クローズアップ現代

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2021年7月5日(月)
カメラが捉えた脅威 緊急報告・熱海土石流

カメラが捉えた脅威 緊急報告・熱海土石流

静岡・熱海市で発生した土石流を緊急取材。安否不明者の捜索活動が続き、いまだ被害の全容が見えない。様々な角度からカメラが捉えた映像、間一髪で土砂を逃れた住民の新証言、専門家による現地分析などから土石流の脅威に迫る。 そして、温暖化の影響が西日本から東日本にまで広がり、今後も土砂災害が相次ぐというデータもあり専門家は警鐘を鳴らしている。突如襲い来る災害から、命を守るには何が必要か考える。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから

出演者

  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

緊急報告・熱海土石流 間一髪…消防団員が語る衝撃

一瞬で地区を押し流した土石流。映像には、ぎりぎりまで住民の避難誘導に当たっていた消防団員の姿が捉えられていました。

熱海市消防団 第4分団 一木航太郎さん
「自分はここの建物の流れてる下にアパートがあって、そのアパートの真裏にいたんですよ」

間一髪、土砂から逃れた地元の消防団員、一木航太郎さんです。

一木航太郎さん
「避難警告をしてたんですけど、もう手遅れという状態でした」

3日の朝10時過ぎ、消防団のLINEに土砂崩れを知らせる一報が届きます。このころは土砂は少なく、まだ道も通れるくらいでした。ところが…。

一木航太郎さん
「消防団の方から、ちょっと土砂が崩れてきたよって。自分たちが向かったときには、もう2回目がきてて、これはやばいぞということで避難してくださいって言ってまわっていたんですけど」

その後、土砂は何度も押し寄せ、猛烈な勢いで家々を押し流していきました。

一木航太郎さん
「本当に間一髪だった。建物がなかったら飲み込まれてた。本当に怖かったです。いつくるか、わからないですね、本当に。死ぬなら、きょうだなと思ってました」

熱海市消防団 第4分団 松本早人班長
「自分が駆けつけたのが、10時50分くらい」

一木さんと共に住民の避難誘導に当たっていた、班長の松本早人さんです。

松本早人班長
「極力自分が見えた人たちは避難させて、あとは第3波、第4波と続いて、土砂がひたすら目の前を流れるのを見てるだけしかできない」

生まれ育った地区に繰り返し押し寄せた、土石流。大量の土砂が目前まで迫り、なすすべがなかったといいます。

松本早人班長
「お子さん連れのお母さんがいて、そのお母さんとお子さんを引き上げて。おばあちゃんがいたんですけど、そのおばあちゃんは間に合わなくて。可能な限り人は助けたい。小さいときからお世話になっている人ばかりなので。寝られないですよね。いろんな人の安否が心配」

カメラが捉えた脅威 住民たちは

熱海市・伊豆山地区で発生した、土石流。10万立方メートルの土砂が町を襲い、上流の斜面から海まで2キロにわたって流れ出ました。

土石流を目撃した男性
「地響きがして、そしたらごー、ていって。道路の方から上から土砂崩れ。ご近所の人が老人を連れてるもんで、一緒に逃げたんですよ、車でね」

自宅が被災した男性
「うちはだめだよ、つぶれた。つぶれちゃったみたい、アパートが」

上流の崩れた斜面から1.5キロの地点。この映像が撮影されたすぐそばで、自宅周辺に取り残された人がいます。

大久保衛さん
「ずっと土石流が上から滝みたいに流れていた」

大久保衛さんです。土石流は、大久保さんの自宅の目の前まで迫っていました。

しかし、自宅の裏は急な斜面になっていて、自力で避難できませんでした。

大久保衛さん
「雨だし、手が震えちゃうし。今まで生きてきて一番怖かったです。そのくらいの恐怖。ちょっとずれていたら、みんな死んじゃうなと思いました」

その後、レスキュー隊が到着。斜面に架けられたはしごを上り難を逃れました。

取材中、大久保さんのもとには、近所に住む人たちの状況を心配する電話がかかっていました。

大久保衛さん
「見つかっていない人がいる。目の前で起こっていることが信じられない。本当に現実かどうか」

甚大な被害を出した、今回の土石流。発災から2日たった今も、懸命の捜索が続いています。

見えてきた被害拡大の"要因"

