クローズアップ現代

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2020年10月15日(木)
国民負担に!? 16兆円超 巨大原子力政策の行方

国民負担に!? 16兆円超 巨大原子力政策の行方

事業費16兆円超。原発の使用済燃料からプルトニウムを取り出し再利用する国策「核燃料サイクル」。昭和30年代に構想が持ち上がってから半世紀あまり、7月末に青森県六ヶ所村の再処理工場が原子力規制委員会の安全審査に“合格”し、今月には燃料製造工場に事実上の“合格”が出された。巨大事業がいよいよ動き出そうとしている。しかし、専門家や電力関係者への独自取材から、国民に残しかねない“ツケ”の大きさがわかってきた。トラブルなどが相次ぎ、当初の予定から20年以上も完成が遅れる中で膨れ上がったコスト。また完成しても、原発の再稼働が進まない中、再利用するはずの核燃料が行き場を失い、さらに無駄が生まれるおそれもあるのだ。事業を巡っては、電力事業者の中で知られざるやりとりがあったことも明らかになってきた。このまま突き進むとどうなるのか。最後は国民の負担につながることになる巨大国策事業の行方を徹底検証する。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから ⇒https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/WV5PLY8R43/

出演者

  • NHK記者
  • 武田真一 (キャスター)

独自 事業費16兆円 “幻”の見直し

武田:半世紀前にスタートした原子力を巡る巨大国家プロジェクトをこのまま進めるのか。私たちの電気料金にも関わる新たな事実が明らかになりました。

今週、始まったエネルギー基本計画の見直し。日本のエネルギー政策の今後を左右する重要な議論です。

梶山経済産業相
「我が国のエネルギー政策は今、重要な岐路に立たされています。」

その中で、構想から実に半世紀以上を経て、本格的に動きだそうとしているプロジェクトがあります。原子力発電所で使い終わった核燃料を再利用する核燃料サイクル。総事業費は、少なくとも16兆円にも上る巨大国家事業です。この政策を巡り、6年前、事業の中核を担う東京電力が水面下である議論を行っていたことが、NHKの独自取材で分かりました。一部の幹部から、この事業を担いきれないのではないかという問題が提起されていたのです。

当時の東電幹部の発言(議事に関する社内資料より)
“サイクルを推進することありきでの議論となっているが、本当に推進する必要はあるのか。”

東電関係者の証言(取材メモより)
“執行側にとってみれば「寝た子を起こすな」という心境だっただろう。”

東京電力福島第一原発の事故で、事業を取り巻く環境が大きく変わる中で提起された議論。しかし、事業を継続する方針が変わることはありませんでした。

東電元幹部の証言(取材メモより)
“そもそも国策として進めている事業でいち民間企業がそれを変える、変えないと決める立場にない。”

東電関係者の証言(取材メモより)
“あのとき、原子力事業を改革する大きなチャンスを失った。”

専門家は、この議論には、今こそ国全体で考えるべき重要な内容が含まれていると指摘します。

専門家
「電力会社の中の議論だとしても、最終的な負担は国民が負うことになるので、もう一度核燃料サイクルの合理性や選択肢について議論するいい機会。」

私たちの電気料金を元手に進む、核燃料サイクル。明らかになった新事実から日本の原子力政策の今後を考えます。

巨大国家プロジェクトの行方は

武田:化石燃料の乏しい日本で、エネルギーの自立を実現するために昭和30年代に構想された、核燃料サイクルについて説明します。原発では、発電に伴って使い終わった核燃料が出てきます。この中には、プルトニウムなどばく大なエネルギーを持つ核物質が残ります。これを再利用しようという構想なんです。特別な工場で「再処理」という化学的な処理を施してプルトニウムを取り出し、別の工場で「MOX燃料」という燃料に加工して原発で再利用する。つまり、リサイクルすることで、自国内でエネルギーを確保しようというわけなんです。

青森県六ヶ所村にある再処理工場は今年(2020年)7月に原子力規制委員会の審査に合格。燃料工場も今月(10月)事実上の合格が出され、2年後の完成に向けて大きく動き出しました。この2つの工場だけでも、40年間で総事業費およそ16兆円の巨大プロジェクトなんです。
一方、構想が始まった当時とは状況は大きく変わっています。2011年には、福島第一原発の事故が起きて、原子力への信頼が揺らぎました。2016年には、核燃料サイクルの中核として開発されていた高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決定。サイクル政策のほころびが表面化してきました。まさに、この最中の2014年。業界のリーダー東京電力の内部で、サイクル事業を担い続けることに疑問の声が上がったのです。

