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北のことばお兄さん あなたの疑問に答えます!⑧

  • 2024年2月29日

音更町出身の伊林です。お寄せいただいた、あなたの疑問にお答えする第8回です! 今回は▼インタビューの答えの字幕、敬語の部分が実際のことばと違うが、使い方が不適切なのか? についてです!
 (*この記事は3分半~4分程度で読めます)  

Q インタビューで「喜んでいただけるよう、がんばります」と答えているのに、字幕は「喜んで『もらえる』よう」となっています。この「いただく」の使い方は不適切ということでしょうか?

A テレビを見ていてお気づきの方もいるかと思いますが、ご指摘のように、主にニュースで“人が実際に話したことば”と、その字幕の表現が少し違う場合があります。

例として、2月13日の「秋サケふ化技術改良で資源回復を」のニュースを見てみます。
“漁獲量が落ち込んでいる秋サケの回復を図ろうと、道が、ふ化事業の技術改良に取り組むなど、新たな対策をとりまとめることになった”という内容です。

対策会議で、道の担当者が「……(専門家などから)最新の知見などもいただきながら資源対策について8月をめどに対策をとりまとめていきたい」と発言しています。その部分の映像を見てみると…。

実際の発言「…いただきながら」を、字幕では「もらい」としています。

これについて、札幌放送局ニュース制作の佐藤博行統括に聞きました。
佐藤統括によると、NHKのニュースでは、“話しことばでの敬語表現の字幕をどうするか”について一律のルールはなく、その都度判断しているということです。

人の話しことば、特に敬語表現をそのとおり字幕にするか、少し表現を変えるかを判断する要素は、具体的には3点あるといいます。
▽誰が誰に向かって発言したか、▽敬語をそのまま字幕にせずシンプルな表現にしたほうがわかりやすいか、▽記者が書いた原稿が発言部分をどう表現しているか、主にこの3つだということです。

この場合、道の担当者が専門家などに対して敬語を使ったわけですが、字幕は敬語を用いない表現のほうがわかりやすいと判断して、このようにしたということです。

一方で、お店の人がお客さんに話した場合などは、敬語表現をそのまま字幕にすることもあります。この場合は“あえて敬語表現を変える必要はない”と判断しているわけです。

敬語表現が“日本語として正しいかどうか”ではなく、“どういう状況で誰が誰に話したか”、また、どうすれば見ている人にわかりやすいかを常に考えながら、話しことばを字幕にしているということです。
細かいところまで考えて、字幕を制作しているんですね。


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