ザンギの発祥とザンギとから揚げの違いは?
- 2023年9月1日
今回、シラベルカに「ザンギ」についての疑問が寄せられました。 「転勤で釧路にきて、ザンギを食べました。ザンギの発祥とから揚げなどの違いを知りたいです」とのことです。
北海道グルメで人気の「ザンギ」ですが、どのようにして生まれたのでしょうか。調べてみました。(札幌放送局記者 小舘莉子)
「ザンギ」と「から揚げ」の違いは何か?
見た目もよく似ているザンギとから揚げ。
まずは、街の人にこの2つの料理の違いが分かるのか、札幌市内で聞きました。
(30代の男性)
「風味ですかね。何が違うのか、ぶっちゃけ分からないです」
(30代の女性)
「味付け、色の濃い方がザンギかなと思うんですけど」
北海道にゆかりがある人でも、よく分かっていないようでした。
ザンギの発祥は?
道民におなじみの「ザンギ」は、いつごろどこで生まれたのでしょうか。
日本の郷土料理を研究しているという農林水産省の担当者に聞いてみると。
農林水産省 外食・食文化課食文化室 神林悠介室長
「昭和30年頃、釧路市の末広歓楽街にお店を構えていた鶏肉の料理店が発祥だという風に言われているようでして」
いくつか説がありますが、国によると釧路発祥説が有力だということです。
また、名前の由来は中国の料理からきているそうです。
「中国語で、鶏のから揚げのことを【ザーギー】とか【ザーチー】と言うらしいんですけど、ザーとギーの間に、運が高まるように「ン」を加え、ザンギとなったという説が有力です」
ザンギとから揚げの違いはある?
次にザンギとから揚げのレシピの違いを調べるため、札幌市内にある料理教室に向かいました。
大きな違いは味の濃さだといいます。
クッキング札幌赤レンガテラススタジオ 大宮さおりさん
「から揚げの方が、味が少し薄めになっています。(この料理教室の)レシピでは下味に使うしょうゆの量は、ザンギがから揚げの3倍。つけ込み時間は、からあげが10分程度で、ザンギは2~3時間から1晩寝かせています」
「調味料も、から揚げにはショウガやニンニクが全く入らないレシピもありますが、ザンギには必ずはいっています」
ザンギのアレンジメニューは?
「ザンギ」のアレンジメニューも人気です。
釧路町にあるお店の名物は「ザンギ」にタレをかけた「ザンタレ」。
下味をつけたとり肉に卵や小麦粉などをつけて、油で2度揚げします。
ここに砂糖や醤油、スパイスなどを配合した店独自の特製のタレをかけてできあがりです。
(40代の男性客)
「噂通りのおいしさで、ボリュームがすごいですね」
ザンギにタレをかけるというアイデアは42年前、店の店主だった夫の藤野邦雄さんが宴会料理の中の一つとして考案したそうです。
藤野邦夫さん
邦雄さんは2020年に他界。その後、妻の俊江さんがザンギの味を守るため、店を継ぐことを決意しました。店を再開すると、多くの常連客が訪れてくれたといいます。
南蛮酊店主 藤野俊江さん
「すごくありがたくて。変わらずザンタレが食べられて良かったというかたがすごくいらっしゃって。味変わってないねとか、頑張ってねとか、いろいろ声をかけていただいて嬉しいです」
道内では定番メニューの「ザンギ」について調べた今回のシラベルカ。
今では店や家ごとにレシピがあり、「サケザンギ」や「タコザンギ」など、とり肉以外のアレンジメニューもたくさんあります。
投稿者の方にも、さまざまな種類の「ザンギ」を楽しんでほしいと思います。
札幌放送局 記者 小舘莉子
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