北のことばお兄さん 「やばい」編
- 2023年12月8日
音更町出身の伊林です。今回は網走で撮影です!
網走といえば誰もが思い浮かべる、あの場所で…。「伊林、何かやばいことやったのか!?」と思う方、必見です!
(*この記事は4分~4分半程度で読めます)
「やばい」はもともと…
この「やばい」、もとは犯罪者の仲間内だけで通じることば(隠語)で、“身に危険が迫る”“好ましくない”などという意味でした。ご存じでしたか?
若者の間で俗語として広がる
その「やばい」が、しだいに若者を中心に俗語として広がりました。“昭和40年代から若者の間で多く使われるようになった”とみている専門家もいます。意外と早いですね。
広まってすでに長い年月が経つので、若い世代の方には“俗語”という認識がないかもしれません。
更に、徐々に意味や使い方が広がり、前述のように元来マイナスの意味だったものが徐々に反対の良い意味で使われるようになったのです。
「この肉、やばいッ!」
皆さんは「この肉、やばいッ!」はどのような意味だと思いますか?この「やばい」は“すばらしい”“すごくおいしい”などという意味です。時に感動詞のようにも使われます。
専門家の間では、こうした“感動や感激が強くてあぶない”“すごい”“驚くほどである”などの良い意味の使い方は21世紀になって広まったとみられています。
文化庁の調査では、20代以下では8割から9割が“とてもすばらしい”意味で使うと答えました。
広く使われるも放送では…
こうした状況をうけて、国語辞典も両方の意味を載せるものが多くなっています。
ただ、全国のテレビ各社も加盟する日本新聞協会は「放送で気になる言葉2011」(同協会2011年発行の書籍)の中で“品位の面からも、本来の意味を含め安易に使うのは避けたい”としています。
「やばい」の由来や使われ方について「この解説、やばい!」(もちろん良い意味で…)と思っていただけるように頑張って書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
≪おまけ≫
映画「網走番外地」などから、“最果ての地”のイメージもある網走。
札幌からJRの特急オホーツクでおよそ5時間20分。「さすがに遠いね…」(伊林)、「北海道の広さを実感しますね!」(山下アナ)などと言いながら着きました。
網走駅は道路より一段高い所に、ホームや駅舎があります。注目していただきたいのは、画像の中央やや左、縦書きの「網走駅」の看板です。
看板のそばに、由来について記したプレートがあります。それによると、かつて、網走刑務所で刑期を終えた元受刑者たちは多くがここから故郷などに向かっていきました。
そして、この看板は“元受刑者たちが、横道にそれることなくまっすぐに生きてほしい”という願いが込められて縦書きになっていると伝えられているそうです。
縦書きの駅名看板とプレートを見ていると、何だか背筋が伸びる思いがしました。
12月の新作3本は網走で撮影しました。放送やNHKプラスの配信で、是非ご覧ください。
“ちょっと人に話したくなることばの知識”をお届けするミニ番組「北のことばお兄さん」。
放送は、(月)~(木)午前5時59分から1分です。
これを見れば、「『○○○』って、本当はこういう意味なんだよ!」と思わず人に話したくなること間違いなし!
NHKプラス配信のご案内です!
11月の新作3本「“10本”の発音」編・「真逆(まぎゃく)」編・「T字路?丁字路?」編が配信中です(2023年12月12日頃まで)。
北海道以外の地域の方も、NHKプラスで視聴できます!是非ご覧下さい!
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