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流氷観光船「ガリンコ号」船揚げ 運航支える裏側は

  • 2023年4月18日

冬の運航を終えた紋別市の流氷観光船「ガリンコ号2」が3月末、夏の運航に向けた整備や検査のため、陸上に引き上げられました。毎年この時期に市内の造船所で行われている作業ですが、取材を通して運航を支える乗組員たちの地道な努力を知ることができました。

ガリンコ号の最大の特徴は船首にあるスクリューで、流氷をガリガリと砕きながら進みます。鮮やかなオレンジ色の船体がとても印象的で、青い海と白い流氷の中を進む姿は紋別の冬の風物詩になっています。ここ数年はコロナ禍の影響を大きく受けていましたが、今シーズンは去年のほぼ2倍の約2万9000人が乗船しました。
流氷が去ってすっかり春の海に変わった3月30日、ガリンコ号2の船揚げ作業は朝9時ごろから始まりました。乗組員と造船所の作業員が協力して250トンある船体を海の中に沈めた専用台に載せ、レールの上をゆっくりと滑らせながらワイヤーで引っ張り上げていきます。
陸上に現れたガリンコ号の印象は、ふだん見ている華やかな姿とは全く別物でした。船首のスクリューや船底の塗装は大きく剥がれ落ちていて、傷だらけの船体からは流氷の中の航行がどれほど過酷なのかが伝わってきました。この船揚げは就航した1997年(平成9年)から毎年行われていますが、引き上げた船体のサビ落としや塗装の塗り直しは乗組員が手作業で行っているそうです。

ガリンコ号運航会社 山井茂さん
「経費の節約などのために自分たちで作業するようになったんですが、毎年繰り返していくうちに船への愛着も湧いてきますし、やっぱりお客さんを乗せる船だから安全には細心の注意を払いたいので、自分の目でしっかり確認して丁寧に作業したいですね。ガリンコ号3は船体が大きくて市内の造船所には上げられないので、5月に稚内の造船所で整備・点検をするんですが、そこにも乗組員6人が立ち会ってしっかりと確認してきます」

今回の取材を通して、冬のオホーツク海の魅力を多くの人に伝えているガリンコ号の運航は、乗組員や運航会社の地道な努力に支えられていることを実感することができました。ガリンコ号2は今後の整備・点検や運輸局の検査を経て、5月から夏の運航を始める予定です。

紋別支局 吉田雅士

詳しい記事はこちら👇
紋別で冬の運航終えた流氷観光船陸揚げ 検査や塗装塗り直しへ

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