“国策民営” 六ヶ所村を変えた日本原燃

青森県六ヶ所村。広大な敷地で建設が進むのが、核燃料サイクルの施設です。

運営に当たるのが、日本原燃。国の方針のもと、東京電力を初めとした電力会社が出資して、国策民営の事業を担っています。従業員はおよそ3,000人。40年前に前身の会社ができてから、この村の景色は一変しました。会社の施設のほかにも、温水プールや温泉施設なども建設され、村の経済を支えています。
この夏、使用済み核燃料の再処理工場が国の審査に合格し、2年後に完成する計画です。

新事実 東京電力 水面下の問題提起

日本原燃に最も多く出資してきたのが、東京電力です。今回、NHKの取材で、サイクル事業を続けていけるのか、2014年に水面下で議論が行われていたことが分かりました。
きっかけは、2011年の東京電力福島第一原発の事故でした。東京電力は、事故の処理や賠償など、財務的な負担が増え続けていました。経営を立て直すために招かれたのが、社外取締役。複数の関係者によると業界の外から来たこの取締役たちが、サイクル事業にかかる巨額の費用を問題視したのです。議論の発端となったのは、2014年1月の取締役会。毎年行っている日本原燃との契約更改に疑問が呈されました。

(再現)

「きょうの議題は日本原燃株式会社との再処理契約の更改についてでございます。」

東京電力が日本原燃に支払う金額が今後、数百億円増えると報告されたのです。追加の安全対策工事などが理由でした。しかし、社外取締役は納得せず、この日、契約更改は決まりませんでした。極めて異例のことだったといいます。

東電関係者の証言(取材メモより)
“それまでは原燃に払う費用が増えても仕方ないで済ませてきた。”

“執行側にとってみれば寝た子を起こすなという心境だっただろう。”

日本原燃の再処理工場の建設が始まったのは、1993年。7年後に完成するはずでした。ところが、使用済み核燃料を貯蔵するプールからの水漏れや、放射性廃液を扱う設備の不具合など、トラブルが頻発。この議論が始まったときまでに、すでに21回も完成を延期。建設にかかる費用も大幅に膨れ上がっていました。

このまま事業を継続することは可能なのか。東京電力は、当時の日本原燃の社長を呼び出すという異例の対応をとります。日本原燃の社長は、再処理工場の完成時期など、事業の見通しは立ったと説明していました。しかし…。

東電元幹部の証言(取材メモより)
“社長の話を聞いても危ういと思った。何度も延期を繰り返していて見通しを聞いても信用できなかった。”

さらに当時は、家庭向けの電力自由化が行われる直前。電力業界は大きな変革期にありました。その中で、事業を巡る詳細なコストの試算も改めて行われました。その1つが、燃料工場で作る「MOX燃料」について。一般の核燃料の価格と比べ、5倍程度になるという結果だったといいます。元経営幹部の1人は核燃料サイクルはとても民間企業で担える事業ではないと感じたといいます。

東電元幹部の証言(取材メモより)
“動かないものに多額の費用を出していたら、株主に説明がつかない。再処理工場の問題に向き合わないのはおかしい。”

原発事故を踏まえた指摘も出されました。

当時の東電幹部の証言(議事に関する社内資料より)
“原燃サイクルに投下するリソースを福島第一原発の廃炉へ振り分ける方がよい”

サイクル見直し “現実的でない”の声

サイクル事業に対する社外取締役からの問題提起。これに対し、東京電力の内部では、現実的ではないという声が大勢でした。

東電元幹部の証言(取材メモより)
“施設がある青森県との約束がある。これは大きい。業界の共通認識でもある。”

全国の原発で使い終わった核燃料は再利用するという前提で、すでに青森県にある日本原燃に運び込まれています。その量、およそ3,000トン。青森県と日本原燃の間では、もし核燃料サイクルができなくなった場合には、この使用済み核燃料を全国の原発に送り返す取り決めを結んでいます。
実際に、民主党政権が核燃料サイクルの見直しの議論を進めようとしたとき、青森県の三村知事がくぎを刺したこともありました。

青森県 三村知事
「約束と違うことが起こってはいけない。私ども、ごみ捨て場ではない。」

仮に使用済み核燃料が各地に送り返されると、いずれ貯蔵スペースがいっぱいになり、原発が運転できなくなるおそれがありました。

当時の東電幹部の発言(議事録より)
“日本原燃のサイクル事業が停滞すると日本の原子力発電事業が止まる。”

