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函館市長選挙 現職と新人 1対1の対決に 2人の訴えは【全文掲載】

  • 2023年4月16日

“春の政治決戦” 統一地方選挙の後半戦。函館市長選挙は16日に告示され、現職と新人の2人が立候補しました。2人の「第一声」を全文掲載します。(函館市長選挙取材班)

函館市長選挙に立候補したのは、届け出順に、いずれも無所属で、4期目を目指す現職の工藤寿樹氏(73)と、新人で市の元保健福祉部長の大泉潤氏(57)の2人です。
自民党と公明党函館総支部が工藤氏を推薦。立憲民主党が大泉氏を支持しています。
選挙戦では現職の3期12年の市政運営に対する評価のほか、人口の減少数が道内の自治体で最多となる中、少子化対策をどう進めるかや、新型コロナで打撃を受けた観光業など地域経済の振興をめぐっても論戦が交わされる見通しです。

 

工藤寿樹氏

皆さんおはようございます。今日は雨の中をですね、こうして、出陣式にご出席をいただきました。本当に本当にありがとうございました。感謝、感謝、感謝でございます。ただいま、道議の皆さん、お三方からやっぱり当選した人は元気がいいですねえ。それを分けてもらってですね、今日、元気で出陣をして参りたいというふうに思います。
これまで3期12年、市政を担当させていただきました。市長に就任した時も、東日本大震災の後の、非常に観光も落ち込んだ時期でありました。それを乗り越えて、そして新幹線の開業を迎えて、インバウンドも増加して、そして少しまちに元気が出てきたなと思ったところに、この3年間のコロナ禍でありました。なかなかこの感染対策、あるいは支援策、そういうものに追われてですね、福祉あるいは教育、こういった内政的なことはできたんですが、外交的なこと、外から客を呼び込む交流人口の増加、企業誘致、こういったことがなかなか思うように進めることができませんでした。そういう中でコロナもだいぶ落ち着いてきて、さてこれからコロナを乗り越えて函館のまちをまた元気に戻していく、そのことを何としても、もう1度自分の手で、やらせていただきたい、やり遂げて、そして次世代にバトンタッチをしていきたい。もう1度なんとか私を市長に押し上げていただければ、そういう願いでいっぱいであります。皆さんの、本当に皆さんの、本気の本気のご支援を心からお願い申し上げます。
まずは、コロナ禍、そしてまた物価高、こういったものが依然続いております。市民生活も圧迫され、そして事業活動もまだまだ制約をいろいろ受けております。この物価高に対応した緊急の対策、これをすぐにでも、もう打たなければなりません。選挙で今、中断していますが、低所得者や子どもの世帯に対する支援というのを国も考えて打ち出して、もう決定をしております。それだけで足りません。やはり市の独自の財源、独自策、独自の支援策をもってですね、より広い市民の皆さん、そして事業者の皆さんに、この燃料高、物価高を乗り越えていくような、支援策を講じていかなければならないと思っているところであります。その上で、コロナで傷んだこの地域経済、この再生が急務であります。東日本大震災の後に取り組んだように、もう1度、あの時よりももっとショックが大きいんです。東日本大震災の年は、あれでも410万人の観光客が来ていただいてたんです。それが新幹線開業で560万、ちょっとその後落ちましたけど、また持ち直して540万まで来た。そこにコロナが襲った。で、320万人まで大幅に観光客も落ちて、まちの元気が失われ、さまざまな産業にその影響を与えたわけであります。観光の再生、そして地域経済の復活、これが急務だというふうに考えております。私は台湾便だけではなくて韓国便、前に3か所から飛んでいた中国便、こういったものをもう1度復活させることによって、観光客600万人を目指していきたいと思いますし、またクルーズ船も42隻まで復活、ゼロから戻りました。これは70隻まで可能なんです。もうあの、1週間に2隻ずつですね、入るような時代が来つつあるんです。観光を再生させて、その波及効果で、様々な産業、製造業、建設業そして農業、漁業そして小売、物販、飲食、そして商店街、いろんなところ、隅々までですね波及効果で、底上げを図っていきたいというふうに思っているところであります。
