの都合がいいようにという判断だったんだろうね。やっぱり漁に出る日曜より土曜のほうが投票に行きやすいからありがたいよ」

今ではすっかり増毛の町に定着した「土曜日投票」。
その背景には、1人でも多くの町民に投票所へ足を運んでもらおうという思いがありました。

2023年1月24日

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