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センキョの疑問答えます!①「出口調査ってどうやるの?」

  • 2022年6月16日

毎回投票に行っているという30代男性の方から寄せられた疑問です。

出口調査の精度について気になります。各社やっていると思いますが、結果が異なっているので、調べ方やマンパワーのかけ方が違うのでしょうか…?

 

選挙ではすっかり定着した出口調査。
投票日の夜、「出口調査によると、○○氏は●●党支持層を固めたうえ、無党派層からも幅広く支持を集めた」「☆☆氏は★★党支持層を固めきれなかった」といった勝因や敗因の分析の1つとしてお伝えすることもあるので、耳にした方もいらっしゃるかもしれません。NHKの出口調査はどのように行われているのか、担当者に取材した内容をご紹介します!

そもそも「出口調査」って?

「出口調査」は、報道機関が有権者の投票行動や政治に対する意識を探るために行っています。投票を終えた人に、▽どの候補者に投票したか、▽支持する政党、▽重視する政策などを投票所の「出口」で調査員が尋ねます。たまに投票所を訪れた方から投票前に、「出口調査やってるんだ、答えてあげようか?」と調査員に声をかけていただくことがあるのですが、あくまでも投票を終えた人が対象のため、お断りしています。(お申し出はとてもありがたく感じています!)

NHKは、今回の参院選でも、統計的手法に基づいて事前に選んだ投票所で、投票日に出口調査を行います。また、期日前投票についても、調査日を限って調査しています。

調査にはタブレット端末を使い、名前や住所を尋ねることはありません。また、個人の回答が外部に出ることもありません。もちろん、新型コロナウイルスの感染対策も徹底します。安心して調査にご協力頂ければと思います。
頂いた回答は集計して、▽各候補者がどのくらい支持政党の票を固めているかや、▽年代や性別ごとの投票傾向の違いなどを分析します。そして投票が締め切られた午後8時以降、テレビやラジオの開票速報番組のほか、インターネットでもお伝えします。出口調査を通じ投票行動を詳しく分析することで、より説得力のある放送につなげたいと思います。

投票日当日の出口調査では、その結果が投票者の“縮図”となるよう調査します。
このため、各投票所では、それぞれ一定の間隔をあけて投票者に質問します。
インターネット上では、「NHKの調査員の前を通ったが、出口調査への協力を求められなかった。ほんとうにちゃんと調査しているの?」という反応を見かけますが、それはこういう事情があるのです。投票所から出てくる人すべてに質問していると、調査結果に偏りが生じないとも限りません。(※あくまでもNHKの手法です。ほかの報道機関はまた違ったノウハウを持っています)

報道各社で見てみますと…自社で調査を行っているところもあれば、1社が行った調査を共有しているところもあるようです。詳しい手法については教えてもらえませんでした…企業秘密だそうです。

デジタル化するまでは紙でした…

NHKが出口調査を本格的に始めたのは平成初期。
今ではデジタル化してより早く集計できるようになりましたが、それまでにはさまざまな苦労の積み重ねだったようです。(東京で長年選挙に携わってきたデスクにも話を聞いてみました!)

デジタル化する前は、調査用紙、つまり「紙」を使って調査していました。このため調査結果の集計には今よりも手間と時間がかかっていました。
衆院選や参院選のような大きな選挙だと全国で回答は数十万にもなり、全国集計がまとまるのはかなり時間がかかりますが、全国一斉の国政選挙では、出口調査に基づいて「@@党は●●議席から○○議席をとりそうだ」と議席予測を速報するのは投票が締め切られた午後8時。それに間に合うように調査時間を調整したり、集計方法を工夫したりしていました。それでも、自分の担当地域の調査が無事終わり、集計結果が報告されるまで、担当者は気が気ではない時間を過ごすことになります。

一方で、「何をどのように聞く」か。つまり設問づくりはとくに力が入ったそうです。
出口調査に限らず、調査と名のつくものは聞き方1つで回答は変わってきます。報道各社の世論調査で内閣支持率に違いが出るのはこうした理由もあります。
その選挙を的確に分析しうるために、質問文や選択肢は1字1句、細かく検討したそうです。とくに紙の時代は、紙幅が限られる中で設問の配置にも気を配ったといいます。

ぜひご協力ください!

各投票所に派遣する調査員には、▽どのように調査すればよいか、▽有権者の方々に快くお答え頂くためにはどうすればよいか、▽新型コロナ対策で気をつけることはなにかなど丁寧に説明した上で調査に当たってもらっています。一方、どこで調査すればよいか投票所ごとに綿密に検討し、選挙管理委員会に事前に通知して、円滑に出口調査が行えるよう、準備を進めています。

今の時代、出口調査なくして選挙報道は成り立ちません。
ただ、NHKには、▽事前準備をどう進めるか、▽どのような視点で分析するか、そして、▽放送などを通じてどのようにご協力頂いた皆さまに“還元”するか、などなど一定のノウハウが蓄積されています。(※参院選で過去に行った出口調査の分析は、「北海道の参議院選挙データで“深掘り”投票率・期日前投票・出口調査・・・」をご覧ください!)
なによりも1票の“重み”に思いをはせながら、今回の参院選でも出口調査を行い、活用していきたいと思います。
ぜひ、NHKの出口調査にご協力ください。よろしくお願いいたします!

 

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2022年6月15日

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