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Do! | #27 Negi Kazuki

  • 2023年7月3日

第27回に登場するのは、編成担当の祢宜職員。新聞のテレビ欄などでよく目にする番組表。実はこれを決めているのは編成なんです。視聴率の分析から災害発生時の緊急対応、番組のプロモーション、時には番組制作まで・・・・・・「テレビ局の司令塔」として日々さまざまな業務を担当しています。そんなテレビ局独自の仕事・編成の裏側をたっぷりと聞きました。

[Photo By  奥田敬輔]
[聞き手 富浦 麻穂(NHK札幌放送局 広報)]

祢宜 和希 -Negi Kazuki-
2021年入局。農学部 食料・環境経済学科卒。広島県出身。
北海道北営業センター(旭川)で営業を担当した後、現在は札幌局メディアセンターで編成を担当。
趣味は読書、ダーツ。特技は卵焼きを綺麗に焼くこと。

<目次>
1.自分の中の「知りたい」を大切に
2.「人の役に立つ仕事」を求めてNHKに
3.視聴者に“価値ある時間”を届けるために

1.自分の中の「知りたい」を大切に

――学生時代の話からお伺いします。農学部では何を勉強されていたんですか?

農学部というと理系を想像されると思うんですけど、農業経営学という、農業を文系的な視点で考えるような分野を勉強していました。

――農業経営学というのは、具体的にはどんなことを研究するのでしょうか?

農薬を使っていない野菜って、いろいろスーパーに並んでるじゃないですか。同じような有機農産物、例えばニンジンとかでも、売っている地域や店が違うだけで値段が変わるのはなんでなんだろうと気になって。それで卒論では、商品が生産者から消費者のもとに届くまでの間に、値段がどういう風につけられて、世の中に流通しているのかといったことを調べました。

――どうして同じ商品でも値段が変わるんですか?

生産者の生活を保障するために、高い値段で買い取って売りますよというスーパーもあれば、高すぎると売れなくなってしまうので、比較的安く売るスーパーもあります。価格の決め方のロジックというのは一つではなくさまざまで、その背景には、 生産者に対する思いとか意識とか、そういったものが関係しています。

――そもそも、農学部に入ろうと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?

高校生のとき、文系・理系の分け方にちょっと疑問を感じていたんです。そんなときに、国語の授業で、現代の科学技術でもわからない天文学の謎が、江戸時代の人が空を観察してつけていた日記を手がかりに解明されたという話を聞いて、これこそまさに文理融合だと感じました。江戸時代の古い文書を研究する=文学部みたいなイメージが自分の中にはあったので、そんな狭い視点じゃなくて、理系のフィールドだけど文系の視点があるとか、そんな学問がないかなと探していたときに、大学の先生が高校に講演に来たことがあって、そこで初めて農業経営学を知りました。自分の中では農学部=理系っていう固定観念があったので、それを壊されたというか、面白そうだし、勉強してみたいと思ったのがきっかけです。


――それで農業経営学を専攻されたんですね。

大学2年生のときにゼミを体験する授業があったんですけど、農業経営学の中でも特にタンザニアのコーヒー農家について研究していらっしゃる教授がいて、その教授のゼミに参加して、2週間タンザニアに行きました。

――タンザニアに行ってみて、いかがでした?

コーヒー農家の家にホームステイをしたんですけど、それまで海外に行ったことがほとんどなかったので、生活も文化も違うし、驚きがたくさんありました。コーヒー豆のオークションを見学したり、収穫の現場も見せてもらったりして、とにかく知らないことばっかりで、もう、発見の毎日でした。ふだん飲んでいるものとか、身近なものの成り立ちって、全然知らなかったんだなと感じました。

――農業経営学の研究は、実験をして結果を導き出すというよりは、人をたずね歩いたり、フィールドワークのような調査が多いのでしょうか?

実験はありませんが、農業政策がどういうインパクトを与えたのかといったことを調べるゼミでは、統計でモデルを立てて仮説を検証したり、数学的なアプローチで研究している人もいました。
私が所属していたゼミだと、いろんな人に会いに行ってインタビューして、それをもとに仮説を実証していくという調査方法が多かったです。

――そういう経験って、社会人になって生きているなと感じることはありますか?