4日、現地調査に入った関東学院大学の規矩大義(きくひろよし)さんです。これまでの被災現場とは、異なる特徴があることに気が付きました。

関東学院大学 理工学部 規矩大義教授
「これまで過去に起こった土石流被害でも、他の災害とはスケールが違う感じです」

ここは土石流の発生の危険性がある、土石流危険渓流に指定されている場所でした。

規矩さんが注目したのは、流されていた土砂の性質です。

規矩大義教授
「ここら辺は結構泥が多いですが、思いのほか大きな巨石、大きな石や岩は、例えば広島なんかの豪雨被害などに比べると、若干少ないのかなという印象は持ちます」

2018年、西日本豪雨で被災した広島では大きな石や岩が目立っていました。一方、今回の災害では土砂が多く見られたのです。この土砂はどこから来たのか。

上流にさかのぼっていくと、山の斜面が大きく削られていました。規矩さんが最初に崩壊が起きたと指摘するのが、この地点。

ここは、かつては山林に覆われた場所でしたが、2010年以降、ここに土砂が運び込まれ盛られたのです。

静岡県の調査では、今回崩れた土砂のおよそ半分に当たる、5万立方メートルが盛り土だった可能性があるとしています。

規矩大義教授
「盛り土の場合は、岩というより土砂の方が多い。土砂が中心になる。盛り土と言われるものは、崩れやすい。きっかけになって土石流となって流れていくのは、日本中いろんなところにリスクがある」

全国に点在する「盛り土」

こうした盛り土は、近年、全国に広がっていると指摘する専門家がいます。京都大学防災研究所の釜井俊孝さんです。

京都大学 防災研究所 釜井俊孝教授
「実際には都市の中には、リスクの高い斜面や盛り土が身近にあります。事態が悪化するのに、悪化にすら気づいていない人がいっぱいいる」

住宅地の近くで盛り土が崩れたことは、これまでもありました。3年前の西日本豪雨で、京都市で起きた土砂崩れです。住宅地に近い里山の山頂付近。そこに大量の土砂が捨てられ、盛り土となっていました。

盛り土は豪雨によって崩れ、土石流が発生。民家のすぐ近くにまで迫りました。現地を調査した釜井さん。盛り土には欠かせない、排水の管理が不十分だったことが原因の一つだと見ています。

谷を埋めた盛り土には水が集まりやすいため、排水の設備を整えるなどの管理が欠かせません。

ところが、これが不十分だと盛り土の中に水がどんどんたまり、崩れやすくなります。これが一気に崩壊すると、土石流につながるおそれがあるのです。

釜井俊孝教授
「ちゃんと管理されていない盛り土があって、地下水の観測や地下水がどれくらい上がっているか、どれくらいの強度を発揮しているか。それがされていないと問題がある」

今回の熱海では排水の管理は十分だったのか、土はどこから持ち込まれたのか、まだ分かっていません。

今、全国では建設工事に伴って出る残土の処理が問題になっています。生活圏の近くで不法に捨てられる例もあり、注意が必要だと釜井さんはいいます。

釜井俊孝教授
「建設工事で行われる場合に、そういったもの(残土)の捨て場所に困っているのが実態。上流にある盛り土の状況を定期的に見ていく、注意していくことが大事。行政もそういうものに対して、手助けすることが大事」

"長雨蓄積型" 避難の判断が…

発生から2日たっても濁流があふれる、伊豆山地区。

今回の災害で浮かび上がったのは、断続的な雨が長く降り続く「長雨蓄積型」が、人々の避難を難しくさせた現実です。

伊豆山地区に住む、磯﨑孝史さんです。もともと、この地区は土石流発生のおそれがある「土砂災害警戒区域」に指定されていました。警戒していなかったわけではなかったという、磯﨑さん。しかし…。

