#7公園は防災だ
- 2023年6月27日
これまで6回放送をしてきた「#これ防災なんで」。今回はこんな投稿をいただきました。
「マンホールは災害時にトイレになるんです」
旭川市の「もへじ」さん、匿名の投稿者さん
調べてみると、北海道にはマンホールトイレが300以上もあるそう。調査を進めていくと、「うちのマンホールトイレはすごい」と主張する人たちを見つけました。
迎えてくれたのは、芽室町役場のみなさん。
町の中心部にある「あいあい公園」に連れてきてもらいました。さっそく案内してもらうと、そこには11個ものマンホール。これらがすべてトイレに変わるといいます。
組み立ての様子を見せてもらうと……金属の骨組みを組んでいき、目隠しとなる覆いを被せればあっという間に出来上がり。5分ほどで完成しました。
では、マンホールトイレがあると何がいいのでしょうか。
もちろん携帯トイレは一時的な使用には耐えられますが、長期間になると難しいもの。一方、工事現場や音楽フェスなどで使われるような仮設トイレは、過去の調査によると手配できるまでに4日ほどかかるそう。マンホールトイレは、それまでの期間をつなぐ重要な役割を担っているのです。
しかし、あいあい公園のすごさはこれだけではありません。日よけや雨よけの「パーゴラ」やブランコ、そして滑り台のついた多目的遊具、これらすべてが防災のための設備に変わるというのです。役場の人たちが取り出したのは大きなシート。
次々にかけていくと、食糧などを備蓄しておける保管庫に早変わり。複数のテントを作ることで、避難者の受付所や赤ちゃんにミルクを飲ませる授乳室としても利用可能です。
さらにベンチは、分解して組みなおすと「かまど」へ大変身。カセットガスも備蓄していますが、かまどは薪さえあれば調理ができます。万が一、予備のガスがなくなってしまっても火を焚くことができるのです。アルファ米の調理や粉ミルクを溶かすときなど、強い味方となってくれます。
食糧や支援物資を備蓄でき、調理ができて、トイレにも困らない。このあいあい公園があれば、周辺に住む人たちは数日間、安心して過ごすことができそうです。
実際に、公園の防災設備をみた川上さんご家族は……
「7年間芽室町に住んでいますが、初めて知りました」
いつも使っている公園が防災仕様になることに驚いていました。もしかしたらあなたの身近な公園も、災害時には助けになってくれるかもしれません。マンホールトイレの設置場所は、国土交通省が公表しています。また公園の防災機能は、自治体の公園担当に問い合わせれば教えてくれます。ぜひご活用ください。