その一方で人口減少が進んでいます。函館、毎年3000人規模で人口が減っております。一番大きな原因は少子化です。昨年函館では4300人が亡くなって、生まれた子どもが1100人。自然減、黙っていても3200人、人口が減ったわけであります。これは今のままでいくと、亡くなる方がもっとこれから増加をしていくことが予想されます。子どもが今の数で抑えても、人口減が拡大していくことになります。それをとめるためには少子化対策、本気でやらなければならない。子育て支援に力を注がなければならない。
この4月から、医療費、子ども医療費を高校生まで無料化しました。今度は学校給食費を、月5、6000円かかりますが、これを無償化する。そのことを進めていかなければなりません。学童保育料ももっと引き下げて、父母負担を軽減する。経済的負担だけではなくて、お父さんお母さんが子育てしながら、そして働く、この環境をきちっと、とりわけ女性、女性のこの環境を、整えていかなければなりません。行政だけではできません。民間の皆さんの協力も必要です。そういう中で子育てを支援して、まち全体で、子育てを支援していく時代が来ております。国全体で子育てを支援していく、そういう時代になっているということをぜひご理解いただいて、これから私もしきりにですね、それを最大限進めていきたいというふうに考えております。
もう1つは若者の流出であります。これは昨年600人ぐらいが出て行く人の方が多かったんです。一時は、前は3000人とか減っていたんですが、今600人。それでこのためには、地元の企業に、希望の業種がないという方が結構いらっしゃいます。3分の1、回答のあった3分の1ぐらいは、函館に残りたい。3分の1ぐらいは希望の職種があれば残ってもいい。残り3分の1は何が何でも大都会に行きたい。この3分の1、大都会に行きたい人は止められません。後の3分の2は地元に就職できる可能性があるわけであります。そのためには、地元の企業、IT、AI、そしてDXを導入して近代化を図って、生産性を上げて、良い賃金を払える状況にして、若者をひきとめなければならないと、そのための支援策を、市としても講じていきたいというふうに思っております。また、若手の創業者、それを育てるために企業を支援する制度、これをきちんと市が作って、セミナーを開催して、全国から起業を志す若者を集めて、育成をして、函館で起業した場合には、一時的に創業資金も提供しますよ、貸し付けも無利子で行ないますよというようなことで、新産業の創出に繋げていきたいというふうに考えております。
そして加えて、各企業の皆さんと協力をして、函館で奨学資金を受けて、そして地元で働いている人が2人に1人ぐらいいるんです。その人たちの奨学資金の返済を市が肩代わりして行っていく、そういう制度をつくって、奨学資金もらって、札幌・東京で返していくよりも、函館だとずっとそれが軽くなる、そういう制度をつくってですね、なんとか地元に若い人たちを残ってもらう、そういう仕組みを作っていきたいと思います。とりわけ介護だとかあるいは保育だとか、こういう従事する人が減っています。足りません、まったく。それでこれについては、就職一時金、地元で就職してもらえば、20万円ぐらいの支度金を用意して、そして2年ぐらい月5000円のキャリアアップのための補助金も出して、ここで働いてもらう体制を作っていきたいというふうに思っています。
もちろん高齢者の安全安心も大事でありまして、それも健康だとか、あるいはこの、足の確保、銭湯の確保、いろんなことをですね、高齢者のためにも尽くしていきたいと思っております。
いずれにしてもこれまで、2011年の東日本大震災を乗り越えて、そして2018年の北海道ブラックアウトを乗り越えて、まちを盛り上げてきたわけであります。この3年間、大変大きなものがありますが、これは乗り越えられないことはありません。皆さんと力を合わせて、私はその先頭に立たせていただいて、私を働かせていただいて、そして函館の元気をですね、取り戻して参りたいというふうに思います。皆さんの絶大なるご支援をお願い申し上げます。わたくしは函館再生のために、初心に立ち返って戦う市長になります。よろしくお願いします。


