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トンネルの明かりと安全運転のポイント

  • 2023年10月17日

今回、調べたのはトンネルの「明かり」についてです。 ふだん山あいなどをドライブしていると、何気なく通過するトンネルについて、こんな投稿が寄せられました。 

北海道をドライブで楽しむ季節になりましたが、先日、ドライブしたときに真っ暗なトンネルを運転して怖い思いをしました。トンネルの照明について調べてください。

まずは、投稿を寄せてくれた恵庭市の吉倉薫さんにお話を聞きました。
ことし7月、吉倉さんは父親の隆男さんとドライブしていたときに偶然、照明が消えたトンネルに出くわしました。それからトンネル内の照明を気にして見るようになったといいます。

助手席に座っていた隆男さん
「トンネルに入った途端に真っ暗で、恐る恐る進みました」

車を運転していた吉倉薫さん
「暗闇に吸い込まれるような感覚を体験したことで、トンネルの照明が本当に大切なもので、改めてありがたいと感じました」

北海道はトンネルが多くて長い

道内のトンネルについて調べてみると、494か所あることが分かりました。全国で見ると、山地の多い大分県に次いで2番目に多くなっています。道内のトンネルの長さをすべて足し合わせると約370キロメートルと全国で最も長くなっています。(令和3年3月時点)

トンネル照明の設置基準は...

国道を管理する北海道開発局の今将信さんに、トンネルの照明がどのような基準でとりつけられているのか伺いました。車の交通量やスピードをもとに照明を取り付ける間隔を決めていて、照明の数や出力を調整することで明るさを変えているといいます。

北海道開発局デジタル基盤整備課 今将信 対策官
「入り口部分の照明の設置間隔を短くし、高出力の明るい照明を使うことで、ドライバーがトンネルに入って暗いと感じないように調整しています」

トンネルの入口部分は、照明の設置間隔を短くして、できるだけ明るくしています。そうすることで、昼間は屋外の明るさとの差が少なくなり、トンネルに入ったドライバーの目が、暗い場所に順応しやすくなるように工夫しています。

実際に小樽市の忍路トンネルを見てみると、入り口付近では3メートル間隔で照明がついていますが、中央部分では6倍近い19メートルにまで設置間隔が広がっています。

トンネルの明るさを細かく調整する工夫も

道内の多くのトンネルでは、ドライバーがより安全に運転できるよう、屋外の明るさに合わせて、トンネル内の明るさも調整しています。外が晴れているときは照明も明るく、曇りのときは少し暗めに、夜には必要最小限の明るさにします。屋外に設置されたセンサーが明るさを計測し、トンネル内の明るさも変わっていく仕組みです。細かく調整することで、より安全に運転できるということです。

トンネルの非常時の備え

道内の主要なトンネルには、災害時などに備えて非常用の発電設備があります。停電時には、発電設備から電気を送ることで、一時的にトンネルの明かりを保ち、すぐには暗くならないようになっています。

しかし、一定の時間を超えると、照明が消えてしまうこともあるということで、真っ暗なトンネルを安全に通過するポイントをJAF札幌支部の安藤純一さんに伺いました。

JAF札幌支部 事業課 安藤純一さん
「明るいところから暗いところに入ると、明るさの差によって、一瞬周りが見えなくなるような状況になってしまいますが、これはどなたにでも起こり得ます」
「トンネルに入ったときに周りが見えにくいということで、急にスピードを落とすのではなくて、事前にトンネルがあると分かっていれば、少し準備をしてトンネルに入っていただけるとよいと思います」

専門家による研究では、明るさの急な変化に目が慣れるまでの時間は、20代~30代で8秒、高齢になるとその3倍の24秒かかるという分析もあります。安藤さんは、早めにライトを点灯することや、前の車と十分に車間距離をとることが大切だと話していました。

明るいところからトンネルなどの暗い場所に入ると、視界が見えにくくなるだけでなく平衡感覚も失いやすいということです。北海道はトンネルが多いので、こうした点も十分に注意して、安全運転を心がけてほしいと思います。

2023年10月17日

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