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2022年6月 苫小牧市長選挙 現職・岩倉氏が5選果たす

  • 2022年6月20日

現職に新人が挑む構図となった苫小牧市の市長選挙は6月19日に投票が行われ、現職の岩倉博文氏が新人の西村俊寛氏を抑えて、5回目の当選を果たしました。

苫小牧市長選挙の開票結果です。
▼岩倉博文(無所属・現)当選 2万9523票
▼西村俊寛(無所属・新) 1万7412票
現職に新人が挑んだ苫小牧市の市長選挙は、現職の岩倉氏が新人で元会社員の西村氏を抑えて5回目の当選を果たしました。

岩倉氏は苫小牧市出身の72歳。
日本青年会議所の副会頭や衆議院議員を務めたあと、2006年(平成18年)の市長選挙に立候補して初当選し、現在4期目です。

今回の選挙は、岩倉氏の4期16年の市政運営に対する評価が最大と争点となりました。
選挙戦で、岩倉氏は民間に管理を委ねる定管理者制度の拡充をはじめ、財政の健全化と基盤強化に取り組み、合わせて200億円規模の財政効果を生んだと実績を強調しました。
そしてIR=統合型リゾート施設の誘致を含む国際リゾート構想を掲げ、市政の継続を訴え、推薦した各党からの支援も受けて選挙戦を展開しました。
その結果、自民・公明両党の支持層を固め、立憲民主党支持層からも一定の支持を得たほか、無党派層からも支持を集めて5回目の当選を果たしました。
投票率は33.99%で、これまでで最も低かった前々回・8年前の選挙を5.28ポイント下回り、過去最低となりました。

岩倉氏は「告示直前まで対立候補がはっきりしない異例の選挙戦となった。私のラストチャレンジと位置づけていたので、勝利を飾ることができてよかった。ウクライナ情勢や新型コロナなど予測できない状況下にあり、市政の運営にも必ず影響がある。地域経済対策、コロナ対策に取り組んでいきたい」と述べました。一方、西村氏は「IRには反対だけれども、岩倉さんの16年間の市政や人間性などもあって支持した方もいると思う。将来の次世代につなげるために、くいを打ち込めればと思ったが画びょうを刺すぐらいはできたかなと思う」と述べました。

市政運営評価が争点に

8年ぶりの選挙戦となった苫小牧市長選挙。
岩倉氏の4期16年の市政運営に対する評価が最大の争点となりました。
NHKの出口調査では、これまでの岩倉市政を大いに評価する」または「ある程度評価する」と答えた人が合わせて73%に上りました。
財政の基盤強化に向けた取り組みなど岩倉氏が担ってきた市政運営が実績として有権者に評価された形と言えます。

一方、期待する政策では「景気・雇用対策」が34%と最も多くなりました。
岩倉氏が、そうした経済活性化、雇用確保のための方策として公約にも掲げたのがIR=統合型リゾート施設の誘致でした。
ところが、出口調査でIR誘致の継続について尋ねると、「反対」が59%で「賛成」を上回る結果となりました。
岩倉氏に投票した人のなかでも、誘致継続「反対」は半数近くに上っています。
IR誘致をめぐる岩倉氏の立場に対しては支持する市民たちの間にも異論のあることが示されました。

これについて岩倉氏は19日夜の取材で、「IRの事業モデルを理解してもらう必要がある」と述べ、市民に向けて丁寧に説明していく考えを示しました。
評価の反面、寄せられたこうした声にどう向き合っていくのか、今後の運営が問われることになります。
市政をめぐっては、市街地の活性化という課題もあります。JR苫小牧駅に隣接する商業施設は閉鎖されたまま解体のめどがたっていません。
この駅前再開発にどう道筋をつけていくのか、これも今後の焦点となります。
投票率が過去最低の30%台前半という低い水準にとどまり、市民の関心の薄さが際だった今回の選挙。結果を受けて、政治家としての集大成と位置づける岩倉氏の5期目のかじ取りが問われることになります。
(苫小牧支局 臼杵良記者)

苫小牧市長選挙2022の特設サイトはこちら

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