インタビューでは、初めて話す人にいろいろと聞かなければいけないので、 飛び込む勇気と言いますか、自分の知りたいことを相手に聞くときの姿勢という面で、今も役に立っているところはあるのかなと思います。
でも、やっぱり一番は、そもそも自分の知りたいこと、自分が引っかかったことをうやむやにしない気持ちですね。そういうマインドは、研究や卒論を通じて得るものは大きかったと感じています。

――社会人になってから振り返ってみて、大学の勉強は楽しかったですか?

楽しかったです。もちろん苦しいことも山ほどありましたけど、自分が気になったことをとことん追求するというか、突き詰めて調べることができる環境っていうのは、すごく自分にとっては幸せだったなって。その当時は思ってなかったですけど、社会人になった今、振り返ると、やりたい勉強をたくさんできたっていうのはよかったなって思います。

2.「人の役に立つ仕事」を求めてNHKに

――進路を決めるとき、大学院に進むことは考えなかったのでしょうか?

大学院進学も考えていました。修士課程を修了してから就職するという道もありましたが、大学3年生の段階で一度就職活動をしておいても損はないなと思って、就活を始めました。だから当時は、就活はしていたものの、絶対に就職しようとまでは思ってなかったんです。

――そこからどうしてNHKに?

もともとあまりマスコミは全く志望していなかったんですけど、たまたま何かのサイトでNHKのインターンシップの募集を見て、出すだけ出してみようと応募したのがきっかけです。

――それはどんなインターンシップだったんですか?

東京の放送センターで3日間、営業や事業、編成など管理系の仕事を幅広く体験しました。東京オリンピックが近い時期だったので、この日程だったらどんな番組を何時に放送するかということを考えたり、新しいイベントを考えようといったワークもありました。

――インターンシップに応募する際、いろいろなコースがあったと思いますが、どうして管理系のコースを選択されたんですか?

管理系の業務は組織のマネジメントをする仕事なので、大局的に会社を見られると思ったんです。番組を制作する仕事にもチャレンジしてみたい気持ちがなかったわけじゃないですけど、そもそもこんな大きい組織がどうやって成り立っているんだろうというのが疑問に感じていたので、管理系の仕事ならその疑問が解決するかなと思いました。

――管理系の仕事の中でも、特に興味があった仕事は何ですか?

事業の仕事に興味がありました。学生時代に別の会社のインターンシップに参加したとき、地方によって情報の格差がかなりあるんだなと感じたことがあって。私は関西の大学にいて、周りも就活の情報をいち早くキャッチアップしている子が多かったので、「この時期にはインターンや選考が始まるよ」という情報が自然に入ってくる環境にいたのですが、そういう情報がなかったら、動き出しの時点で差がついてしまって、それはフェアじゃないなと。
それで、どこにいても情報を知ることができる機会があればいいなと思っていたら、NHKが取り組んでいる「就活応援ニュースゼミ」がまさにそれで、いい取り組みだなと思ったんです。
NHKは47都道府県に放送局があるので、就活に限らずですが、イベントという形でそうした情報の格差を解消できるんじゃないかなと感じました。

――NHK番組はもともと見ていたんですか? 

小学生のとき、当時「おはよう日本」で放送していた、便利グッズを紹介するコーナー「まちかど情報室」がめちゃめちゃ好きで、夏休みに早起きして見ていました。
あと、大学のときも、別のゼミの教授がNHKの取材を受けている映像を見たり、他にも「ワースポ✕MLB」とかを見ていたので、NHKはわりと身近に感じていました。

――マスコミ以外はどんな業界に関心があったのでしょうか?

一度就職すると、転職しない限りほかの会社の内部を知る機会はないので、インターンシップはいろんな会社を見られる最後のチャンスだと思って、業種問わずさまざまなインターンに参加していました。
就活のときも、国家公務員、コンサルティング会社、飲料メーカー、自動車メーカー、証券取引所など、まんべんなくエントリーしました。国家公務員も考えましたが、公務員試験の勉強の時間がとれなくて、結局受けませんでした。

――就活の軸は何か決めていましたか?

