自治体の広報担当者がみずから撮影した映像で、地域の旬や魅力をお伝えする「ふるさと自慢」。「ほっとニュース道北オホーツク」の名物コーナーです。2023年1月放送のスペシャルでは、これまで登場した自治体の中から「グルメ」「どうぶつ」「お酒」「遊び」の4つをテーマに映像をセレクト。試食やリモートインタビューを交えて、鈴木遥アナウンサーが地域の魅力をお伝えしました!

鈴木アナ:道北オホーツクエリアの市町村の数は65。その65か所すべてを対象にした企画が、この「ふるさと自慢」です。今回はいつもの夕方のニュース枠を飛び出したスピンオフ!どんなまちが選ばれるのでしょうか。


網走市 「網走監獄食を体験」
映画のロケ地として一躍有名になった網走監獄。施設内にある「監獄食堂」では、現在の網走刑務所の食事を再現した定食を食べることができます。定食のご飯は麦3割に米7割の麦飯を使用していて、非常にヘルシーです。メニューは何種類かあり、VTRに登場したのは「ホッケ定食」。撮影担当者の方は、「脂がのっていてとてもおいしい」とおっしゃっていました。

比布町「3重のハウスでイチゴ栽培」
イチゴ栽培に力を入れている比布町では 「3重にした農業用ハウス」を用いて、寒さの厳しい冬の期間もイチゴ栽培を行っています。この構造は室内の気温をイチゴ栽培に適した温度に保つため。暖房により昼間は20℃前後、夜は12℃以上に保つことで、以前はできなかった冬の間もイチゴ栽培が可能になりました。農家5人が集まって試行錯誤しながら栽培を続けています。
比布町の若手農家さんが丹精込めて作った冬イチゴ。宝石のように輝いていました。

小清水町「町のソウルフード でんぷんだんご」
でんぷんだんごは主に道東地方に伝わるジャガイモのでんぷんを使った保存食です。1940年頃に余ったでんぷんを使った子どものおやつとして家庭で作ったのがはじまりです。小清水町では今もソウルフードとして町民に愛されています。
でんぷん団子は、煮豆を混ぜ込んだ生地を焼いて作ります。煮豆に使うのは水に一晩浸し、弱火でよく煮た金時豆。生地は、でんぷんに塩と豆の煮汁を加えてよくほぐしたもの。同じ材料を使ってもこね具合で味が大きく左右され、金時豆を別の豆に変えるなどのアレンジも楽しめるそうです。

その土地ならではのグルメの中で、鈴木アナが気になったのは小清水町のでんぷん団子。でんぷん団子は、地元の道の駅や飲食店でしか手に入らないそうです。今回は特別に、ふるさと自慢の制作を担当するNHK職員の湊英祐が、焼き立てを用意しました。

鈴木アナ:ハンバーグのような見た目ですが…。

鈴木アナ:もちもちしていておいしい!

湊:小清水町のでんぷん団子は、なんとギネス記録にもなっているんです。2010年、まちの有志のグループが「世界一大きなでんぷん団子を作ろう」と企画。そして縦2m55cm、横1m25cm、重さ115.5キロのでんぷん団子を作り、「世界で最も大きな団子」としてギネス記録に認定されました。
鈴木アナ:まちが誇る究極の自慢ですね。


羽幌町 「海鳥の魅力~天売島のオロロン鳥に迫る~」
空飛ぶペンギンといわれている「ウミガラス」。愛らしいペンギンのような風貌ですが、実は空を飛ぶことができる海鳥です。日本で唯一の海鳥専門の施設「北海道海鳥センター」では、精巧にできたジオラマやウミガラスの模型を見ることができます。海鳥保護についての情報も発信に加え、天売島の海鳥の資料・映像があり、海鳥に親しみを持ってもらうための情報が詰まっています。
海鳥の見頃は、春から夏にかけての時期。特に暖かくなった5~7月ごろが海鳥の繁殖期で、天売島は海鳥の声でにぎやかになります。親鳥が魚をくわえて帰巣する姿や、子育てに奮闘する姿を見られるかもしれません。

剣淵町「みんなの人気者 アルパカ」
南米にルーツがあるといわれている「アルパカ」という動物。上質な毛糸は「暖かい」「丈夫」「縮みにくい」という特徴があり、高級品として扱われています。剣淵町にあるビバアルパカ牧場では、「ちゃちゃまる」君をはじめ、元気なアルパカたちと実際に触れ合うことができます。最後は役場の方がモデルになって、アルパカの毛を使ったマフラーや手袋、ぬいぐるみなどさまざまなグッズを紹介。とても素敵に決まっていました。

VTRに登場した剣淵町・町づくり観光課の屋敷 愛菜(やしき・まな)さんに、鈴木アナがリモートインタビュー。ちゃちゃまる君の近況を教えてくれました。

鈴木アナ:モフモフなアルパカたちが可愛らしかったです。ちゃちゃまる君は元気ですか?
屋敷さん:すくすく育って大きくなりました。実はこの夏に2歳の誕生日を迎えて、初めての体験をしました。
鈴木アナ:おっ!なんですか?初めての体験って。
屋敷さん:「毛刈り」です。
鈴木アナ:毛刈り!?

屋敷さん:アルパカは暑さを乗り切るため、2年に1回のペースで毛刈りをしています。ふわふわだった毛並みも、バリカンで刈られたあとはこの姿に。

鈴木アナ:…なんていうんですかね、これ…、別の生き物(笑)
アルパカ牧場では、動物と触れ合う以外の楽しみ方もできるそうです。
屋敷さん:アルパカ牧場は冬も毎日オープンしており、雪の上でのアクティビティーも楽しめます。人気なのは「エアボード」。ゴム製のボードで斜面を滑り降りるスポーツです。

鈴木アナ:屋敷さんは滑ったことありますか?
屋敷さん:いや、まだやったことないんですよね…(笑)今年は挑戦したいです。
鈴木アナ:じゃあ今シーズンは頑張っていきましょう!
屋敷さん:頑張ります!


