着られる切り絵・迫力満点の書・奥行きのあるガラス細工!はこだて・冬・アート展
- 2024年3月1日
力作ぞろいのはこだて・冬・アート展をご紹介
はこだて・冬・アート展
函館市近郊で活動する作家の作品を、プロ・アマ・ジャンル問わず展示する「はこだて・冬・アート展」。今年で24回目を迎えます。
会場の函館市芸術ホールには、15歳から88歳までの作家が制作した作品、158点が展示されています。
今年の出品作の中から、最高賞のひとつの「はこだて・冬・アート賞」を受賞した3作品をご紹介します。
天川 満美子さん『切り絵打掛け~花月夜に鳥は夢を見る~』
豪華な模様が目を引く美しい和服。実は障子用の和紙から切り出された切り絵なんです!実際に人が着られるサイズの切り絵とのことで、制作には5か月ほどかかったそうです。
「楽園で鳥が夢を見ている様子を表現したかった」と作者の天川さん。鳥の顔や、鳥の羽をイメージした背面のすそ部分が特に難しかったとのことです。
濱津和興さん『なづさふ野火』
題材とした同名の詩を、画面いっぱいに書き記した書の作品です。
注目は勢いのある筆遣いで書かれた文字。文字の“静”と“動”との対比で生み出される空間的な広がりが見どころです。
特に力強い「猿」という文字や、字そのものが風を表現しているようにも見える「風」という文字に注目です。
輪島昌子さん『wild flowers(野の花)』
縦40cm、横1m、厚さ5mmの大きなガラス板に多様な植物が彫り込まれています。
実はこの作品、ガラスの表と裏の両面から、それぞれ植物が彫られているんです。
例えばこの赤枠の部分。花がまわりの葉より手前にあるように見えませんか?
花は表から彫られていて、周囲の葉は裏から彫られています。
作者の輪島さんによると、通常こういったガラスの彫り物は裏から彫ることが一般的だそうですが、この作品では、植物同士の奥行きを出そうとあえて両面から彫ったということです。
様々なジャンルの作品がある「はこだて・冬・アート展」
担当の鳴海さんに伺いました。
函館市芸術ホール 鳴海 忍 主任主事
「書なら書とか、絵なら絵だけをかためることなく、あえて普段見ないようなジャンルも交えて見ていただけるように、全体的にバランスを取りながら展示しています。好きな分野の展示に足を運ぶことは多いかと思うのですが、普段見ないような作品に出会えたりするなど、冬・アート展ならではの楽しみ方で見ていただけたらと思います」
ご紹介したほかにも、会場には多くの素敵な作品が展示されています。
ぜひ生で味わいに行ってみてはいかがでしょうか。