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標茶町長選挙で再選 佐藤吉彦町長に聞く

  • 2022年10月4日

10月2日に投票が行われた道東の標茶町の町長選挙では、現職の佐藤吉彦氏が再選を果たしました。標茶町は人口7200人の酪農業が基幹産業の町です。2期目のかじ取りにあたる佐藤氏に抱負を聞きました。(聞き手:釧路放送局 佐藤恭孝)


役場OBどうしの争いを制す

今回の選挙戦は、現職の佐藤吉彦氏と新人で元町議会議員の類瀬光信氏の役場OBどうしの争いになりました。
佐藤氏は1期目の実績をアピールし、現職としての強みを生かした組織戦を展開しました。
一方、類瀬氏は育成牧場長などを歴任して酪農に精通しており、酪農家からの一定の支援を受けました。
開票の結果、佐藤氏が2264票、類瀬氏が1842票で、佐藤氏が再選を果たしました。
票差は422票。投票率は68.73%で、前回に比べて4.76ポイント低くなりました。

佐藤吉彦町長
「今までの1期4年間が評価された。さらに今後4年間任せるということだと思う。町民の期待をひしひしと感じる。400票余りという票差については、やはり説明が不足していた部分があるのかなと思う。批判があることを真摯に受けて、これから説明責任をしっかり果たしていきたい」


どうする酪農振興

標茶町の基幹産業・酪農業は、ウクライナ侵攻や円安に伴う飼料価格の高騰、コロナ禍による生乳の需要低迷などで厳しい経営を強いられています。
佐藤町長は2期目にあたり、酪農業のテコ入れが最優先課題だと話します。

佐藤吉彦町長
「標茶は酪農の一大基地なので、酪農業の経営を維持していくことが町が将来も元気でいるための基本だ。今は標茶でしぼった牛乳を他の町で加工して商品化しているが、町内にミルクプラントを建設して、しっかり自分たちで付加価値を高めていくことが必要だと思う。さらにこうした商品を売る直売所をつくりたい。新型コロナの影響でミルクプラントの建設が少し遅れる場合は直売所を先行してつくり、地元の商品を試験的に販売してPRしたい」


来春から給食費無償化へ

標茶町の総人口に占める65歳以上の割合「高齢化率」は、全国平均を5.6ポイント上回る34.2%(2020年時点)。少子高齢化が進んでいます。
佐藤町長は選挙戦で子育て環境の充実や高齢者施設の整備などを訴えました。中でも強く訴えたのは小中学生の給食費の無償化です。

佐藤吉彦町長
「できれば来年・2023年の春から小中学校の学校給食を無料にしたい。ふるさと納税を拡大しながら財源に充てていきたい。また、町立病院をどう維持していくのかも課題で、特別養護老人ホーム『やすらぎ園』の改修と合わせて考えたい。例えば『やすらぎ園』の機能の一部を病院の空きベッドの中に持ってくるなど、今ある施設を有効に使って町民負担を極力減らすような形をこれからの4年の中で出していきたい」


ヒグマ「OSO18」への対応は

3年前から標茶町や隣の厚岸町で60頭以上の乳牛を繰り返し襲っているヒグマ「OSO18」。
町内の牧場でも乳牛が被害にあい農家は苦悩しています。町は道などと連携して捕獲に向けた取り組みを進めていますが難航しています。

佐藤吉彦町長
「道が対策本部をつくり、現地で積極的に活動して、少しずつOSO18の行動範囲などの成果が見えてきている。道と連携してできるだけ早く捕獲を進めたい。地元でもハンターの高齢化が進んでいて、熊撃ちの専門の人がなかなかいない。ヒグマ以外にもエゾシカなどによる鳥獣被害は多く、若いハンターの育成をやらないといけない。地域全体に声をかけていきながら、ハンターの育成を積極的に進めていきたいと思っている」

佐藤吉彦氏 プロフィール
標茶町出身の65歳。1981年(昭和56年)に町役場に入り、住民課長や保健福祉課長を務めたあと、2018年(平成30年)の町長選挙に立候補して初当選。

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