業界を軸にしても、結局職種によって仕事内容は変わってくるので、入ってみないとわからないなと思って、それよりも、人の役に立ちたいという思いがあったので、それを体現できる仕事を探していました。その結果、業界問わずという形になったという感じです。

――人の役に立ちたいと思うようになったのは、何かきっかけがあるんですか?

小学3年生から高校生まで合気道をやっていたので、その影響もあるかもしれません。協調性というか、人の輪みたいなものは、自然と学んでいた気がします。
中学受験をしたときに、合気道の先生から、緊張のほぐし方じゃないですけど、心がけみたいなものを教えてもらったのは今でも覚えています。受験はミスしたら落ちてしまうので、やっぱり緊張するじゃないですか。そのとき先生から、泣いても笑ってもその時間は1回きりしかないんだから、せっかく受けるんだったら精一杯楽しんできなさいと言ってもらって、それで心がすっと晴れたのは、思い出として残ってますね。

3.視聴者に“価値ある時間”を届けるために

――初任地は旭川ということですが、北海道配属は希望されたんですか?

特に希望は出していなくて、配属のアンケートで「虫が苦手なので南は嫌です」ということを書いたら、同期で最北端に配属となりました(笑)

――(笑)。旭川、札幌と住んでみて、北海道での暮らしはいかがですか?

出身が広島で、大学生活を送ったのは京都だったので、北海道に来て、とんでもない量の雪が降るのを見て驚きました。雪が降って最初の3日間はすごくテンションが高かったんですが、1週間もするともう雪を憎むというか(笑)、慣れましたね。
旭川局にいたころは、営業の若手が代々通っていた飲み屋さんがあって、仕事でしんどいときとかにマスターに話を聞いてもらったり、おいしいご飯を食べさせてもらったりしていました。お店の方スタッフも、常連のお客さんもみんな優しくて、すごく人のあたたかみを感じました。

――旭川では、営業の仕事をしながら、ローカルフレンズ滞在記のイベントも担当されたと伺いました。これはどんなイベントだったんですか?

2022年5月に放送した「ローカルフレンズ滞在記 利尻島編」のPRで、番組ポスターを配布したり、道北・オホーツクエリアでの周知活動を担当したのですが、放送と関連して、何か学生が自分の将来を考えられるような機会を作れたらいいなと思い、イベントを企画しました。
利尻島のローカルフレンズの梅村みゆきさんが、新卒で旅行会社に就職した後、全国をリゾートバイトでまわって、利尻島の地域おこし協力隊員になったという興味深い経歴をお持ちの方だったので、そういう生き方もあるというか。自分の高校時代を振り返ってみると、人生って自分で責任をとれば自由なので、いろんな選択肢があるんだよということをもっと知っておいても良かったかなという思いがあったので、それをどうにか実現できないかなと考えたのが、イベントのきっかけです。

――学生を対象にしたイベントだったんですね。

高校1、2年生向けに、梅村さんにご自身のキャリアやこれまでの経験を語っていただいたり、キャリアを描くワークショップを開催したりしました。
時間が限られているのに内容を詰め込みすぎたり、学生のニーズを捉え切れていなかったり、反省すべきところは多かったのですが、営業の職員が自分たちでイベントを運営する機会はあまり多くなかったので、企画から考えて関係者と交渉して、運営までやりきるというのは勉強になりました。

――営業の仕事を1年経験された後、札幌局の編成に異動されましたが、それはご自身の希望で?

そうです。第1希望でした。営業時代にイベントや広報の仕事も少し経験できたので、一番知らない部署はどこだろうと思ったら、編成って知らないなと。それでチャレンジしてみたいと思いました。それだけではなくて、番組を何時に放送するとか、視聴率をもとに戦略を考えるとか、そういうことも面白そうだなと思って希望しました。

――編成はテレビ局ならではの仕事だと思いますが、どんな業務があるんですか?


