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【5/15・16放送】リハビリ・介護を生きる 男性介護を考える 取材後記

2013年05月14日(火)

リハビリ・介護を生きる 男性介護を考える
5/15(水)放送:第1回 仕事と介護の両立は?
5/16(木)放送:第2回 ケアメンを支援するために

にご出演いただいた、
立命館大学教授「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」
事務局長 津止正敏さんに出演後の感想をお伺いいたしました。


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――収録を終えてご感想は?

普段は男性介護の問題を自分たちの土俵で考えているんだけど、
改めて多くの人に知ってもらう必要を感じましたね。
今の介護保険制度を変えていく、
もっと一人ひとりに合ったものに変えていくかという点では、
我々はまだ力不足ですから、
男性介護者の声、自分たちの介護体験の実態をどれだけリアリティーをもって、
多くの人に届けるかがまさにテーマだと思いました。

 

――取材を通じて、男性介護者の皆さんの
 「自分たちが声を上げていこう」という姿勢を強く感じました。

ちょっと以前までは、なかなかメディアに登場しない、
顔も見せないというふうだったが、
今はみんな主張が強くて、自分たちが主張する事が大事なんだってことを
すごく分かっている。
堂々と実名で自分のことを語る。
声を上げ始めてきたのかなって思います。
だから私たちの「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」は、
そういうきっかけ作りもできたのかなと思います。

 

――大きな流れになるといいですね。

当事者運動という考え方がありますよね。
これまで介護については、心身に問題を抱えた人、
認知症とか、寝たきりの人とかが当事者であると、
みんななんとなく思ってきた。
でもその当事者と離れる事ができない、関わらざるをえない、
暮らさざるをえない人、
つまり家族の介護者も、また同様に当事者であるはずです。
でもそのもう一人の当事者のことはこれまでなかなか表に出なかった。
介護者がお嫁さんとか女性だったから、
社会規範で介護をやって当たり前とされてきた。

しかし時代が変わり家族の姿も変わって、男性も介護に関わらざるをえない。
そんな状況になって、男性が介護に関わることになって、
封印が解けたというか、
声が上がり、みんなで介護の問題を考えようと、大きな流れになってきた。
いい流れになってきた。
介護に対する考え方が変わってきた。
いまや介護する/されることは、
人生経験の中でだれもが通過するライフイベントのひとつですよね。
だとしたら仕事や普段の生活と両立する介護でなければならない。
あるいはひょっとしたら介護を組み込んだ生き方のほうが、
より豊かな人生なのかもしれない。
介護することを通じて自分自身の人生を見つめなおすということもある。

そんな声が、私たちの出した
「男性介護者100万人へのメッセージ――男性介護体験記」にも溢れています。
男性介護者という現象、現実を通して、
「介護」というものの豊かな可能性までもが
見え始めてきたのではないかと思っています。

――ありがとうございました。

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