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【ふるさと自慢】 佐呂間町 「オホーツク海の幸 ホタテ稚貝放流」

  • 2022年10月28日

北海道オホーツク産のホタテ。サロマ湖の周辺だけでも、毎年約6億5,000万枚もの稚貝が放流されています。広大なエリアにまいた稚貝を正確に収穫するために、最新鋭のGPSが使われているんです。( 2022年6月放送) 

 

★肩書は放送当時のものです

ホタテの稚貝はサロマ湖で育った?

サロマ湖には、浮遊幼生(約5ミリの大きさ)というホタテの赤ちゃんが生息しています。この浮遊幼生は、何かに付着する性質があるため、採苗器という網を海中に設置(5月ごろ)して、網に浮遊幼生を付着させます。そして、網の中で3~5センチ程度の大きさになると、網目よりも稚貝の方が大きくなり、網の中から出ることができなくなります。このようにして育った稚貝を、オホーツク海に放流するんです。
ちなみに、採苗器を海底にまで沈めてしまうとヒトデに食べられてしまうので、採苗器を設置する際は、海中で停止させるなどの工夫をしています。他のエリアでの研究段階では、イカダから採苗器を吊るす試行をしましたが、水面がこおってしまうなど、うまくいきませんでした。今のやり方が定着するまでの道のりは、決して平たんなものではなかったんです。

★肩書は放送当時のものです

GPSで稚貝をまいた箇所を管理?

サロマ湖の周辺には、3つの漁業協同組合があり、毎年一斉に稚貝の放流を開始します。そして、放流してから4年間、大きくなるのをじっくりと待ってから収穫します。毎年少しずつ違う区画に放流するのですが、大きくなったホタテを収穫するためには、放流した場所を正確に把握しておく必要があります。船に搭載しているGPSを駆使することで、1メートル単位で稚貝を放流した場所を把握できるので、収穫の際にもとても役立っています。

写真:船内の様子
写真:GPSのモニター

ホタテはどこで食べられる?

「道の駅サロマ湖」では、ホタテの浜焼きを食べることができます。他にも、ホタテをつかった料理、お菓子や加工品など、佐呂間町の特産品の販売を行っています。
実は、佐呂間町はホタテ以外に、かぼちゃやそばなどの農産物の生産も盛んです。特に人気を集めているのは、無添加・無着色の、「かぼちゃのフレーク、パウダー」です。水を加えるだけで、簡単に裏ごし状態のかぼちゃになり、栄養たっぷりの緑黄色野菜を手軽に摂取できます。離乳食としても気軽に使えると評判です。
佐呂間町産のものは、ここでひと通りそろうといわれていますので、ぜひお立ち寄りください。

写真:ホタテの浜焼き

【編集後記】
普段何気なく食べていたホタテですが、稚貝が立派なホタテに成長するのに、4年もの歳月がかかることを知り、とても驚きました。自然の恵みと、海で活躍する人たちに改めて感謝したいと思います。
オホーツク海の冷たい海水で冬を越したホタテは、たっぷりとグリコーゲンを含んでいます。強い甘みとプリプリとした触感が特徴的な、絶品のホタテをぜひ召し上がってみてください。
撮影に協力していただいたみなさま、どうもありがとうございました。

NHK旭川放送局:湊 英祐

 

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