サケカメラ2020 #サケ
- 2021年3月7日
200万都市札幌のまんなかで、野生のサケが命をつないでいます。豊平川の河原に固定した小さなカメラが、サケと自然を見つめました。
次回の放送 2021年2月21日(日)午後5時45分〜
サケカメラって何?
豊平川で生まれたサケが海にくだって大きく育ち、再び豊平川に帰ってきて卵を産む。そうした「野生のサケ」を増やす活動、SWSP札幌ワイルドサーモンプロジェクトが進んでいます。プロジェクトには、研究者や河川管理者だけでなく、サケに興味をもつさまざまな人が連携。活動のひとつが、サケの産卵環境の回復です。河川整備の工事会社の協力を得て、2019年は2か所の区間で工事が行われました。
サケカメラは、その現場がどうなったのかを追跡するため、2019年9月下旬から1月下旬まで河原に設置した、自動撮影カメラです。撮影した画像は、「サケカメラ」のサイトにリアルタイムに掲載、サケ情報とともにお伝えしてきました。
豊平川のサケって野生なの?
人口200万の大都市にありながら、豊平川には毎年1000~2000匹のサケがのぼってきます。豊平川のサケについて長らく調査・研究をしてきた札幌市豊平川さけ科学館が、のぼってきたサケのうち、豊平川生まれのサケ=野生魚の割合を調べたところ、半分以上、7割にのぼることがわかりました。
このため、毎年20万匹放流してきた稚魚の数を、2016年以降、半分以下の8万匹に減らしています。
産卵場所を回復させるってどういうこと?
野生のサケを増やすために必要なのが、産卵に適した場所がたくさんあることです。サケにとっては、浮いた砂利があるやわらかな川底や、湧水がある場所が「よい産卵場所」です。
しかし、大都市を流れる川は、川底がかき回されるような洪水が起きないように管理されているので、結果的に川底は固定化されてしまいます。
そこで、掘削して流れを取り戻したり、砂利をかくはんして川底を軟らかくしたりして、産卵に適した環境を回復させる工事が行われています。
「サケカメラ2020」放送します
産卵環境が改善された区間に、サケはやってきたのか?
サケカメラが4か月の間、撮影した9667カットの映像から、サケと河原に生きる生き物たちの様子を選び出し、さらに、別のカメラで撮影された映像を組み合わせて、「2019-2020年シーズンの豊平川のサケ」を、ギュッと5分に凝縮しました。
北大構内でサクラマスが産卵!?
あわせて、北海道大学構内を流れるサクシュコトニ川で確認されたサクラマスの遡上・産卵についてもお伝えします。都市化とともに涸れたかつての湧水の川が、2003年の再生工事でいまの姿になって以来、はじめてサクラマスの産卵報告もあります。待望の稚魚の映像も盛り込みました!
2020年4月17日