【解説】札幌市長選挙 五輪招致めぐる主張は
- 2023年3月20日
“春の政治決戦”統一地方選挙は札幌市長選挙の告示まで1週間を切りました。今回の市長選挙は、札幌市が目指す2030年冬のオリンピック・パラリンピック招致の是非が最大の争点となる見通しです。立候補を予定している3人の主張は? (札幌放送局 三藤紫乃)
札幌市長選挙 26日に告示へ
3月26日告示を迎える札幌市長選挙。
これまでに、3期目を目指す現職の秋元克広氏、新人でNPO法人事務局長の木幡秀男氏、新人で市の元市民文化局長の高野馨氏が立候補を表明しています。
3人が強く主張するのは…。
秋元克広氏
「観光や食という北海道のよさを背景にした札幌の強みを、改めて再生していきたい」
木幡秀男氏
「医療介護、福祉の分野で培った経験をもって、命、暮らしが一番の札幌市をつくる」
高野馨氏
「2030年の札幌冬季オリンピックの招致に反対で、住民投票の実施を掲げていきたい」
五輪招致が最大の争点に 3人の主張は
今回の市長選挙は、札幌市が目指す2030年冬のオリンピック・パラリンピック招致の是非が最大の争点となる見通しです。
大会招致を目指す現職の秋元氏を立憲民主党のほか新党大地が推薦。自民党の札幌市連と公明党の札幌総支連、国民民主党道連が支持しています。
これに対し、市の元局長の高野氏が招致反対を掲げて立候補を予定しているほか、共産党が推薦する木幡氏も招致に反対しています。
招致をめぐっては、夏の東京大会にまつわる汚職事件の捜査が続く中、去年12月にIOC=国際オリンピック委員会が開催地の決定を先延ばしすることを決めました。
これを受けて、札幌市はPR活動などを当面、休止し、大会の透明性と公正性を確保するための運営体制の見直しなどを進める方針です。
立候補を予定する3人の主張も出そろってきています。
秋元克広氏【招致推進】
「オリンピックそのものに対する国民、市民の不信感が高まっている。いったん立ち止まり、東京大会の検証、今後の取り組みをしっかりとまとめてお示しし、そのうえで市民の意向を確認していく」
木幡秀男氏【招致反対】
「市民の暮らしとオリンピックをてんびんに掛けてきたときに、もっと重視すべきことがあるのではないか。スポーツの祭典が実は談合と中抜きの祭典に変わっている。招致は1回白紙に戻すべきだ」
高野馨氏【招致反対】
「冬季オリンピック招致に反対。招致プロセスとして前々から言っているように、札幌市の自治基本条例第22条に基づく住民投票を実施することを公約とし、民意を確認したうえで完全撤退をしたい」
3人の主張は大きく分けて、秋元氏が「推進」、木幡氏と高野氏は「反対」となっています。
秋元氏は開催が地域経済の活性化につながるなどとして、透明性の高い大会運営のための改革案を示して市民の理解を求める考えです。
一方、木幡氏は多額の経費がかかるとして白紙撤回すべきだと訴えているほか、高野氏は住民投票を実施したうえで撤退を決めたいとしています。
7年後の大会をめぐっては、これまでに招致に名乗りを上げているアメリカのソルトレークシティー、カナダのバンクーバーのほか、新たにスウェーデンも招致を検討する動きが伝えられています。
こうした中で行われる今回の選挙。今後の招致のあり方を方向づけるものになります。
2023年3月20日
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