【解説】北海道知事選挙 与野党全面対決 4人の候補者の選挙戦を追う
- 2023年3月29日
３月23日に告示された北海道知事選挙。現職と新人のあわせて４人が立候補しました。今回の統一地方選挙では全国で唯一、与野党が全面的に対決する知事選挙です。４人の戦いを追いました。 （知事選挙取材班）
北海道知事選挙 与野党全面対決の構図
北海道知事選挙は、届け出順に、いずれも無所属で、新人で会社経営の門別芳夫氏（61）、２期目を目指す現職の鈴木直道氏（42）、新人で元衆議院議員の池田真紀氏（50）、新人で美容師の三原大輔氏（48）の４人が立候補しました。
現職の鈴木氏を自民党と公明党のほか、新党大地が推薦。
これに対し元衆議院議員の池田氏を立憲民主党が推薦し、共産党、国民民主党道連、社民党のほか、市民ネットワーク北海道が支持。
今回の統一地方選挙で行われる知事選挙の中で、全国で唯一、与野党が全面的に対決する構図となっています。
門別芳夫氏
会社経営の門別芳夫氏。
今の道政は道民の声を十分に反映していないとして批判しています。
門別芳夫氏
「皆さんの声に耳を傾け、声をかけ、道民の意思と力で北海道の政治を変えて、私たちの命と安全を守っていきたい」
動画投稿サイトなどSNSを中心に、みずからの主張を発信しています。
門別芳夫氏
「あなたが動けば、北海道の政治は変えられる、あなたの人生も、命も、子どもたちの未来も変えられると訴えていきたい」
鈴木直道氏
与党が支援する現職の鈴木直道氏。
夕張市の市長を経て４年前の知事選挙で初当選。２期目を目指します。先端産業の誘致で新たな人材を呼び込み、経済を成長させると訴えます。
鈴木直道氏
「新たな産業を北海道に興し、雇用を生み、地域を活性化していく。北海道のポテンシャルを最大限発揮し、北海道の価値を押し上げていくための挑戦をさせてほしい」
自民・公明両党が全面支援し実績をアピールします。
自民党道連 伊東良孝会長
「半導体の世界的な工場ができるが、知事は去年から先頭に立って誘致に歩いてきた。皆さん、実績をしっかり見て、お力添えを賜りたい」
この日は一日に９つの市町村を訪問。
千歳市の演説会では、誘致が決まった半導体工場の稼働に向けて支援に全力を挙げると訴えました。
鈴木直道氏
「製造だけでなく、研究や人材育成、こういったものが一体となった複合拠点を実現する。ぜひ、このプロジェクトを大成功させていきたい」
17日間にわたる選挙戦。まちからまちへ、全道を車で巡ります。
車中は癒やしの時間でもあります。支えとなっているのは、愛犬、柴犬の「まめ」の写真です。
「削れるのは、本当にご飯とトイレの時間ぐらいしかない中で、座席の前にずっと写真を置いていて、これを見ては、たまに癒やされている」
「北海道を前へ」をキャッチフレーズに支持を呼びかける鈴木氏。４年間に築いた全道での知名度を生かして道政の継続を訴えます。
鈴木直道氏
「北海道を再び、成長軌道に乗せていきたい。命と健康、暮らしをしっかりと守り抜いていく。北海道の確かな未来をつくっていくため、ひたむきに北海道を前に進めていく」
池田真紀氏
野党が支援する新人の池田真紀氏。
自治体職員などを経て衆議院議員を１期務めました。今の道政は道民を向いていないと批判。子育て支援や福祉を充実させ、生活の安心を実現すると訴えます。
池田真紀氏
「誰１人置いてきぼりにしない。その信条を今ほど感じたことはない。道民のための政治、あたたかい政治を道民と一緒につくっていく」
立憲民主党と支援団体の連合が中心になって支えます。
立憲民主党道連 逢坂誠二代表
「血の通った道政、本当の意味で北海道の魅力が分かり、道民の立場に立った道政を実現させようじゃないか。皆さん、勝たせてください」
この日は倶知安町の福祉施設で職員たちと意見交換。介護職員の処遇改善や支援拡充を進めると訴えました。
池田真紀氏
「常にギリギリの人数に追いやられているのが、今の介護の現場の実態なので、そこから改善していかなければならない。政治に現場の声を届けられるよう頑張っていきたい」
各地の街頭を回る選挙期間。聞き取った生活者の声を日々の訴えに反映させます。
戦いを支えるのは小さなバッジ。亡くなった横路孝弘・元知事の形見だといいます。
「横路さんがおっしゃっていた安心な暮らしを実現できるのは私しかいないと、むしろ思っている。使命感を持って取り組んでいきたい」
「あたたかい道政へ」をスローガンに支持を広げようと訴えて回る池田氏。労働組合の組織力も生かして道政の転換を目指します。
池田真紀氏
「地方の暮らしをどう維持していくのか。北海道がセーフティーネットをしっかりと作っていくことが重要だと思っているので、責務がある道としてやっていきたい」
三原大輔氏
美容師の三原大輔氏。
道が解体工事を進めるモニュメント、「百年記念塔」の保全を訴えています。
三原大輔氏
「歴史を体現する百年記念塔を絶対に壊してはいけない。一生懸命、皆さんで声を上げて頑張って守っていこう」
選挙戦では訴える内容を１点に絞って支持を呼びかけています。
三原大輔氏
「百年記念塔を守ることが、やっぱり未来の北海道のためになると自分は信じている。全力を尽くして頑張り、やり遂げる」
投票日は４月９日
北海道のかじ取りを担うリーダーを選ぶ知事選挙。投票は４月９日です。
2023年3月29日
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