どの時間に何の番組を放送するかを考えるのが主な仕事です。私は毎週土曜日の11時15分から放送している「Wild Hokkaido!」を担当していて、そのラインナップを毎月考えています。地震などの緊急時に番組の放送予定を変更したりといった対応も編成が行います。
それから、放送機器の点検や工事をするときに、放送を休止することがあるのですが、何時から放送休止しますというのを決めるのも編成の仕事です。そのほかにもSNSで番組情報を発信したり、ミニ番組を作ったり……

――ミニ番組?

「ReNews(リニュース)北海道」という5分番組を2023年3月に放送しました。過去のニュースのタイトルに使われた言葉を時代ごとに読み解きながら、北海道の新たな姿や意外な情報を伝える番組です。もともと札幌局の編成が企画したプロジェクトで、誰が番組を制作するかという話になったときに、「やってみたいです」と手をあげ、1つ担当させていただきました。

2023年3月から7回にわたり放送した「ReNews北海道」

――すごいですね。編集作業は独学で?

ディレクターがふだん番組を作っているのと同じ編集機器を使って制作しました。操作方法は編成の先輩に聞いたり、実際に作業しながら覚えました。

――編成って、本当にさまざまな仕事があるんですね。

自分で何かをやろうと思えば、実現できる環境だと思います。2022年に開催されたサッカーワールドカップのときは、東京に1ヶ月出張して編成業務も経験しました。スポーツの試合は何時に終わるかわからないので、中継が終わって通常の番組に切り替わるときに違和感がないように、何時何分に終わった場合にはこの番組を放送して……というのを分刻みで考える必要があって、それをまとめた「代案表」という資料を作る業務を担当しました。

――祢宜さんはインターンシップも経験してNHKに入局されたわけですが、働いてみて、想像していたNHKのイメージと違うことってありました?

思っていたより、いろいろなことにチャレンジしやすいなっていうのはありましたね。それは職場や上司にも恵まれたっていうのが大きいとは思うんですけど、若手の意見を尊重してくれるというか。ただ安直に、若手が言ってるからいいっていうわけじゃなくて、「もうちょっとここはこうした方がいいんじゃない?」みたいなディスカッションを踏まえた上で、実際に行動まで移すことができるのは、想像していたより柔軟な組織だなって感じます。

――現在は、2023年7月に放送する「179~あなたのマチにおじゃまします~」のPRも担当していますよね。


この番組は、北海道内各地にロケに行く番組なんですけど、番組制作チームと話す中で、ただロケをするだけじゃなくて、地域とNHKとの接点を増やせないかという話が出て、そのためには編成担当とディレクターだけでなく、いろんな部署のみんなで進めようということで、編成を中心にPRを考えるチームを立ち上げました。

――具体的にはどんなPRを行ったんですか?

5月にロケをした「179~あなたのマチにおじゃまします~石狩エリア出張編~」では、番組に出演いただいた地元の皆さんなどを招いて収録を行いました。番組ゲストの「すずらん」(お笑い芸人)に、番組に関連するネタを披露しながら番組紹介をしてもらって、笑いも含めながら地域の人に番組について理解してもらえるようにしました。
あとは、札幌局の広報担当とも連携して、地元の方々を載せたポスターを作りました。「179~あなたのマチにおじゃまします~」は地元の人が出る番組なので、MCやゲストだけが掲載されているポスターじゃなくて、その地域の人が見たときに「あ、知り合いの〇〇さんが写ってる!」と思ってもらえるような、地域や番組の特色が出たポスターを作った方がいいのでは!という話が打ち合わせで出て、実現しました!