磯﨑孝史さん
「雨音とかそんなに聞こえなった。いつも通りの生活してて、全然気にしてなかった」

熱海市の降水量を示すグラフです。土石流発生までの直前48時間で、「激しい雨」の目安とされる1時間30ミリは、一度も観測されていませんでした。

その間、強くなったり弱まったりを繰り返した雨。積算降水量は400ミリを超え、平年の7月1か月分にあたる雨が僅か2日で降っていたのです。

その結果、土壌中の水分量から示される土砂災害の危険度は土石流発生の前、「極めて危険」な濃い紫色になっていました。

ところが、集中豪雨ではなかったため住民の危機感は高まらず、自治体も避難指示を出すことはありませんでした。

ふだんと変わらない雨だと避難を考えなかったという、磯﨑さん。母親の健康診断に付き添っていて、九死に一生を得ました。

磯﨑孝史さん
「10時半くらいに土砂で(自宅が)流れたって話を後から聞いたから、たまたま家にいなかったから助かった。近くにいたら怖かったと思います」

専門家が警鐘 「東日本で高まるリスク」

今回のような土砂災害のリスクは、今後、特に東日本で高まるのではないかと考える研究者がいます。

京都大学の中北英一さんは、日本近海の水蒸気の量に注目しています。

京都大学 防災研究所 中北英一所長
「梅雨の集中豪雨。水蒸気がよりたくさん梅雨前線のほうに入ってくることで、東海、関東エリアも増えていくと予測している」

中北さんが、7月における大気中の水蒸気の量を1955年から割り出したシミュレーション結果です。水蒸気が多いことを示す赤い場所に注目すると、2000年代には九州の沿岸に接近。

2010年を過ぎると、この濃い赤は紀伊半島沖まで拡大。このころから九州だけでなく西日本全体に大きな豪雨災害が続くようになります。

そして2020年、赤いエリアはさらに東へ広がりました。シミュレーションは、東日本でも大雨の危険性が高まっていることを示しています。

こうした変化はなぜ起こるのか。中北さんが指摘するのは、海の表面の温度です。1985年以降の7月の海水温です。ピンクや赤の領域は、水温が高いことを示しています。

年を追うごとに北上し、伊豆半島の沖まで近づいていることが分かりました。

中北英一所長
「温暖化で海の温度が高くなると、下のほうの空気(の温度)も高くなって、たくさんの水蒸気を蓄えることができる。それが梅雨のときに流れ込んでいくと予測されている」

ことし7月の伊豆半島沖の海水温は、平年より高いおよそ25度になっていました。海水が絶え間ない水蒸気の供給源となって、熱海の上空に多量の雨をもたらしたのです。

今回の災害のように大雨がもたらすリスクは、東日本共通のものになると中北さんは警鐘を鳴らしています。

中北さんのシミュレーションでは、大量の水蒸気の範囲は今後、東日本全体に広がります。これまで東日本は大雨の頻度が西日本に比べると少なかったため、より警戒が必要になるといいます。

中北英一所長
「今まで西日本でそういう悲惨なものが起こってきたが、とうとう関東、東のほうでも起こりだすようになっている印象は持った。もともと西に比べて崩壊等が起こっていなかったわけですから、地面に土砂がたまっていることを考えると、より西に比べて同じ雨が降った場合、土砂崩壊、ひいては人が住んでいると災害になる可能性が高くなる」

現地から最新報告・熱海土石流

井上(静岡・熱海中継):静岡県・熱海市土石流の現場です。手前に見えている橋の欄干、なぎ倒された住宅がひっかかったままとなっています。

このすぐ上に東海道線がありまして、うっすらと電柱が見えていますが、大量の土砂はこの上から川を下って海にまで流れ出ました。日中、この場所で取材をしていましたけど、その際はこうした大型の車両、この手前までしか入ることはできませんでした。土砂が徐々に撤去され、今はあの奥まで入ることができています。

きょうは24時間、夜通しでこうした撤去が行われるということです。
住民の皆さんに話を聞く中で今回、避難を難しくした要因がいくつか見えてきました。まずは皆さん、一様に今回の災害なのですが、過去に土砂災害がなかったために「頭になかった」、「想像していなかった」という声が多かったのです。
その上でこの地域の特性として、高齢者の方が多く暮らしていまして、急峻な坂だったり階段が非常に多くあります。雨の中で、自力での避難が非常に困難だった方もいました。また、市の防災無線も雨音で聞こえなかったり、このほど始まった5段階の避難情報、これについても「そもそも認識していなかった」という方がほとんどでした。そうした情報伝達のあり方も、今後の検証の課題として入りそうです。
お話を聞く中で印象的だったのが、土石流に巻き込まれて助かった20代の女性の話です。発生から3日が立ちますが、避難先の窓を開けたときに風に乗って土砂のにおいが伝わってきたと。そのときに、あのときのことを思い出してしまって食事ものどを通らなかったということで、この避難生活、そして不安定な天候、この地元に重く改めてのしかかっていることを感じました。

