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NHK札幌の冬の風物詩! 手稲山放送所 アンテナの雪下ろし

  • 2024年3月15日

3月に入り厳しい冬の寒さが終わりを迎えようとしています。しかし標高1000メートルを超える手稲山では、今もなお雪がなくなる気配はありません。手稲山の山頂付近には、札幌とその近郊エリア130万世帯に放送波を届けている北海道最大の放送所があります。今回は、冬の手稲山放送所で毎年行っている恒例行事「アンテナ雪下ろし」をご紹介します!

冬に手稲山の山頂へ向かうためには、まずはスキー場のリフトを使用します。夜間やリフトがお休みの時には山頂まで歩いて登らなければならないのですが、今回はリフトが動いていてくれて助かりました。しかしながら、リフトは放送所への直行便ではありません。当然ですね。というわけで、リフトを降りた後は放送所まで歩いて登ります。

雪にも負けず歩きつづけ、ようやく放送所にたどり着きました。玄関の扉を開けて中に入ろうとしたところ──

なんと、玄関前が雪で埋め尽くされているではありませんか!そう、ここは雪山にたたずむ無人の放送所。玄関の扉さえ簡単には通してもらえません。でも大丈夫、ちゃんとシャベルを持ってきています。まずは玄関前の雪下ろしです。雪を掘り進めていくと雪の重みが徐々に増してきますが、この”締まった”雪の重みによってアンテナや柵などの屋外設備が破損することがあります。実はここの玄関前の柵も、雪の重みで曲がってしまい交換したことがあるのです。

1時間ほど格闘の末、ようやく玄関前から雪がなくなりました。玄関の先には、ご家庭にお届けするために番組の信号をNHK札幌放送局から受信しているパラボラアンテナへと向かう階段があります。このパラボラアンテナの雪下ろし作業のために階段の雪も下ろします。

パラボラアンテナが頭にかぶった雪は、そのまま放置しているとアンテナの前面にどんどんせり出してきます。ここのパラボラアンテナが雪で覆われてしまうと、放送が止まってしまう危険性があるので、大きくなる前に払ってやる必要があります。パラボラアンテナの雪下ろしは高所作業となるため、資格を持った専門の作業員が実施します。

雪下ろしを実施するのは、このパラボラアンテナだけではありません。手稲山放送所の隣には、テレビとFMの電波を発射する電波塔が立っています。この電波塔の頂上付近についているアンテナも雪下ろしの対象です。

作業員は鉄塔に登って、少しずつアンテナの雪を取り除いてゆきます。鉄塔の下で見守っていると、飛沫となった雪が降り掛かってくるのが感じられます。作業すること数時間、見上げた先にそびえるのは──

本来の姿を取りもどした電波塔!寒かったね、と声を掛けながら立派な姿を写真に収めます。これで引き続き皆様に安定して放送をお届けすることができます。

冬になると手稲山の山頂でひっそりと行われている「アンテナ雪下ろし」。そのアンテナは、目を凝らせば札幌のいろんな場所から見ることができます。冬が来たら手稲山の山頂を見上げてみてください。運が良ければ、雪化粧をまとった美しい手稲山にたたずむ電波塔の姿が見えるかもしれませんよ。

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