本文へジャンプ

生きる力を掘り起こす ~NPO法人「Homedoor」理事長 川口加奈さん~

2014年05月06日(火)

14歳でホームレス問題に出会い、19歳でNPO法人「Homedoor」を立ち上げた川口加奈さん。
去年、ハートネットTV「未来へのアクション」で紹介しました。

2013年5月28日放送 「ホームレスを生み出さない日本へ!」
先日、約1年ぶりに大阪へ川口さんを訪ねました。


「どんな人生を歩んだとしても、どんな人であっても働くこと、ホッとできる場所を作りたい」
そのために、直接ホームレスの人の就労や生活支援をするだけでなく、関心のある市民を募り、ホームレスの人が多い釜ヶ崎地区や周辺の街歩きをしたり、炊き出しに参加したりする啓発活動も行っています。
そのエネルギッシュな活動に、あらためて感服しました!


20140506_yamaken001.jpg
川口加奈さん。ホームレスの“おっちゃん”たちとはフラットな関係だ。
 


ホームレスの人の就労支援の場として作った「HUBchari(ハブチャリ)」。大阪市内で行っているシェアサイクル事業です。この日は、自転車修理(チューブ交換)の勉強会。一つ一つの手順を、みなさん実際に手を動かして確認していました。この「HUBchari」をステップに、区役所での案内業務や、大学病院の清掃業務など、この2年間で約半分の人が、次の仕事に進んだそうです。


20140506_yamaken002.jpg
大阪のオフィス街にあるステーションで勉強会


勉強会に参加していた野口さんに話を聞きました。
若い頃、営業畑を歩んだ野口さん。ところが、仕事上でのミスなどで職を失い、10年間路上生活を送りました。その後ビッグイシューに出会い、先輩の紹介で今年2月から「HUBchari」の仕事を始めたそうです。


野口さんは、ステーションに自転車を借りに来るお客さんとのふれあいで、「自分でも役に立っている」と自信が持てるようになったそうです。『お客さんから「ありがとう」と言われるけど、「こっちこそありがとうや!」と言いたい』と、語気を強めて、うれしそうに話してくれました。

人は、どんな状況でも、何歳になっても、自分の心の拠り所があるかどうかで、生き様を変えられるのでしょう。


20140506_yamaken003.jpg
野口さん、川口さんと。気軽に“おっちゃんたち”が事務所に寄って、川口さんと言葉を交わす


川口さんたちは今、壊れたビニール傘を修理して、市価よりも安く販売するという画期的なプロジェクトも進めようとしています。これからの様々な活動が社会をどう変えていくか、これからも注目していきます!

コメント

働けなくなったらまたホームレスに戻らないといけません。持続可能な援助についてどう考えているのか知りたいです。

投稿:ジョイ 2014年05月25日(日曜日) 20時13分

同じ大学の卒業生のひとりとして、川口さんの活躍には関心があり、また誇りに思っています。
ホームレス問題は本当は社会的に打開すべき課題だと思いますが、現実にはそうはなっていないなかで、正義感と実行力、創意をもった、しかも女子学生が挑んでいるということに、私まで希望と元気をもらっています。ぜひ、こういう若者を取りあげて、応援してほしいものです。

投稿:良生 2014年05月08日(木曜日) 22時57分