NHK札幌放送局

FMシアター「山神家の森」制作・放送のおしらせ

番組スタッフ

2023年9月13日(水)午後5時04分 更新

奥野瑛太さんと佐津川愛美さんを迎えたオーディオドラマ FMシアター「山神家の森」(第19回 北のシナリオ大賞受賞作品)を9月30日(土)に放送いたします。 

FMシアター「山神家の森」
(第19回 北のシナリオ大賞 受賞作品)
放送:2023年9月30日 (土) 22:00~22:50 
<NHK-FM 全国放送
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)

※「北のシナリオ大賞」は、日本脚本家連盟・北海道支部の主催するオーディオドラマの脚本賞です。新進作家を生み出す登竜門として、これまでに年1回18回にわたり開催。毎年100本を超える応募を集め、大賞作品を選んでいます。5年前からは、NHK札幌放送局との共催にて実施。その大賞作品を、NHK札幌放送局でオーディオドラマ化しています。

【脚本】 
宇部 道路(うべどうろ)

【音楽】
Cutsigh(カットサイ)

【出演者】
奥野 瑛太、佐津川 愛美
山野 久治、磯貝 圭子、泉 陽二、西田 薫、下田 悠惺、笹塚 桃李、鈴木 琴心

【制作】
<NHK札幌放送局制作>
制作統括:堀口 航平/技術:松原 宏樹、横山 達夫/音響効果:三村 俊之/演出:文室 理惠

【ドラマのあらすじ】
 ドラマのモデルとなったのは、国内でも珍しい「赤いオーロラ」が見える町・北海道陸別町。親から子、そして孫へと、代々「森」が受け継がれていく林業の町だ。主人公の恵一(38)は、そんな林業を営む山神家の跡取り息子。しかし幼少期に両親が離婚、母と上京して以来、帰ることはなかった。
 恵一が東京で勤務する住宅会社は、新型コロナやウクライナ危機の影響で業績不振に陥り、恵一自身もうだつが上がらない。そんなとき、ずっと音信不通だった父・辰太郎の死の報せが届く。葬儀のため30年ぶりに帰郷した恵一、だが今や父はおろか、林業への思い入れも無かった。
 しかしそこで、子供の頃に見たオーロラに憧れ、今も故郷の天文台で働く同級生・朱莉と再会。様々な葛藤を抱えながらも、母とともに故郷で生きる決断をした朱莉の姿を目の当たりにし、恵一の、自らの父への思いも変わっていく。そして、30年ぶりに「赤いオーロラ」が出現する日。恵一は、父との唯一の思い出が残る森に、一人登っていくのだった-。


【出演者について】

山神 恵一 役:奥野 瑛太
<プロフィール>
北海道苫小牧市出身。日本大学芸術学部映画学科に在学中から自主映画に出演。映画『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』で映画初主演。主な出演作に、映画『太陽の子』『死体の人』ほか、ドラマでは、NHK連続テレビ小説「エール」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」、「最愛」など。今回はオーディオドラマに初出演となる。

<出演にあたって>
僕が演じる山神恵一は、両親の離婚により幼少期に北海道から離れ上京した後、父の死をきっかけに30年を経て再び北海道の地に降り立ちます。 恵一とは家庭環境は違いますが、僕自身も苫小牧で生まれ18歳で上京し、未だにこうして北海道に縁を頂いております。 似たような状況の人物を演じられることに心躍るような気持ちになり、とてもシンパシーを感じました。

<オーディオドラマ初出演について>
今回初めてオーディオドラマに出演させていただきました。演じる役柄のその人となりや人格までも、無自覚に“声”に現れてしまうものなのだなと声だけで表現する事の難しさと奥深さに直面しました。それでも監督、共演者・スタッフの皆さんと試行錯誤しながら、楽しく収録させていただきました。

<この作品の魅力について>
普遍的な親子の話をベースに、林業の後継者問題、過疎化、環境保全、世界的な社会情勢下での影響などなど、今北海道が抱えているいろんな問題に触れている作品です。 しかしながら、読後感はとても穏やかで、脚本を書かれた宇部道路さんの温かい眼差しを感じられます。 主人公や、北海道の地に生き続ける登場人物達を通して、自らの死生観を改めて見つめる機会になりました。明日には僕の身にも起きそうなことをシンプル且つ柔らかに描いている作品なので、そういうところを聞いていただければと思います。ただニュースを耳にするのとは違う、土地柄と共感を覚える作品になっているのも魅力の1つです。

<今回の作品ならではの工夫点>
個人的に北海道で活動なさっている役者の皆さんと演じるのがすごく嬉しかったです。北海道の空気を知っている皆さんとその言葉と一緒に、北海道に帰ってきたぼくと恵一がどうリンクしていくかが面白いだろうなと思って取り組ませてもらいました。 なので、自分から何か工夫しようとかはあまりなかったと思います。どういう空気感、どう北海道の作品になったのかそれを楽しみに聞いてもらえると嬉しいです。


工藤 朱莉 役:佐津川 愛美
<プロフィール>
静岡県出身。2005 年「蝉しぐれ」で映画初出演。以降、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「ヒメアノ~ル」など出演作多数。NHKでは、連続テレビ小説「ちむどんどん」「スカーレット」ほか、FMシアターにも数多く出演する。

<出演にあたって>
私が演じる朱莉は、年齢も私と同じぐらいです。親との関係性に関しても、私も30歳を過ぎてから、親をより大切にしているところもあるので、「わかる、わかる」と共感する部分が多かったです。また、北海道のみなさんと演じるのが楽しみでした。