大泉潤氏

皆さん、もう、函館は変わらない。閉塞する時代は終わらない、そう思っていらっしゃいませんか。大丈夫です。リーダーが変われば、まちは変わります。私、大泉潤は、この美しいまち函館の地域の誇りを取り戻し、市民の皆さまの命と暮らしを守るために、持てる力の全てを捧げてまいります。
昨年の7月に函館市を退職をいたしました。市長選を目指すためであります。この間、9か月以上の間、本当に多くの方、数え切れない方にお会いをしてきました。もちろん一番多い声は、生活が苦しい。エネルギー、食料品、物価の高騰が年金生活の方をはじめ、一般市民の家計を直撃をしております。国からの交付金も活用して、あらゆる施策、あらゆる経営資源を総動員して、全力で市民の暮らしを守っていかなければなりません。
そして市民の暮らしというのは、経済的な負担だけではありません。基本的な生活インフラ、これが行き届いていない。納税者であれば、当たり前に享受できるはずのものが、奪われていると言っては言いすぎでしょうか。全く整っていません。例えば、老朽化した道路。でこぼこガタガタで高齢者の方など、わずかな段差でも転倒するリスクもあるのに、老朽化した学校、老朽化した公共施設、なにより除排雪。これだけ高齢化が進めば、除雪はもう便利不便のレベルを超えて、命の危険にさらされています。
こうした基本的な生活インフラを整えるためにも、もちろん財源が必要であります。財政を理由に、これらが整えてこられなかった。財政というのは、いろんな獲得の仕方があります。確かに、行財政改革、これも今は数値目標がありませんから、全力でやっていかなければなりません。それ以外にも、国や北海道の交付金や補助金なんかもしっかりと獲得をする。そのためにも、さび付いた北海道とのパイプも生かしていかなければならない。
ただ何よりも、ふるさと納税であります。恒久的な財源とは言えませんが、ただ、これは函館のために、整えてもらったようなそうした制度ではないでしょうか。函館は8億7000万のふるさと納税をいただいております。しかし、オホーツクの自治体などは皆さんご存知の通り、150億円を年間集めています。私は4年間で、このふるさと納税を100億にするという目標を設定いたしました。決して無理な額ではない。それは、全国1700の自治体もありますが、その中で上位11番目に、函館はふるさと納税、検索をされているんです。検索ランキング11位なのに、返礼品が乏しいから、誰も寄付をしてくれない、そうした状況です。これは問題です。
これがもし、数年前から本当に100億集められていたならば、その中でも数十億が、函館市政に投じられていた。子どもにも、教育にも、福祉にも文化にも、そして生活インフラにも、もちろん除雪にも、それが失われてきたわけであります。函館市はプロモーションの予算をつければいいんです。宣伝の予算をつければいい。あとは民間の稼ぐ力、それとともに大事な財源を集めることができる。それを大切に、皆さんの声を聞きながら、求められている施策に誠実に投じていきたいと思います。それが行政の原点ではないでしょうか。
そして選ばれるまちにならなければならない。そのためには、子ども、教育、そうした未来への投資が必要であります。それも場当たり的ではなくて、一過性じゃなくて、将来にわたってずっと継続していくんだ、そういう政策パッケージを作って、それを伝えていくことです。親御さんにもお子さんにも、そして若い方にも、若い方がここで家族をつくる。このまちで母になる、そうした決断をするのには大変な覚悟がいります。このまちに守られているんだな、この自治体に守られているんだな、そう思えるような、温かい寄り添う行政に全力を尽くさなければなりません。足りなかったのは、政治的意志です。停滞か、前進か、社会は変われる。函館は必ず変われます。
あと8日後に有権者の答えは出ます。今からまさに波乱の戦いが始まります。どうか皆様の支援の輪をますます大きく、応援の翼をますます大きく広げてください。市政の舵取りを担わせてください、やらせてください。どうぞ皆さん、よろしくお願いいたします。


投票日は23日

函館市長選挙の投票は、今月23日に行われます。

2023年4月16日

 

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