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Road to Rio vol.20 「狙うは頂点のみ! ~車いすバスケ女子日本代表~」

2015年02月25日(水)

ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
 

2月25日放送“チエノバ”の「Road to Rio」で紹介した「車いすバスケ女子日本代表 国際親善大会」。
番組の中では紹介しきれなかった大会の様子をリポートしますので、こちらもぜひお読みください!


2月中旬、大阪で車いすバスケ女子日本代表が、世界の強豪(カナダ、イギリス、オーストラリア)が出場した国際親善大会で優勝!リオ出場に向けて、大きな弾みになる大会でした!


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会場では、地元の小学生が作った横断幕が選手を迎えました
 


車いすバスケは、一般のバスケットと同じ、1チーム5人です。しかし、そこには制限があります。選手は障害の程度に応じて、一人ひとりに「持ち点」が与えられます(クラス分け)。障害が重い選手の持ち点は低く、軽い選手が高いのですが(1.0から4.5まで)、5人の合計が14.0を超えてはなりません。これは、障害の重い選手も軽い選手も等しく試合に出場するチャンスを与えるためで、障害の軽い選手だけでチームを組むことはできないのです。

日本のメンバー構成はどうでしょうか。まず絶対的なエースが、チームのキャプテンで、世界的にも注目されている網本麻里選手(持ち点4.5)。10代で迎えた北京パラリンピックでは得点王を獲得しました。網本選手はメンバーから外せない。また、他にも持ち点が高い選手も出場させたい。となると、持ち点が低い(ローポインター)、つまり障害程度の重い選手の活躍が、チームの躍進に大きく関わってくるのです。


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試合前のミーティング。チームの持ち点を考え、どの選手をコートに送り出すか、ヘッドコーチの手腕も問われる


実は今、日本では、非常に楽しみな“ローポインター”の若い選手が力を伸ばしています。番組でも紹介した、萩野真世選手(21歳)。脊髄腫瘍で、15歳から車いすバスケを始めました。持ち点は1.0。腹筋や背筋の機能がなく、座った状態でのバランスがとれないため、背もたれから離れたプレーができません。また、車いすの安定度を増すために、座面を低くセッティングしています。ただでさえ、車いすに乗ってのシュートは、ゴールが高いので力を要し、非常に難しいにも関わらず(私の体験談・・・)、萩野選手は、床から低い位置で3ポイントシュートを狙っているのです。限られた能力を最大限に使ってのプレーは、日頃の鍛錬の賜物ではないでしょうか。


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萩野真世選手。3ポイントシュートは、チームの攻撃のバリエーションを増やす。


萩野選手「スピードで相手と競り合うところと、アウトサイドからのシュートも自分の持ち味です。自分も得点に絡んで、全員で点が取れるようなチームになって、相手を抑えて自分たちの得点を多くすることをできていったら、リオの切符も獲りにいけるんじゃないかなと思います。」

橘ヘッドコーチ「今までの日本だと、障害が重い選手がじっとしている場合が多かったのですが、萩野のような選手が出てきたことは、チームにとって大きく有利に働くと思います。2020年の東京が決まってから競技の認知度も高まってきましたが、東京に向けての一番の強化はリオに行くことだと思っています。リオに向けて今私たちがやるべきことを100%やっていこうと思います。」

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左:萩野 真世選手   右:橘 香織ヘッドコーチ


2000年シドニーパラリンピックでは銅メダルを獲得した日本。ところが、前回ロンドンパラリンピックでは予選敗退で出場することができませんでした。

リオは、必ず。


今年10月。千葉市のポートアリーナで、リオパラリンピックに出場するアジアオセアニア地区の“たった1つの枠”を決める戦いが行われます。ぜひみなさん、会場を満員にして、パラリンピック出場に向けた日本代表を一緒に後押ししましょう!!



リオ・ピョンチャン・そして東京へ。
すべてのパラリンピックを盛り上げるために、ハートネットTVは取材を続けていきます。

コメント

山田さんお疲れ様です。車イスバスケット女子も激しい動きに、怪我をしないかとハラハラ見ています。生で見るとすごい迫力と思います。選手のみなさんのご活躍を期待しています。お怪我のない様に頑張って下さい。この番組のおかげでマイノリティの方への理解が大きく変わっている自分に気付きました。いつも応援しています‼︎

投稿:清満 2015年02月26日(木曜日) 05時55分