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【出演者インタビュー】藤川洋子さん「子どもには両方の親から愛される権利がある」

2016年08月15日(月)

020160804_fujikawa.jpg8月4日放送(8月11日再放送)
WEB連動企画“チエノバ” 
ひとり親家庭の子どもの悩み
ご出演の藤川 洋子さんにメッセージをいただきました。




《藤川 洋子さんプロフィール》
京都工芸繊維大学教授・臨床心理士

 

 

――8月のチエノバでは、ひとり親家庭の子どもの悩みついて紹介しましたが、たくさんのカキコミや番組を通して、改めて子どもが様々な悩みを抱えていると知ってどのように思いましたか?

カキコミの内容もさることながら、生放送中に届いたツイッターの数が360通以上と聞いて、まず驚きました。銀ちょびさん、すずさんの率直な声に促されるようにして、吐き出したい思いや自らの経験が番組に届いたわけで、「つらい思いや複雑で整理しきれない思いは、閉じ込めるのではなく、信頼できる誰かに聞いてもらおう」という臨床心理学の最重要コンセプトが生かされましたね。番組がきっかけとなって、「親の離婚」を語るのは恥ずかしいことではない、自分にとって大事なことなのだ、という意識や行動が生まれることを願っています。むろん、受け手である大人や先輩の「きちんと聞く姿勢」を育てることも大事だと思います。

――カキコミで紹介した方やスタジオゲストのお二人、当事者の方の言葉など、印象に残ったことはありましたか?

番組内でも申しましたが、「あなたのために離婚した」と言われた子どものカキコミが一番気になりました。この言葉を子どもに言うのは絶対にタブーです。わざわざ言わなくても、「僕がもっといい子だったら親は離婚しなかったのではないか」と子どもは考えがちなのです。それは離婚後の厄介ごとの数々までも自分のせいだ、と感じることにつながり、心理的に孤立してしまいます。「親の離婚は、あくまでも親の責任」と割り切って、自分は両方の親から愛される権利がある、と自立した考えが持てるようになって欲しいです。

――最後に、これから親の離婚で悩む子どもが少しでも減っていくために、私たちができることはありますか。

こういった番組が子どもにも親にも広く見てもらえるといいですね。また、ハーグ条約()を批准した現在、日本の特殊性(単独親権)をさまざまな角度から考え、「養育料は要らないから親権をくれ」といった、子どもの権利を無視した離婚が成り立たないような考え方が必要だと思います。

※ハーグ条約とは 国際結婚をしている夫婦が離婚後、一方の親が子どもを連れて国に帰ったとしても、もう一方の親が子どもの返還を申し立てできるというもの。共同親権の考えをベースにできた条約で、子どもにとって離婚後も両方の親と面会する権利を実現するための条約

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