保里:では、社会部・災害担当の島川デスクとお伝えしていきます。この梅雨末期で起きる豪雨について、去年は熊本で線状降水帯が発生して、短期間で大量の雨が降って被害が起きたわけですが、今回は短時間に集中して降る雨ではなかった。「長雨蓄積型」だったという指摘があります。この危険性について今、認識すべきことはどんなことでしょうか。

島川英介デスク(社会部・災害担当記者)この「長雨蓄積型」ということば、私は3年前の西日本豪雨を取材する中で聞いて、非常に印象に残っていたのです。
発生前日の今月2日、私はこの放送センターで気象レーダーを見ていて、非常に危機感を強めたわけです。それは、気象庁の当初の雨雲の予想は静岡から北へ次第に上がっていくということだったのですが、未明になっても静岡県周辺にとどまり続けて、さらに強さを増したということなのです。
ただ1時間の雨量で見ますと、強いのは西側で、熱海周辺というのはさほど多くなかったわけです。この10ミリや20ミリの雨というのは、住民の方にとってみると、いわば経験した雨といえます。ですから、今がこのときだという、避難の決断をするのはやはり難しかったのではないかと思っています。これは市も同様だと思います。
ただ一方で、住宅に土石流が押し寄せる前にはいくつか前兆だと言われるような情報も入っていたようです。ですから、こういった情報を生かせなかったかということの検証は必要だと思います。
先ほどもありましたように近年、熊本ですとか、九州北部豪雨ですとか、線状降水帯ですね、注目を集めました。気象庁もその情報、顕著な雨に関する情報を、ことしから出すようにしました。ただ今回の災害、短時間の大雨でなかったとしても総雨量によって甚大な被害が起こり得るということを示しています。これは情報を伝える私たちにとっても危機感をどう伝えるのか、大きな課題だと感じています。

保里:課題が見えてきている中で、梅雨前線は本州付近に停滞を続ける見込みとなっています。まだリスクが続いていくということですね。

島川:そうですね。今のところ言えるのは、10日ごろにかけて長い間しばらく警戒が必要だということです。
ご覧いただいているのは、7日にかけての予想雨量になります。左側は、あすにかけて。右側は、あすからあさってにかけてということですが、北陸ですとか、中国地方、いわゆる日本海側では総雨量がかなり多くなるおそれがあります。

また情報は変わっていきますので、最新の予想ですとか、雨の降り方にぜひ警戒していただきたいと思います。

保里:そして、今回指摘されているのが「盛り土」です。経緯について、今どれぐらいのことが分かっているのでしょうか。

島川:国土交通省によりますと、この盛り土、土を運び出すための届け出が熱海市に対してされていた場所だということが分かっています。
平成19年に、市に対して土を運び込んだり木を伐採したりするという届け出が業者から出されていました。ただ、何のために運び込まれたのか。それから、どこから持ち込まれたのかということはまだ分かっていないということです。
また、この盛り土がどのように今回の被害に影響したのかというのは、まだ詳しくは分かっていませんが、専門家はこの崩れた斜面を分析したところ、盛り土で地下水の流れが塞がれて、大量の雨で水圧が高まり、土砂を押し出したおそれがあると分析をしています。
今回の災害を検証する上で、極めて重要な課題だと思います。

保里:盛り土を行う際というのは、安全対策を含めて、国や自治体で何らかの規制というのはあるのでしょうか。

島川:宅地に盛り土をする場合は、災害を防ぐために法律で排水路を造るということが求められています。
ただ残土、特に建設残土ですね。こういったものは一律として決められているものはなく、自治体が条例で規制をしているということです。中には排水路等が整備されず、崩落事故なども相次いでいるのが実情です。ですので、工事の途中でも必要があれば作業を禁止できるような条例にしたところもあります。
今後、熱海市の状況がどうだったのかを調べると共に、全国に今回の熱海市のような事例というのがどの程度あるのかなど調査は必要だ感じます。

