ふるさと中標津のエネルギーを曲に込めて
- 2023年4月12日
東京でデビューした中標津町出身のシンガーソングライターがコロナ禍をきっかけに地元に戻り、活動を続けています。ふるさと・中標津の自然や人がもたらすエネルギーを曲に込めています。(中標津支局・原田未央)
新型コロナの苦境の中で気づいたこと
中標津町出身のシンガーソングライター、エナさんです。進学を機に東京に移り、10年前に音楽活動を開始。小学生の時から続ける日記の言葉から、当時の風景や感情を歌詞として膨らませて作り上げる曲をライブなどで披露しています。
おととしの秋、ふるさと・中標津に戻ってきました。新型コロナの感染拡大で活動が制限される中、気づいたことがあったからです。
エナさん
「外出がOKになって久しぶりに近所を歩いた時、自然の豊かさや風景の鮮やかさ、なじみの店での会話のあたたかさとか、そういった命のエネルギーみたいなものを身近に感じました。そういうものが力になって音楽になっていたんだなと改めて再認識して」
自然や人がもたらすエネルギーをより深く、身近に感じて音楽活動に向き合ってみたい。慣れ親しんだふるさとの自然や人々の思いに触れながら、曲作りに励んでいます。
ふるさとを舞台に新たなチャレンジ
新たなチャレンジも始めました。地元の魅力発信を兼ねて、季節ごとのライブを計画しその資金をクラウドファンディングで調達。その第1弾となるライブの配信に向け、町内の施設を借りて収録が行われました。地元の風景を舞台とした曲など11曲を収録しました。
「星が鳴る道」
乗り慣れた自転車と重なってく白い息
かすかに遠く見える淡い街灯の光
少しの達成感とぼんやりとした未来を背負って
大きく隠してる不安の跡
背中向けて笑う神様が耳元で言うんだ
「いつかは、、、なんて何回繰り返した?」
星が鳴る道
風も鳴って鼓動が聞こえる真っ暗な想いと一緒に
羽根がついてどこまでも飛べたらこのまま
優しい声を聞かせてほしい
真夜中に私しか知らない想いと一緒に
これから先すべてを失ってしまいそうだけど
背中向けて泣いてる神様が耳元で言うんだ
「悲しいのは君だけじゃない」
星が鳴る道
風も鳴って鼓動が聞こえる真っ暗な想いと一緒に
側にある光に気付ける強さを
優しい声を胸に抱いて
もう一度前を向いて心から笑ってみたい
星が鳴る道
風も鳴って鼓動が聞こえる真っ暗な想いと一緒に
羽根がついてどこまでも飛べたらこのまま
星が鳴る道
風も鳴って鼓動が聞こえる真っ暗な想いと一緒に
側にある光に気付ける強さを
優しい声を聞かせてほしい
優しい声を聞かせてほしい
優しい声を聞かせてほしい
この曲は、不安を抱えていた進学前、アルバイトの帰り道にふと見上げた星空の美しさに、前向きな気持ちにさせてもらったときのことを歌っています。
自分の歌で“前向き”になれたら
自分の歌で若い人たちが一歩踏み出すきっかけを作れないか。エナさんは母校・中標津高校で歌い、「星が鳴る道」など9曲を披露しました。MCでは、事前アンケートで生徒から寄せられた進路などの悩みに対し、一歩踏み出す大切さを語り掛けました。
生徒からは「私たちの悩みに真摯に向き合ってくださってとてもうれしかったです」「エナさんの高校時代の思いが自分にもところどころ刺さってよかった」などという感想が聞かれました。
アフターコロナは中標津と東京の2拠点で
エナさんは今後、中標津と東京の2つの拠点で歌を届けていこうと考えていて、6月には中標津町で「星空」と「草原」をテーマにした屋外ライブを2日続けて開くということです。
エナさん
「音楽を届けていきたいのはもちろんですけど、今ある、今しかないその日常の魅力とか、その場だからこそ感じられるエネルギーとか、そういったものが溢れる場をどんどんつくっていきたい」
(2023年4月11日)
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