<朱莉という人物について>
朱莉は達観している部分、悟っている部分がありますよね。朱莉のセリフで「誰のせいでもないんだよ!」というのが印象的で。そう言える人は、すごい大人だなと思いました。普通は誰かのせいにしたくなるんですよ。そしていろんな経験をしてきたのに、母とはコミュニケーションも取れなくなってしまうという不甲斐なさも表現したセリフでもあるんだなと感じとりました。

<今回の作品ならではの工夫点>
ナチュラルに演じる大切さを今回感じました。ラジオドラマは声の表現や、間の取り方とかを誇張したりする場合も多いのですが、今回はとにかく自然に演じる。大きな演技は要らない作品だなと分かったので、そういう部分も意識したのは工夫の1つでした。

<この作品の魅力について>
いろんな問題やテーマが組み込まれていますが、すごく身近なドラマであるなと思っています。キャラクターのかわいさだったり、優しさだったりが、セリフ選びからも出てくる脚本だなと思ったので、わたしは共感しやすかったです。あったかい作品になっているので、構えずに楽しんで聞いてもらえたら嬉しいです。



【脚本について】
作:宇部 道路(うべ どうろ) [出身:千葉県]
<執筆にあたって>
新型コロナ、ロシアによる軍事侵攻、終わりの見えない不況。自分の努力や意志、想い、そんなものとは全く関係のないところからやってくる外的な要因が、どれほど多くの人の心を挫いてきたのでしょうか。私たちにダメなところがあったのでしょうか。私たちが間違っていたのでしょうか。どうしようもない、でも、どうにかするしかない、そんな苦しさを描きたいと思いました。そして願わくば、どうしようもない苦しさの向こうに明るい未来を願いたいと。
脚本を書き、北のシナリオ大賞に応募するまでの3年間を過ごした北の大地、北海道。私はたくさんの人に出会い、助けられ、地域を愛する人々の声に魅了されました。極寒のなか大雪に覆われるどうしようもない冬の自然を前に、人々は懸命に生き、春の芽吹きを敏感に感じ、短い夏を謳歌しています。その生き方にどれほど勇気づけてもらったか。「山神家の森」は、北海道で出会った全ての人への感謝を込めて書かせていただきました。
そして同時に、「山神家の森」は家族の物語です。新型コロナの感染拡大は、家族の距離を遠ざけたように思います。離れて暮らす子に会いにくくなり、親の死に目に立ち会えない子がどれだけいたことか。久しぶりに北海道から帰省したとき、大病で生死をさまよった父に言われた「子供に会って死ぬなら本望だけどね」という言葉が忘れられません。照れくさくて、なかなか感謝を伝えることができない親子。この作品を聴いていただいた皆さんがふと故郷を思い出してくれたらと願っています。


【音楽について】
音楽:Cutsigh(カットサイ)

<プロフィール>
本名河西裕之。ギタリスト。90年代よりAUDIO ACTIVE、MELONMANの一員として活動。GOMA、Jemapur、SHOHEIなど数々のアーティストと競作競演。2006年、Cutsighとしてソロ活動を開始。2022年、アルバム『Close your eyes, what do you see?』を発表。

<コメント>
これは木と森と人間と宇宙の、生命の物語。
ギターは木から作られている。アコギはもちろん、エレキギターも。だからギターは生きてる。呼吸をしている。
ギターが木で出来ていなかったら、ここまで愛着を持たなかったかもしれない。
ギターに刻まれたいっぱいの傷、その全てが愛おしい。そう思えるのは、木だから、生きているから。人も木も森も宇宙も、皆生きているから。


【演出について】
演出:文室 理惠(NHK札幌放送局 ディレクター)
<コメント>
脚本を初めて読んだとき、言葉にできない静かで、切ない温かさが私に流れ込みました。形にしたい。私ができる最大限、私が思うすべての素敵なものでこの作品を形にしたい。そう思いました。こんなにも心が躍る仕事は初めてでした。いまだにわくわくが止まりません。それはきっと関わってくださったすべての人たちがあまりにも素敵だからです。どうしたら作品がよくなるのかを考えた時、心が動くか、惹かれるか、その基準だけで作りました。
初めて演技を肌と息、目の前で感じました。この役はこのような人です、と伝えた次の瞬間、俳優さんはガラリと、今まで歩んできた人生さえ変わり捨てます。何一つ残さず。演技だと感じさせない演技は、演技とは、どうして生まれるのか。私はすでにすべての役と俳優さんが愛おしくてたまらなくなりました。
音。今でもあのふわふわとした温かい気持ちを覚えています。優しく幸せな気持ちに包まれる音。私がとても大好きな札幌のカレー屋で脚本を読んでいたら、音楽が流れてきました。運命ではないですか。そして、苦しくて、幸せな気持ちを素敵な音にしてくださいました。想像のはるか遠くを超え、Cutsighさんは山神家の森の旋律を生みだしてくださいました。そして目でしか見えないと思っていた「赤いオーロラ」も、音楽で表現してくださいました。ぜひ聞いていただきたいです。
一人一人の心が込められた思いが、私の制作の源になっていました。皆さんの大事な、大事な思いを私に預けてくださりありがとうございます。聴いているあなたにもこの思いが届きますように。


FMシアター「山神家の森」
(第19回 北のシナリオ大賞 大賞受賞作)
放送:2023年9月30日 (土) 22:00~22:50
<NHK-FM 全国放送>

※らじる★らじるから聞くことができます
★「聴き逃し」配信あり(放送から1週間)

●らじる★らじるのWEBサイトはこちら
https://www.nhk.or.jp/radio/

●らじる★らじるアプリダウンロードはこちら
https://www.nhk.or.jp/radio/info/app.html




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