保里:では、再び現場から井上キャスターが伝えます。

井上:現場には地元消防団で班長を務めている、松本さんに来ていただきました。大変な中、ありがとうございます。きょうも松本さんは日中、捜索活動の後方支援をされていましたが、実際、規制線の先、どういう難しさがあるのでしょうか。

熱海市消防団 第4分団 班長 松本早人さん:ここは大型の重機とかダンプとか機械が入ってやっているのですが、自分が中腹でやっている場所はもともとの道が狭くて、重機が入れないので全部手作業で、自衛隊の方や消防の方、警察の方が一生懸命やってもらっている状態です。けれどもやはり手作業で、作業が進まないというところです。

井上:泥もかなり水分を含んでいますよね。

松本さん:すごく重たい泥で、また結構深い場所もあるのでとても大変だと思います。

井上:そして所在が不明な方々、この数も変動していますが、熱海市は別荘がたくさんあるので、そういった居住の確認の難しさがあるということなのですが、実際の捜索にはどういう影響があるのでしょうか。

松本さん:今も救助を待っている方がいると思うのですが、その方々が何人いるのか。正確な人数が把握できないのが大変で、目の前の人を捜すという状況です。

井上:コロナ禍での災害ということで、地元にとってどういうことが心配ですか。

松本さん:今は人命救助が最優先なのですが、この観光地の伊豆山で今後どういうふうに復興させていくかが、このあとの目標だと思います。

井上:そして松本さん自身も顔見知りの方々、なかなか連絡が取れていないということで、そういった方々にはどういう思いを寄せているのでしょうか。

松本さん:早く救助してあげたいというのが一番で、本当に自分の身内もいるかもしれないので早く助けてあげたいです。

井上:その中でも支援も届いてはいるのですね。

松本さん:自分の仲間で、伊東とか熱海の仲間とか、支援をいただいて本当に助かってます。

井上:最後に今、何をいちばん願いますか。

松本さん:1人でも救助して、見えないゴールに向かってひたすら救助を続けていくだけです。

井上:きょうは本当に大変な中、ありがとうございました。現場から中継でお伝えしました。

命を守るために何が必要か

保里:今回の土石流が起きた現場は、「土砂災害警戒区域」にありました。全国には、150万戸がこうした区域にあるというデータもあります。

今回のこの災害を、全国的に自分ごととして捉えないといけないということですね。

島川:斜面の多い日本ですから、こういった区域に住宅があること自体、これはもうやむをえないことだと思います。ただ、新しい宅地では地形が変わってしまって、どのようなリスクがあるのか住んでいる方も分かりにくい現状があると思うのです。ですから地図ですとか、ハザードマップ、こういったものを見て、ここには土石流が起こり得るのか、それとも崖崩れが起こり得るのか、起こり得る災害を知っていただいて、必要な対策をあらかじめ決めておくことが必要だと思います。

保里:ご自宅、そして周辺もどのようなリスクがあるのかを把握することが必要ですね。そして今回取材した皆さん、「想像していなかった」というふうに話していたということですが、今週いっぱい、全国的に雨が続く予報となっています。命を守るために何が必要でしょうか。

島川:まず土砂災害で言いますと、土砂災害の危険度を見ていただきたいと思います。気象庁のホームページですとか、NHKのニュース・防災アプリでも確認していただくことができますので、もし離れた場所にご家族が住まわれている場合、避難の必要があると感じられたらぜひ直接お電話をするなりして、呼びかけていただきたいと思います。
避難をして災害が起きなかったことを「空振り」と言いますけど、20回避難して21回目で助かるといった方が実際にいらっしゃいます。この避難を空振りではなくて「素振り」と考えて、積極的に命を守る行動に移していただきたいと思います。

保里:命を守るための「素振り」、これは命を守るために大切な必要な行動です。ご自身や周りの大切な方を守るために、命を守るための行動をどうか続けてください。