北海道の文化系の部活動は○○局と呼ばれている？

視聴者の皆さんの疑問を調査する「シラベルカ」。
今回は、北海道の部活動についての質問をいただきました。 

「北海道では、文化系の部活動は ○○部でなく○○局と呼ばれている気がします。なぜでしょうか」 

文化系の部活動と言えば、演劇部や書道部など、部がつくものと思っていましたが、 北海道にある学校では局と呼ばれる部活動があるというのです。
なぜ「局」と呼ばれているのか、調べてみました。
（札幌放送局記者  竹之内凌） 

まず取材に向かったのは、札幌市豊平区にある北海高校。野球部がことし夏の全国高校野球に南北海道代表として出場し、２試合連続でサヨナラ勝ちして盛り上げてくれました。
大活躍の選手たちに甲子園のアルプススタンドから熱い応援を送っていたのが吹奏楽部、ではなく「吹奏楽局」です。

所属する生徒たちは「部員」ではなく「局員」、リーダーは「局長」と呼ばれています。なぜ、吹奏楽部ではなく吹奏楽局と呼ぶのか。練習に励んでいた局長や局員たちに質問しましたが、その理由はわからないという答えでした。

そこで、吹奏楽局の顧問を務める鈴木健一教諭に話を聞きました。

生徒会の下部組織で、生徒会活動には積極的にということで、「局」と呼ばれるのは生徒会と関係がありそうなことが分かってきました。

そこで、部活動の研究をしている、北海道出身で鹿児島県にある鹿屋体育大学の関朋昭教授に話を聞きました。
関教授は、生徒会と関係のある組織を以前から「外局」と呼んでいたため、現在も「局」と呼ばれる部活動があるのではないかと話していました。

最初に取材した北海高校では、入学式や卒業式など生徒会も関わる式典などで演奏を行うため、「吹奏楽局」と呼ばれているということでした。そこで、道内のほかの高校でも吹奏楽局というのか調べてみましたが、吹奏楽部と呼ぶところもあって、学校によって呼び方が違いました。学校によって「外局」と位置づける部活動が違うため、どの部活動を局と呼ぶのかも、学校ごとに異なっているようです。

取材を進めていくと、「外局」について生徒会の会則で定めている高校が見つかりました。札幌市中央区にある札幌西高校です。

生徒手帳にも記されている生徒会の会則には、条文の中に「外局」という項目があり、「外局は生徒全体の福利機関で、同好者をもって組織する」と定められていました。
外局は生徒たちの学校生活のために活動する機関で、好みが同じ人たちで組織すると位置づけられているのです。
そして会則には、外局として「新聞局」「放送局」「図書局」をおくと明記されています。

新聞局は、校内新聞を発行して学校の話題のほか生徒会の活動を紹介しています。放送局は、校内放送を行うほか、入学式や卒業式といった学校行事でマイクなど放送設備の準備にあたります。そして図書局は、図書室を運営して生徒たちに役立つ本を紹介しています。

３つの局は、生徒会関連の活動だけでなく、他校の「新聞部」「放送部」「図書部」と同じような活動を行っていて、道内や全国の大会にも参加しています。

北海道では、文化系の部活動のなかでも、生徒会の活動に関わりの深いものを局と呼んでいることがわかりました。全国でも部を局と呼ぶ地域がありますが、北海道には局とついた部活動がある学校が多いという話もありました。北海道に局と呼ばれる部活動が多いのはなぜか。いつごろから局と呼ばれるようになったのか。今回、はっきりとさせることができなかったので、引き続き調べていきたいと思います。

2023年10月12日

取材後記

私は関東の出身ですが、母校には○○局と呼ばれている部活動はなく、吹奏楽局や放送局などの存在を知った時はとても驚きました。
北海道出身でも局と呼ばれる部活動があることを知らない人もいて、投稿をきっかけに気づくことが多い取材でした。

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