■「179~あなたのマチにおじゃまします~石狩エリア出張編」:2023年7月14日(金)夜7:30放送

「179~あなたのマチにおじゃまします~石狩エリア出張編」のポスター。写真に写っているのは地元の方々

公開収録では地元の皆さんに向けてNHKの仕事の説明も行った。右手が祢宜さん

――編成の仕事は、いろいろな部署の人と話したり調整したりする機会が多いと思いますが、そういうときに何か工夫していることや、コミュニケーションのコツがあれば教えてください。

営業の仕事をしていたとき、自分が担当している不動産会社の方々の顔と名前を全員覚えて、信頼関係を築くようにしていました。広い世の中で、たまたま旭川に配属されて、たまたまその不動産会社の担当になって……って考えると、そうやって一緒に仕事をするってなかなかない確率じゃないですか。
せっかく一緒に仕事をするんだったら、楽しくというか、仲良くできた方がいいよねと思っていたので、不動産会社のWEBサイトから担当の方のプロフィールを見たり、実際に話したりして、仕事上の付き合いじゃなくて、その人のことを知ろうということを心がけていました。仕事でもプライベートでもお世話になり、今でも交流があります。自分にとって素敵な出会いとなりました。営業の時に大切にしていた気持ちは編成に来てからも変わっていなくて、一緒に仕事をするなら明るく仕事をした方がいいと思っているので、そういう気持ちでコミュニケーションをとるようにしています。

――編成の仕事の魅力って、どういうところでしょう?

一番は、仕事の幅が広いのでなんでもできることだと思います。管理系の業務もあれば、収録に携わることもできるし、放送局全体を俯瞰して見ることができる仕事なのかなと感じます。
あと、何時にどの番組を放送するかを決められるのも、編成の仕事の面白いところです。YouTubeなどの動画配信サービスだと、視聴者は自分から興味のある動画を見にいきますが、テレビはチャンネルをつければずっと番組が流れているので、偶然そのとき流れていた番組を見た人の新しい興味を切り拓くことができると思います。
それを踏まえて、例えば、なかなか世間で注目されていない社会問題を扱った番組をあえてこの時間に放送して、ちょっとでも多くの人に知ってもらいたいとか、番組を何時に放送するかということを通じて、NHKの思いを伝えることができるのかなと考えています。

――放送内容だけでなく、放送する時間帯にも重要な意味があるんですね。具体的にはどういう観点で決めているのでしょうか?

私が担当している「Wild Hokkaido!」だと、なるべく新作を早めに放送することも意識していますが、それ以外にも、例えばもうすぐ夏休みだから、夏にできるアクティビティをとりあげようということで、カヌー下りの回を放送したりして、それを見た人が話題にしてくれたらいいなと思ってます。
「Wild Hokkaido!」の本編が終わったあと、ミニ番組を放送する時間が数分あるんですけど、そこも実は工夫していて、本編である地域をとりあげたら、その地域に関連する情報をミニ番組でとりあげたりしています。

――番組表ってふだん何気なく見ていますが、実はその裏には編成担当の思いがこめられているんですね。

そうですね。どこに重きを置いて放送時間を決めるかというのも、編成の腕の見せ所というか、担当者によって色が出ると思います。

――最後に、編成の仕事に向いている人ってどんな人だと思いますか?

先入観を持たず、初心を忘れない人じゃないでしょうか。やっぱり組織に属してしまうと、その組織の見方がどうしても染みついてしまう部分があって。例えば、BtoCの会社においては、B(Business)の目線を持っていないC(Consumer)の人たちを相手に仕事をするわけですが、自分も会社に入る前はC(Consumer)だったので、その視点をどこまで持っていられるかが大切なのかなと思います。
「179~あなたのマチにおじゃまします~」の番組のPRでも、例えば営業の職員だけで集まって考えていたら、「芸人さんに動画に出演してもらえないか」という案が出ても、「そんなの受けてくれるわけないよ」と却下されていたかもしれませんが、他の部署の人がいると「じゃあ聞いてみよう」と話が進んだりして。たぶん、無意識のうちに会社や部署などのいろいろなバイアスがかかっているんだと思います。
それで言うと編成は、何時にどの番組を放送するかを考えるうえで、もちろん視聴率などのデータも見ながらですが、いかにバイアスを取っ払って、自分が視聴者だったらこの時間に何を見るだろうとイメージしたり、そうした感覚が必要だと感じています。

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