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【出演者インタビュー】荻上チキさん「"回復するためにはどうすればいいのか"という目線を大切に」

2015年10月29日(木)

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9月24日放送(10月1日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
―知ってほしい!境界性パーソナリティ障害―
ご出演の荻上チキさんにメッセージをいただきました。


《荻上チキさんプロフィール》
1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。


――今月からチキさんの新コーナー「チキノめ」が始まりました!今回は「不登校の子どもは今どのような現状におかれているのか!?」と題して、不登校の実態、そしてフリースクールやホームスクーリングを義務教育として認めようという動きがあることを紹介しました。不登校の小中学生は18年連続10万人超えということでしたが、この数字をどのようにご覧になりますか。

まず、多くの人たちは発想の順番が違っていると思うんです。もともと学校というのは、どんな環境に生まれたとしても公教育を受けることによって、社会で生きていくための最低限の力を身に付けることができるための場所です。つまり、教育を受ける権利を満たすためのひとつの場所として、学校というものが作られているんですね。
しかし、いつしか「みんな学校に通うべきだ」という規範がひとり歩きして、「教育を受ける権利を満たすもの」ということが忘れ去られてしまい、つらい思いをしようがなんだろうが、学校に来なくてはいけないんだという抑圧に変わってしまっている。そういう本末転倒なことがいま起きてしまっています。ですから、「学校というのは必ずしもすべての子どもたちに対してベストマッチな選択肢ではないんだ」という前提に立ったうえで、ほかの選択肢も提示していかなくてはいけません。
しかし、未だに「学校神話」というのが根強くて、不登校はいけないことである、ほかの選択肢なんて考えなくていいんだ、学校をとにかく強くするんだ、という発想ばかりなんですね。だけど、いくら多数にマッチするよう作られた学校だとしても、そこに合わない少数の人は必ず出てくるんですよ。だから、段階的にいろんな手段をレパートリーとして用意することが政治や社会のやるべきこと。そうした認識を広く持ち直してほしいですね。


――「チキノめ」のコーナーでは、どんな切り口で福祉をピックアップしていこうと思いますか。

いろいろなデータに注目したいですね。なぜここはデータがとられていないのか。それは関心がまだまだ集まっていないからだという観点で疑問を申し立てたり、ようやくデータが取られた部分に関しては、広く啓発していったり。そうしたコーナーにしていきたいです。

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――そして、今月のメインテーマは境界性パーソナリティ障害についてです。改めて視聴者の方にはどのようなことを伝えたいですか。

境界性パーソナリティ障害は、治療をすれば回復するということ。そして、その後元気に生活している当事者の姿を見て、将来のかたちを悲観しすぎることなく、回復するためにはどうすればいいのかという目線で、日々の情報探しとか、自分を分析する作業などに望んでほしいなと思います。
また番組に寄せられたご意見やつぶやきでは、「テレビでここまで取り上げられているのを初めて見た」という感覚を持った内容も多くて、チエノバらしさを感じました。当事者の方が出演し、掲示板、Twitterなどでの視聴者とのやりとりを通じて、当事者が求めていることを語ってもらうという当事者参加型の番組になっているので、境界性パーソナリティ障害の当事者の方も、そうではない方でも、思ったことを掲示板に書いたりメールを送ったりして、参加してほしいなと思います。

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