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FMシアター「すすきのの夜を歩いて」制作・放送のお知らせ

  • 2024年2月14日

実際にすすきので収録した一般の方の体験談を使ったオーディオドラマ FMシアター「すすきのの夜を歩いて」を2月24日(土)に放送致します。 

FMシアター「すすきのの夜を歩いて」
放送:2024年2月24日(土)22:00~22:50
《NHK-FM 全国放送》

★「聴き逃し」配信あり(放送後から1週間)

【脚本】
那須 良識

【出演】
石原 滉也/小林 エレキ 
満島 てる子/亀井 健/磯貝 圭子/梅原 たくと/工藤 ひまわり
実際のエピソードをお話しくださった すすきのの皆さん

【制作】 
〈NHK札幌放送局制作〉
制作統括:堀口 航平/技術:松原 宏樹/音響効果:三村 俊之/演出:髙橋 裕美

【ドラマのあらすじ】
 舞台は、北海道最大の歓楽街・すすきの。 
 主人公の村上(29)は東京で役者として芽が出ず地元・札幌に帰ってきた。村上は「誰かに自分のことを覚えてほしい」という願望があり、帰郷した晩、すすきので出会った人に「あなたにとって忘れられない人はどんな人?」と尋ねて回る。札幌で劇団を主宰する大橋(33)は、元劇団員の村上を気にかけていた。すすきので出会った人は皆、真摯に村上に応えるが・・・、村上の態度は投げやりで、大橋は次第に苛立ちを隠せなくなっていく。
 本作は、すすきので収録した一般の方の体験談の音源を使っています。すすきのに置いてきた過去、思い出、笑い話・・・。思いが行き交うこの町で「誰かの忘れられない人になりたい」という村上の叫びをお聞き下さい。

【出演者からのコメント】

村上 浩也役:石原 滉也

〈プロフィール〉
北海道札幌市出身。大学卒業後に活動を開始した。初の主演作となった「安楽死のススメ」では海外20の映画祭でノミネートされ、マンハッタン国際映画賞では主演俳優賞を受賞。2024年は前述の「安楽死のススメ」の他にも「東京ランドマーク」「うぉっしゅ」等が公開予定。今回オーディオドラマは初挑戦となる。

〈出演にあたって〉
自分を育ててもらった北海道という地で、未だにこうしてご縁をいただけて、思い出深いすすきのを舞台にした作品をやらせていただけることに感謝です。
歴史のある番組で皆さんに物語を届けることができることを大変嬉しく思います。
実は自分自身の芸能活動の原点もこの街にありまして、上京したい気持ちを同郷の俳優の方に相談させていただいたことから始まりました。役と自分と重なるところもかなりありましたので、注目していただけると嬉しいです!

〈オーディオドラマ初出演について〉
オーディオドラマ自体が初の挑戦でしたので、かなり緊張していました。
声のみで物語を伝えるわけですから、自分の中で情景に寄り添ってお芝居をすることを大切にしました。現場ではスタッフの皆さんや共演者の皆さんに協力や助言もいただきました。本当に温かい現場でした。台本を頂いて最初に読んだ時から、すすきのの情景がすぐに浮かんできました。「これはすすきのが舞台になっている話だな」と、皆さんの頭の中にもすぐに情景が浮かぶと思います。

〈今回ならではの工夫点〉
正直、自分と重なる部分も多かったので、自分の癖だったり自分らしいところを役として取り入れました。スタッフさん達からも是非と言っていただき、他の誰でもないキャラクターが出来上がったと思います。

〈この作品の魅力〉
今回の作品は個人的な問題に焦点を当てた話になっています。自分中にある葛藤や不安や孤独です。そこに対して、それが何かのきっかけになるかは分からないけど、話をしてくれる人々がいます。人間として生きていくことへの温かさを感じることができると思います。普段の生活の中で気づいていなかった、すぐそこにある温かさに触れていただけると思います。
また、都市というのはそれぞれコントラストと言いますか、色味と言いますか、そういったものがあると思っていまして、今回の作品では札幌のコントラストがよく表れていると思います。

大橋 圭介役:小林 エレキ

〈プロフィール〉
北海道札幌市出身。俳優。主に札幌市内の舞台作品を中心に活躍。映画、ドラマ、TVCMにも出演する他、ラジオパーソナリティー、NHKオーディオドラマにも出演多数。専門学校の演技講師も務め、ワークショップ等も開催。

〈出演にあたって〉
札幌の演劇人役としてのオファーを頂き、札幌で俳優として活動している自分が日々感じていること、考えていることを少しでも役に乗せられたらと思い収録に臨みました。

〈大橋という人物〉
私が演じた大橋は、札幌で劇団を主宰する所謂演劇人です。主人公の村上を気にかけ、寄り添い、その実、彼自身も悩みを秘めた人間です。
そんなよくも悪くも人間臭い男ですが、彼の抱える感情は皆さんにもどこか共感していただけるのではと思います。

〈今回ならではの工夫〉
アドリブの部分があったり相手の話に相槌をいれたりと自由な現場でしたので、あれこれ考えず自然体で共演者の皆様と楽しくやらせていただきました。

〈この作品の魅力〉
「忘れられない人」というキーワードのもと、色々な人の様々な思い出話が沢山出てくる作品です。共感したりびっくりしたりしながら楽しんで頂けたら嬉しいです。個人的には終盤の怒涛の一発録り(笑)の部分が果たしてどんな空気感になっているのか気になっています。いまから放送が楽しみです。