当麻町「鍾乳洞で日本酒熟成」
ゴツゴツとした突起が印象的な「当麻鐘乳洞」。北海道指定天然記念物にも指定されています。温度・湿度を一定に保つことができる洞内の環境を生かし、地域で生産されたコメを使った純米大吟醸酒づくりが行われています。

北海道産の酒造好適米「彗星(すいせい)」を45%まで精米し醸造。味わいの特徴は、非常にキレのよいお酒で、香りも華やかな商品となっています。2月中旬に生酒のまま洞内へ搬入し、約2か月間の熟成のあと、火入れされ販売されています。搬入・搬出はすべてボランティアのみなさんが行っています。ラベルのデザインになっている竜のイラストは、当麻町役場職員が手がけたもの。道の駅をはじめ、町内の酒類取扱店、ふるさと納税の返礼品としても取り扱っています。
美深町「樹液を使ったクラフトビール」
雪どけが始まる4月、シラカバの幹に穴をあけて、樹液を採取しています。この時期のシラカバは、冬の間に蓄えられた雪どけ水をたっぷりと吸い込んでおり、新鮮な樹液をたっぷりと採取することができます。美深町ではこの樹液を使用したクラフトビールづくりを行っています。クラフトビールの醸造所は、もともと農業用倉庫として使用されていた築90年の赤レンガ倉庫を改築したもの。1年間に18キロリットルのビールを製造しています。

ビール生産者の高橋さんは、美深町の自然を気に入って4年前に東京から移住。美深町でクラフトビールをつくるという話に興味をもち、美深町名産の「シラカバ樹液」をビールに入れて、地元の風土を伝えられるようなビールづくりを行っています。クラフトビールは店内でも楽しむほか、通販で購入することもできます。

ここで湊が用意したのは美深町のシラカバの樹液。鈴木アナは毎日のニュース番組を担当しているので、大好物のビールと日本酒はお預けです。
鈴木アナ:シラカバの樹液って珍しいですよね。香りはそんなに強くないです。ほんのり甘いお水という感じ。

湊:シラカバの樹液は早春の3週間しか採れないため、希少価値が高いといわれていて、タンパク質・炭水化物・ミネラル類が豊富に含まれています。
鈴木アナ:そう言われると…もうひと口飲みます。


幌加内町「朱鞠内湖で 氷上ワカサギ釣り」
冬の朱鞠内湖(しゅまりないこ)の湖面は1メートル以上の分厚い氷になるため、湖の上を歩くこともできます。その分厚い氷に穴をあけて行うのが「氷上ワカサギ釣り」です。釣りの道具や暖房器具のレンタルをしているので、初心者の方でも気軽に楽しむことができます。釣ったワカサギは、町内の飲食店でお食事の際に無料で天ぷらにしてくれるサービスがあるので、釣りたてのワカサギを味わうことができます。

紋別市「ガリンコ号でカレイ釣り」
オホーツク海の流氷を豪快に砕きながら前進するガリンコ号。流氷のある冬の時期のイメージが強いですが、なんと夏場は釣りを楽しめるクルーズ船として活躍しています。ガリンコ号の「釣りクルーズ」は、リピーターの割合が圧倒的に多いそうです。紋別港の防波堤の内側にある「ホワイトビーチ」では、バーベキューをすることが可能なので、釣りたての魚を楽しむことができます。

「あそび自慢」は、どちらも釣りに関する話題でした。鈴木アナが過去に行ったワカサギ釣りのロケでは、1匹しか釣れなかったそうです。
今回リモートでつながったのは、ガリンコ号のリポートを担当してくださった紋別市役所・観光連携室の大湯 亜貴子(おおゆ・あきこ)さんと、紋別観光振興公社の伊藤 菜月(いとう・なつき)さん。夏場のカレイ釣りについて詳しく聞いてみました。

鈴木アナ:VTRでは大きなカレイが釣れていましたね!
大湯さん:はい!私は初心者でしたが、船長さんが優しく教えてくれるので、簡単に釣ることができました。
鈴木アナ:簡単といっても、さすがにコツとかあるのでは?
大湯さん:船長さんが言うには、えさを底につけた状態で上下に動かすと釣れやすいよと。アドバイス通りやったら釣れました。

鈴木アナ:ちなみに大湯さんはどうやって召し上がりましたか?
大湯さん:私たちは地元のお寿司屋さんにそのまま持って行きお刺身にしていただきました。すごくプリプリでとれたてなのでおいしかったです。

「ふるさと自慢スペシャル」の収録は11月末。これから本番を迎える流氷観光船としてのガリンコ号についても教えていただきました。
鈴木アナ:私、まだガリンコ号に乗ったことがないんです。ガリンコ号から流氷を見るとどんな感じですか?
伊藤さん:迫力満点で、音もすごく楽しめます。2021年に就航した3代目のガリンコ号「イメル」は、これまで以上にスピードがアップして、より遠くの流氷まで行くことができるので、流氷に出会えるチャンスもアップしたので、オホーツク紋別の迫力ある流氷をぜひ見に来てほしいです。

鈴木アナ:それぞれのまちのみなさん手作りのリポートには、われわれ放送局が撮る映像とはまたひと味ちがう良さがあるなと、光を感じました。撮影にご協力いただきました各市町村のみなさん、ありがとうございました。

「ふるさと自慢スペシャル」、いかがだったでしょうか?
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