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網走市栄誉賞 高校生が相次いで受賞!

  • 2024年3月27日

網走市栄誉賞というのをご存じですか?網走市在住、もしくは出身で、国内外のスポーツ・文化で活躍した人に贈られる賞です。あまり頻繁に贈られるものではないのですが、去年11月に13年ぶりに受賞者が出たのに続き、ことし3月にも受賞者が出ました。しかも、受賞者はいずれも高校生という快挙だったんです!(網走支局・佐藤公哉)

去年11月16日、網走市役所で網走市栄誉賞の贈呈式が行われました。この賞の贈呈は、実に13年ぶりのことでした。受賞したのは、網走市にある日本体育大学付属高等支援学校3年生の金澤碧詩選手。去年3月にオーストリアで開かれた知的障害者スキーの世界選手権に初出場し、アルペンの大回転とスーパー大回転の2種目で優勝する快挙を成し遂げたことが評価されました。
金澤選手は当時17歳で、史上最年少での受賞となりました。私は網走の高校生が世界選手権で優勝するとは夢にも思っていなかったので、驚いたのと同時に、非常に誇らしい気持ちになりました。

話は贈呈式に戻ります。金澤選手は非常に緊張しているように見え、世界チャンピオンというよりは「普通の高校生」という印象でした。網走の障害者スキーといえば、パラリンピックで金メダルを3つ獲得した狩野亮さん。おととし惜しまれながらも引退しました。金澤選手はことしで高校卒業ですが、どのような進路を選ぶのでしょうか?
網走市栄誉賞の賞状には「雲外蒼天」という言葉が書かれていました。これは「努力して困難を乗り越えた先には明るい未来が待っている」という意味です。贈呈式後の懇談の場で金澤選手は「進路は未定」と話していましたが、網走市民としてはこのまま競技を続けてもらい、「雲外蒼天」で、狩野さんのように長く世界で活躍する選手を目指してもらいたいと思います。

そしてことし3月7日、網走市役所で再び、網走市民栄誉賞の贈呈式が行われました。金澤選手の受賞が13年ぶりだったのに、今度はそれからわずか3か月余りしかたっていないので、非常に驚きました。受賞したのは網走市出身で、十勝の白樺学園高校3年生の辻本楓芽選手です。辻本選手は去年、イタリアで開かれたスピードスケートのジュニアワールドカップ男子500メートルに出場し、11月の大会で銀メダル、12月の大会で銅メダルを獲得した功績が認められました。

白樺学園高校といえば、オリンピックで金メダルを獲得した清水宏保選手などを輩出しているスピードスケートの強豪校。そこへ進学したわけですから、中学時代から光っているものがあったのだと思いますが、世界で活躍できるようになったというのは入学後の本人の努力のたまものでしょう。
辻本選手は贈呈式や取材対応での堂々とした立ち居振る舞いが印象的で、「これは大物になるのでは」と期待しています。贈呈式に来ていたお母様は「毎年、自己ベストを出し続けていって、頂点を極めるまで頑張ってほしい」と話していました。
辻本選手の賞状に書かれていた言葉は「青雲乃志」。高い地位にのぼっていこうという志を意味します。卒業後は大学スケートの強豪・専修大学に進学する辻本選手はその言葉どおり、「あと1シーズンはジュニアワールドカップに出られるので、今度こそ金メダルを持って帰ります。そして6年後のオリンピックで金メダルをとりたいです」と力強く述べていました。
自分の実力を把握し、2年後のオリンピックではなく、6年後のオリンピックに照準を合わせているのが大人だと感じました。金メダリストを目指して、このまま突き進んでもらいたいと思います。

今年度は2人の網走市栄誉賞の受賞者が出て、さらに2人とも高校生だということがすばらしいと感じました。地元・網走での練習環境は決していいとはいえず、2人とも網走を離れて練習を積んでいます。そんな中で2人が残した世界大会での成績は本当に価値のあるものだと思います。何より網走から世界に通用する若手選手が出たことが本当にうれしいのです。スポーツに限らず文化も含め、今後、2人に続く若い人が出てくることを楽しみにしながら、これからも取材を続けていきたいと思います。

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知的障害者スキー世界選手権で優勝の選手に網走市民栄誉賞
スピードスケート世界大会でメダル獲得の高校生に網走市栄誉賞

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