満山 ゆう子役:満島 てる子

〈プロフィール〉
1990年三重県生まれ。オープンリーゲイの女装家。「さっぽろレインボープライド」の副実行委員長。セクシャリティフリーのバーのママとして、実際にすすきので働いている。時には「てるまゑ・ノヱビア」という名でドラァグクィーンとしてのパフォーマンス活動も。オーディオドラマは初挑戦。

〈出演にあたって〉
自分の実体験がまさかほぼそのまま台本に載っているなんて……!?
そして、その台本を読むのがまさか自分だなんて……!?
おっかなびっくり現場入りし、出演者の皆さんと顔合わせをしたのが昨日のことみたいです。収録が終わった今でも、現場で感じたドキドキとワクワクがまだ消えていません。共演者はじめ、関係者の皆さんには本当に感謝しています。

〈ゆう子という人物について〉
ストーリーを作る最初の段階から、この人物のキャラクターとその語り口については私自身の「日常」や「実体験」を最大限に反映したいと、制作サイドの方々が手を差し伸べてくださり、その作り込みに協力してくださいました。「今回の『満山ゆう子』は別の世界線の自分なのかもしれないなぁ」と、演じている最中にもなんだかしみじみ感じたり……。ゆう子の言葉を通じて、すすきのでもがいたりあがいたりしながら生きている、普段の私そのままが伝わればいいなぁと思っています。

〈ドラマ初挑戦について〉
飲み屋のママとして普段から言葉を使う仕事をしているとはいえ、オーディオドラマはもちろん、役者として演技をするのも初体験。「誰かになりきって、しかも声だけで何かを伝えるって、そんなこと自分にできるのだろうか」と、最初は不安と緊張でいっぱいでした。ですが、その心の霧もサッと晴れるほど、いざマイクを前にしたら楽しくて!
紆余曲折ありながら、すすきのの夜を歩いていく村上と大橋。その2人を、本当に自分の店のカウンターに迎え入れたかのような感覚で、収録に参加させてもらいました。

〈この作品の魅力〉
「誰かに自分を覚えていてほしい」…… 私自身、恋愛や仕事はもちろん、人生の様々な場面でそんな願いを抱いてきました。誰しもが望むであろう、他人の記憶に残ること。それをど直球のテーマとして扱いながら、すすきのの街にいる人々の実際の声やエピソードを拾い上げ、ひとつのストーリーにしたこの作品。北の地を舞台にしたドラマではありますが、北海道にお住まいの人にだけではなく、たくさんの方のこころに刺さるのではないかと思っています。ラジオの音声にのせて、村上や大橋、ゆう子はもちろんのこと、他の人物たちの"リアルな"生き様をぜひ楽しんでいただきたいです。

【脚本について】
作:那須良識

〈プロフィール〉
映画美学校脚本コース出身。同校修了制作にて「フェルマータ」が佳作に選出。塔短歌会に所属する歌人や音楽家としても活動中。昨年11月、歌集「海も砂漠も見ない人生が良い」を発表。

〈コメント〉
 普段、僕は東京で活動しているのですがこのシナリオを執筆している時は冬の札幌で生きている人間のつもりで物語を作りました。天気予報では、北海道を見てから東京を見ていました。
 この作品では実在の人のエピソードを使っています。その実在のエピソードと僕が作った架空のキャラクター達によって力強い物語を立ち上げる様に書きました。
 二人の青年が出てきて、彼らは夜のすすきのを彷徨います。多くの人と出会い、多くの会話を交わします。もし実在しない彼らに対して、何か生々しいリアリティを感じ取ってもらえたとしたら、脚本家として、これ以上の喜びは無いです。

【演出について】
演出:髙橋 裕美(NHK札幌放送局ディレクター)

〈コメント〉
 「大海原を漂うメッセージボトルのような、誰に届くか分からないけれど大事な思いを込めた番組をすすきのを舞台に作ってみたい」そんな着想からこの物語は生まれました。札幌局に赴任して3年、友人や同僚と思いをぶつけ合い、それを受け止めてくれたのは、いつもすすきのの人達でした。次第に、この町の魅力を、この町の人達と番組にすることができたら・・・と思うようになり、ドラマでは挑戦的ですが、すすきので収録した実際の一般の方達の声を登場させて脚本を作ることに決めました。すすきのの雰囲気が許してしまう、この町だから話せる思い出が登場する物語になっています。
 今回のオーディオドラマは、キーワード「あなたの忘れられない人」をテーマに登場人物達がそれぞれの「忘れられない人」のエピソードを語っていきます。一般の方の声はもちろんリアルな実話ですが、役者さんも配役と境遇の近い方にお願いしました。主人公の東京から札幌に戻ってきた役者の村上は、実際に東京で役者をしている札幌出身の俳優・石原滉也さん、村上の先輩で札幌の劇団の座長役には、札幌の演劇界で活躍する小林エレキさん。そして、バーのママ・ゆう子役には実際に女装バーで店長をしている演技初挑戦の満島てる子さん。特にゆう子のエピソードは満島さんの実際の体験をご本人に演じて頂いています。皆さんの思いを脚本にするのは容易なことではありませんでしたが、那須良識さんがこの思いに真摯に向き合い、生の声のリアルさを活かした直球の会話劇に仕上げています。
 ドラマの終盤では、村上、大橋の思いが爆発します。実はこの部分、石原さんのアドリブで収録しています。村上と石原さんの思いが交錯しながら迎えるラストを是非お楽しみ下さい。
 すすきのの皆さんが語って下さった忘れられない人の話の多くは、もう会うことができない人に向けたものでした。そんな思いがこの番組に乗って消えることなく届くことを願っています。

FMシアター「すすきのの夜を歩いて」
放送:2024年2月24日(土)22:00~22:50
《NHK-FM 全国放送》

★「聴き逃し」配信あり(放送後から1週間)

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