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地元自慢の味・えりも短角牛を守る家族

  • 2022年7月1日

こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」胆振日高担当リポーターの内部明日香です。道央・胆振日高70市町村の魅力をお届けする「ななまるMAP」では今回、えりも町が誇る「えりも短角牛」を育てる家族を取材してきました!

「えりも短角牛」は日高山脈のふもとの丘陵地帯で育てられている肉用牛です。寒さや強風など厳しい環境の中で育った脂肪分が少ない赤身中心のヘルシーな肉質が特徴で、今では全国的に名前が知られるようになりました。
私が初めてえりも短角牛と出会ったのは去年の春でした。当時、室蘭に引っ越したばかりの私を歓迎しようと、同僚たちが市内のレストランのお弁当を用意してくれ、その中に入っていたのがえりも短角牛のローストビーフだったんです。とってもとってもおいしくて、その名前がずっと印象に残っていました。
今回、念願のえりも短角牛を取材できる機会を得て、ワクワクしながらえりも町に向かいました。出迎えてくれたのは親子で牧場を経営している高橋祐之さんのご家族です。

ステキな方たちなのが伝わってきますよね!お邪魔した日はお孫さんも牛の世話をしていて、“こんなに小さいうちから牧場のお手伝いをしているなんて”と感心しきりでした。

現在、えりも短角牛を育てているのは高橋さん一家が営む「たかはし牧場」だけです。かつては数十人の生産者がいて、最盛期には1000頭を超える繁殖牛が飼育されていましたが、時代の変化とともに減っていったそうです。その変遷を高橋さんが語ってくれました。

たかはし牧場 高橋祐之さん
「輸入自由化で海外の牛肉が入ってくるようになったり、霜降り肉を求める消費者の志向に合わせて黒毛和牛に転換する人が出てきたり。そういう大きな変化が起きて1人抜け、2人抜けとどんどん減って、うちだけになってしまいました。それはもう時代の流れですから、なかなか止めることはできなかったですね。非常に残念ですけれども、だからこそ頑張ってえりも短角牛を残して伝えていければなと思っているんです」

髙橋さんの牧場にはレストランが併設されていて、丹精込めて育てられた牛肉を現地で味わうことができます。

私もいただきましたが、うまみがギュッと詰まった赤身の肉はかみ応えがあって“お肉を食べているな~”という満足感がありました。本当にかめばかむほどうまみが出てきて、中には「飲み込むのがもったいない」と話す人もいるんだそうです。
このレストランでは食事を楽しむだけでなく宿泊もできます。なぜ生産者がみずからこのような場所を作ったのか、その思いを高橋さんに伺いました。

たかはし牧場 高橋祐之さん
「東京に営業に行ったり、海外に視察に行ったりしていろんな人と出会って話をするうちに、自分と同じような考えの人がたくさんいることに気づいたんです。それはロットが少ないとか規格に合わないとかマイナスな部分がある物も流通していかないと、経済が成り立たないということ。“じゃあ、自分たちで販売しよう”と、えりも町に戻ってからレストランを作って、宿泊もできるようにしました。食の安心安全という言葉はいろんな人が言いますけど、それを生産者がみずから伝えなくちゃいけないんだと思っています。お店に来ていただいた人には『うちはこういうえさを牛に食べさせていますよ』『こうやってチェックしながら安全を確認していますよ』ということを伝える努力をしています」

髙橋さん一家が守りながら、その魅力をより多くの人に伝えようと励んでいるえりも短角牛。皆さんもぜひ一度、牧場に足を運んで、高橋さんのお話を聞きながらおいしい牛肉を味わってみてください。それでは!

私が前回取材を担当した「競走馬生産日本一!新ひだか町の新カード」の記事も併せてご覧ください♪

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