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東広島でフードバンク始動 米やレトルト食品無償で必要な人に

  • 2023年03月23日

東広島市で初めてとなるフードバンクが2月から始まっています。個人や企業などから食品を寄付してもらい、必要とする人に無償で配るフードバンク。取り組みを始めた思いを聞きました。

(東広島支局 桧山千尋)

2月18日。JR西高屋駅近くの民家に、東広島市では初めてとなるフードバンクが開設されました。棚にはレトルト食品やお米などが並び、訪れた人が持ち帰ります。運営をするのは広島大学の学生や卒業生などでつくる「ひとむすび」です。

「ひとむすび」 山田芳雅 代表

「ひとむすび」 山田芳雅代表
「東広島にフードバンクという機能が無いというのを小売店さんから話を聞いたり色んな子ども食堂から聞いて、コロナとかもあって困っている人もたくさんいるだろうと思って始めました」

フードバンクでは、個人や企業などから食品を寄付してもらいます。それを必要とする人に無償で配る仕組みです。立ち上げメンバーの1人、広島大学3年生の伊藤百花さんは、高校生の時、飲食店のアルバイトで大量に廃棄される食品を目にしたことで、フードバンクの活動に携わることを決めました。

伊藤百花さん

伊藤百花さん
「自分自身、経済的に苦労した経験があったので、こんなに食品を必要としている人がいるにもかかわらず、まだまだ食べられるおいしい食品が捨てられているという、社会ってすごく矛盾してるなと感じました」

伊藤さんたちは、広島大学の構内に大きな箱を設置しました。ちょうど帰省や卒業のシーズンと重なるため、余った食品があれば持ち込んでもらいたいと考えました。

地域の人たちに取り組みを広く知ってもらいたい。さまざまな世代が集まる地元の手話サークルで、活動を紹介しました。家に余っている食材があったら持ってきてほしい、そして、誰でも食品を受け取ることもできると説明する伊藤さん。手話サークルのメンバーは、2か月に1回つくっているサークルの新聞にフードバンクの取り組みを載せてもいいかと尋ねていました。

いよいよフードバンク開設の日。食品を提供してくれる人が次々とやってきました。地元スーパーからも、即席めんや菓子などおよそ18キロの食品が寄付されました。大勢の人たちが食品を受け取ろうと訪れ、手持ちの袋に必要なものを詰めていきます。80代の女性は、「物価が全部上がるので、安いとこ安いとこ探して買い物に行ったりするんですよ。ありがたいです」と話していました。初日は、食料品を提供してくれた人は17組、受け取りに来た人は30組でした。

伊藤百花さん
「こんなにもフードバンクができたということが皆さんに知っていただいてるとは思ってなかったので、本当にびっくりしています」

「ひとむすび」 山田芳雅代表
「困っている人にじんわりと広がっていって、困っているタイミングでその人たちの助けになればいいかなと思っています。東広島に合った形を模索していければいいかなと思います」

東広島市のフードバンクは、毎月3回、「8」の付く8日、18日、28日に開設されます。食品を提供したい場合は、常温で保存できないものなど受け付けられないものもあります。市のホームページなどで確認してください。

  • 桧山千尋

    NHK広島放送局

    桧山千尋

    東広島市出身。東広島市や竹原市を担当。 イヤイヤ期の娘の育児に奮闘中。趣味はミュージカル鑑賞。 

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