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北のことばお兄さん 「ら抜きことば」

  • 2022年12月2日

音更町出身の伊林です。 「北のことばお兄さん」、今回は「ら抜きことば」です。

 突然ですが、クイズです。次の地名に共通するものは何でしょうか? 富良野,東神楽,小平,羅臼,浦幌,更別,室蘭,平取,浦河,浦臼,古平,蘭越。もうお分かりですね。答えは「ら」が入っていることです。 

書きことばや話しことばの中でも、大事な「ら」があります。この本来必要な「ら」が欠落している、抜いてしまっている表現を「ら抜きことば」と言います。「見れる」「来れる」「出れる」などです。寝不足の時にも、ついこんな表現をしてしまいがちですよね…。

NHK放送文化研究所は、定期的に「日本語のゆれに関する調査」を行っています。今回は2021年2月と3月に実施され、その中で「ら抜きことば」などの調査がされました。
それによりますと、“ふだん自分でも「寝れない」という言い方をする”人が多数を占めました(以下、調査に関する数値・データは全て、NHK放送文化研究所「放送研究と調査 2022年2月号」より)。

この「寝れない」とともに「来れない」「見れない」「起きれない」「食べれない」も、“ふだん自分でも使う”という人が6割から7割を占め、日常会話では比較的よく使われている『ら抜きことば』である、という結果が出ています。
一方で、「数えれない」は“ふだん自分でも使う”と答えた人が43%、「確かめれない」は35%と半数に満たず、短いことばほど『ら抜き』が起こりやすい結果が出ています。

ただ、「ら抜きことば」を“かしこまった場面では使わないほうがよい”と考える人も、依然少なくありません。「寝れない」についても、そのように考える人が6割に上りました。

6割の内訳は「ふだん自分でも使う言い方だが、かしこまった場面では使わないほうがよいと思う」が38%、「ふだん自分では使わない言い方であり、かしこまった場面では使わないほうがよいと思う」が22%でした。「来れない」「見れない」「起きれない」「食べれない」も、“かしこまった場面では使わないほうがよいと思う”が60~70%を占めました。

調査では、「ら抜きことば」をNHKの放送で使うことについてどう思うか、についても聞いています。

今回は「使わないほうがよい」が最も多く43%でしたが、2013年の調査の68%に比べると大きく減少しました。次いで「使ってもかまわない」が23%、「どちらともいえない」が28%でした。2013年に比べると、「使ってもかまわない」が+8ポイント、「どちらともいえない」が+13ポイントとなっています。

「使わないほうがよい」と考える人が多いものの5割以下、「どちらともいえない」が3割近くという結果をみると、人々の意識も揺れているようです。「ら抜きことば」はかしこまった場では良くないと思う意識はあるものの、日常では広く浸透していることが影響しているのかも知れません。

“ちょっと人に話したくなることばの知識”をお届けするミニ番組「北のことばお兄さん」
放送は、(月)~(木)の午前5時59分から1分です。
これを見れば、「『○○○』って、本当はこういう意味なんだよ!」と思わず人に話したくなること間違いなし!是非、ご覧下さい!

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