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どってんこく!牧草ロール転がしが熱い!

  • 2023年9月29日

オホーツク海側の大空町と言えば、何を思い浮かべますか?女満別空港、東藻琴の芝桜などが有名ですよね。あとは酪農が盛んなので、チーズを思い浮かべる人もいるかもしれません。でも私のおすすめは、牧草ロールを転がしてタイムを競う、何とも北海道らしいイベントです。このイベントが8月の終わりに大空町東藻琴で開かれ、私も取材に行ってきました。(網走支局・佐藤公哉)

このイベントは地域住民の交流を図るとともに、地元で盛んな酪農をPRしようと始まったもので、その名も「ロール転がしどってん酷」。北海道弁で「驚く」を意味する「どってんこく」と、重い牧草ロールを転がすレースが「酷」であることをかけて名付けられたんです。新型コロナの影響で中止が続いたため、ことしは4年ぶりの開催でしたが、それにもかかわらず道内各地から33チームが参加しました。

レースは4人1組で行われ、男子の部が重さ400キロ、女子の部は重さ300キロの牧草ロールを転がして片道40メートルのコースを往復し、そのタイムを競います。コース上には高さ90センチほどの坂も設けられていて、その名の通り「酷」なレースなんです。
レースで使われる牧草ロール、実は町の職員や農家さんがこのレースのために1つ1つ、手作業で作っています。しかしことしは4年ぶりの開催。コロナ前まで作っていたベテランが定年でいなくなり、「きれいに巻くことができずに大変苦労した」と関係者は話していました。ここにもまた、コロナで運営に苦労した人たちがいるのだと感じました。
失敗を繰り返しながら、ようやく上手にできた牧草ロールを持ってきましたが、まっすぐ転がらなかったりして、レースの途中で牧草ロールを交換することも。自分たちがどの牧草ロールを使うかは抽選で決まるので、そこは運次第。主催者は「どうか了承してほしい」と話していました。

さぁ、レースの話に戻ります。重さ400キロの牧草ロールを4人で押すので、1人あたり100キロ。重いです。とても重いです。さらにやっかいなのが、先ほどお話ししたコース上の坂。チーム全員で声を掛け合いながら、力を振り絞ります。この坂をどう克服するかがレースの行方に大きく影響します。この坂で逆転するチームもありましたが、一方で大きくタイムを落とすチームもありました。坂がレースを盛り上げることに一役かっていたのは間違いありません。

この日、男子の部の優勝タイムはおよそ34秒。一方で、5分たってもゴールできず、失格になるチームもありました。坂での逆転劇だけでなく、コースアウトするチームもいたりして、観客からは声援だけでなく、笑い声も聞こえてきました。私もあくまで観客として、外から見ている分には大変おもしろかったです。

レースの参加者は自分の出番が来るまで、コースの隣にある観客用のスペースで焼き肉を食べ、出番が近くなるとコースに向かうというなかなかおもしろいシステム。観客にも選手にもなるというのは、人口の少ない町のやり方としてはうまいやり方ではないでしょうか?高さ1メートル50センチ、重さ400キロの牧草ロールを転がすという大迫力のレースにもかかわらず、何とも牧歌的な雰囲気が漂っているのもこのレースの特徴。もっとたくさんの人に知ってもらって、多くの人に参加してもらいたいと感じました。

皆さん、賞金や賞品が気になりますよね?発表します。男子の部の優勝賞金は・・・なんと20万円!女子の部の優勝賞金が10万円で、入賞すればほとんどが賞金をもらえます。大空町、太っ腹!
男子の部で優勝したチームの近藤琢磨さんは「初出場ですが、率直にうれしいです。このメンバーなら優勝できると思って参加しました。賞金はみんなで山分けします」と話していました。また、女子の部で優勝したチームの阿部菜奈美さんは「職場の仲間で参加しました。来年の連覇のために賞金で牧草ロールを買います」と笑顔で話していました。大会の副実行委員長の深川昇さんは「地域活性化に向けてイベントを企画しているので、出場する方も手伝いの方も、多くの人に参加してほしいです」と話していました。

最後に・・・今回の大会で使った牧草ロール、レース後は本来の用途である、牛のえさになるということでした。

👇ニュースはこちらから!
大空町で4年ぶりに牧草ロール転がし大会

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