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“後悔のない毎日を” 高卒4年目 細川凌平選手

  • 2024年3月28日

やる気!元気!渡邉美希です。今月29日にプロ野球が開幕します。開幕を前に今シーズン期待の選手に取材しました。お話を伺ったのは、高卒4年目の細川凌平選手です。21歳の若手選手ですが、プロ選手として生き抜く熱い思いに、心動かされました。  

自他ともに認める“こだわり強め”

京都府出身の細川選手。智辯和歌山高校では、夏の甲子園に主力として出場して、ホームランを打つなど、伝統の強力打線を引っ張りました。2020年のドラフト会議で日本ハムから4位で指名を受けて、入団しました。プロ入り後は、着実に出場回数を増やし、昨シーズンは143試合中60試合に出場(先発・途中出場含む)。内野だけでなく、外野もこなせるユーティリティープレーヤーです。 

“こだわり強め”
そう、自身を表した細川選手。チームメートで仲の良い野村佑希選手や田宮裕涼選手に細川選手について聞くと、同じ言葉で表現していました。

野村選手
「野球はもちろんこだわりが強いですが、(細川選手が)プロ4年目になると自分らしい感じになっていくのに、部屋では荷物を段ボールに詰めて、『いつでも引っ越しできますよ』という感じで生活している。たまに部屋に行くと、ホテルのベッドメイキングの後みたいな感じ」

細川選手
「自分が決めたことは突き詰めるし、時間を惜しまないというか、そこには妥協はないです。一日一日で後悔をなくしたい。“毎日が引退試合”、そんな思いで臨んでいます。一日終わった時にやり残したものはないかなと。それをやりきらずに終わった時に、明日がもしない状態だったら、やりきるじゃないですか。例えば、好きな人がいて、その人に明日から会えないって言われたら、それも同じ。『やり残したことはないか?』と、毎日、自問自答しています」

こだわるのは“最高の状態 最高の笑顔”

高卒4年目となる今シーズン。秋と春のキャンプでは、全力プレーで、はつらつとグラウンドに立つ細川選手の姿がありました。一日一日を後悔せず過ごせるように心がけていることがあるといいます。

細川選手
「“最高の状態、最高の笑顔”というのをずっと意識しています。『きょうも一日が始まった』と、ただ思うだけでなく、『きょうも野球ができる、楽しみだな、早くこのプレーしたいな』と、毎日ワクワクした気持ちでグラウンドに出てきています。笑顔も自然と出ますし、より前向きに練習に励めています。以前は、“けがなく1年間終える”というのをテーマにお話ししていたのですが、けがというのはマイナスに感じたので、“最高の状態でいこう”とポジティブな思いに変えました」

キャンプ中、特に目を引いたのは、全体練習後に行われていた守備の特訓、“特守”です。現役時代、守備の名手として活躍し、昨シーズンに引退した谷内亮太 内野守備走塁コーチのもと、毎日、地道に練習に励んでいました。

(この日は 野村選手と奈良間選手と特守)

細川選手
「本当に取れるアウトを確実に1個とるためには、どうすればいいかというのを頭に入れて取り組んでいます。
エスコンフィールド北海道での守備は難しいですが、昨シーズン、公式戦で経験させてもらったので、より対応力を高められるように、試合を想像しながら準備ができているなと思っています。不規則なバウンドが来ても、アウトが取れるような待ち方、“間”というのを意識しています。あとは送球ですね。肩は強くない方なので、足の運びとかスピードを工夫して、どうすればスムーズに送球できるかなど、谷内さんと話しながらやっています」

途中出場から学んだ気づき 

準備の大切さを語ってくれた細川選手。プロに入って初めて経験した途中出場からのプレーが原動力になっているといいます。

細川選手
「学生時代はレギュラーとして試合に出ていたので、途中出場というのは経験をしたことがありませんでした。そんな中、昨シーズン、サブとしてプレーすることで、大きな気づきがあったんです。6月27日の西武との試合。8回の守備でサードから入って、9回はセカンドでプレーしました。どのポジションで出てもアウトが取れるように、ベンチからイメージを膨らませていました。9回は一打同点の場面でしたが、バッターの特徴を頭に入れながら、(ピッチャーが投げる球種が)速球だったら、変化球だったらこう守ろうとイメージしていました。すると、強烈なゴロがきて、不規則にボールが跳ねたのですが、アウトにすることができて、準備とイメージが合致したプレーでした。改めて準備の大切さを感じましたし、あの練習していたからこれにつながったと、達成感とやりがいを感じました。この気持ちをもってレギュラーになれたら、もっとワンプレーを大事にすることができると、自分の中で確信した瞬間でした。自分はいろんなポジションを守れるので、どこからでも食い込んでやるぞという気持ちは持って練習しています」

渡邉
「その中でも、つかみ取りたいポジションはありますか」

細川選手
「ショートとしてプロに入ってきたので、ショートを守りたいという気持ちはあります。ショートだけではないのですが、やっぱり二遊間、ショートとセカンド守りたいです」

谷内コーチも細川選手の活躍に期待を寄せています。

谷内コーチ
「よく練習するし、根性もある選手なので、レギュラーとるつもりでやってほしいなと思います。足が速いし外野などいろんなポジションができるという強みはあると思いますが、自分で“ここ”と決めたポジションでレギュラーを取れるようにやってほしいですし、『あいつはミスしないな』と信頼される選手になってほしい」


オープン戦 守備でアピール

谷内コーチのもとで積み上げている守備力。オープン戦では、様々なポジションを守る中、本命の内野での守備では失敗を恐れず、より磨きがかかったプレーを発揮し、球場のファンを沸かせていました。また、キャンプ、オープン戦を経て、細川選手の言葉にもより力強さが増していました。

細川選手
「いろいろなポジションを守れたというのはいい経験になりましたし、シーズンに向けていい準備ができました。
キャンプでの取り組みが生きている部分がありましたし、去年よりも成長できている部分が自分でも感じられました。その中で、ミスはありましたが、過去は変えられないので、そのミスをシーズンでしないように、日々練習していくだけです。一方で、バッティングでは、まだまだ課題が多いです。(2ストライクに)追い込まれるまでに仕留めたり、出塁しなくても『このバッターしつこいな、いやだな』と思われたりするようなバッティングをしたいと思っています。オープン戦ラストの3試合では、悔しい思いをしたので、それをどうシーズンにつなげていけるか、しっかり考えてやっていきます。ここからまた0からのスタートになるので、自分のできる精いっぱいのプレーをやるだけです」

最後に・・・

自身のこだわりを話してくれた細川選手。キャンプでは、その考え方やグラウンドでの立ち振る舞いに勇気をもらっているファンの方も多くいました。

(細川選手のファンが特守を見守る様子 ※写真撮影・掲載許可を得ています)

女性ファン
「野球のプレースタイル、守備位置への全力疾走やベンチでの立ち振る舞いももちろん好きで応援していますが、毎日、後悔なくやりきるという姿勢は、私の原動力になっています。仕事や私生活で落ち込んだり、あきらめそうになることもあったりしますが、細川選手のことを思い出して、『細川選手だったらここであきらめないな。私も頑張ろう』と、やる気を起こさせてくれるんです。今シーズンもけが無く、細川選手らしいプレーで活躍してほしいです」

いよいよ始まる新シーズン!レギュラー争いが激しい内野のポジションですが、攻守ともにアピールをして、先発での出場をつかみ取ってほしいです。今後も、細川選手のプレーに注目します。

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