核燃料サイクル維持へ 動いていた国

東京電力の内部で波紋を広げた議論。経済産業省はこのとき、新たな枠組みを作ることで核燃料サイクルを維持しようとしていました。電力の自由化で競争にさらされた電力会社が、費用を負担できなくなる事態を防ごうとしたのです。
それまで、日本原燃の運営は電力会社が積み立てる資金などで賄われていましたが、そこに法的な強制力はありませんでした。そこで認可法人を設け、日本原燃の運営に国が責任を持った上で電力会社が資金を拠出することを義務付けたのです。

当時の経済産業省の幹部は、この制度の導入について、こう答えています。

経産省元幹部の証言(取材メモより)
“電力各社から核燃料サイクルについての相談はずっとあったが、こうしたエネルギーを確保しておくことは意味がある。国と民間がそれぞれどこまで背負うかを調整する必要があった。”

東京電力も、将来にわたってエネルギーを供給するためには核燃料サイクルが必要であり、経済性だけでは計れないとして、事業継続の方針が変わることはありませんでした。最初の議論から数年の間に、社外取締役は退任していきました。議論の後も再処理工場の完成は延期され、燃料工場とあわせた総事業費は16兆円に上る見通しになりました。その元手となっているのは、私たちの電気料金です。
国の原子力委員会で委員長代理を務めていた、長崎大学の鈴木達治郎教授です。再処理工場が動き出そうとする今こそ、政策のあり方について議論することが重要だと指摘しています。

原子力委員会 元委員長代理 長崎大学 鈴木達治郎教授
「当事者の間でも核燃料サイクルの経済性や合理性について明確に疑問があがっていた。その事実が出てきたことは大事なこと。もう一度、核燃料サイクルの合理性や選択肢について議論するいい機会。」

巨大事業核燃料サイクルの課題。このあと、さらに深く掘り下げていきます。

巨大事業 核燃料サイクルの課題は?

武田:取材にあたった、科学文化部の重田記者に聞きます。
国策の事業といえば、動き出したら止まらないとも言われるわけですが、東京電力の社外取締役からの「民間ではサイクル事業を担いきれない」という問題提起。これはもしかしたら立ち止まるきっかけになっていたかもしれないということなんですね。

重田八輝記者(科学文化部):サイクル事業を担いきれないのではないかという問題提起の理由として挙げられたのは、以下の3つにあります。まずは、動かないのに膨らみ続ける再処理の事業費にありました。工場が何度も延期したことを疑問視したこともありました。そして、電力自由化です。他社との競争環境に置かれ、これまで以上にコスト意識を持たざるを得なかったということもありました。そして、福島第一原発の事故への対応です。つまり、サイクル事業を巡る環境は大きく変わる中で、民間企業として事業の是非を検討すべきではなかったのかという指摘でした。しかし、国が認可法人を立ち上げて政策が堅持される中、東京電力としてはこの事業に協力する方針は変わらなかったんです。

改めて、会社の方針を取材したところ、原子燃料サイクルの実現に向けて、主体的に取り組んでいくとの回答がありました。

武田:ただ、さまざまな課題が指摘されながら、国はなぜこの事業を進めようとしているんでしょうか?

重田記者:経済産業省に取材しました。まずは、エネルギーの安全保障です。化石燃料などのエネルギー資源に乏しい日本では、長期的な視点でエネルギーの選択肢を確保しておく必要があるといいます。使用済み核燃料もリサイクルして有効に使おうというものです。また、放射性廃棄物の量を減らすという目的もあるということです。再処理で高レベル放射性廃棄物の量を減らし、最終処分場に必要な土地を少なくしようなどのメリットもあるということです。そして最後、原発から出る使用済み核燃料の問題もあります。すでに全国の原発では、貯蔵プールが埋まり始めています。再処理工場が動くことで、こうした問題に対応できるという現実的な理由も大きくなっています。

経済産業省の梶山大臣は今週の会見で、政策の意義について次のように話しています。

梶山経済産業相
「原子力発電を利用する以上、使用済み燃料が発生いたします。これ現実に半世紀以上動かして、各サイト(原発)、総量でいうと8割近い使用済み燃料置き場が埋まっている現実がある。わが国は高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度の低減、資源の有効活用のメリットがあることから、核燃料サイクル政策を推進していくのが今の考え方です。」

重田記者:このように国は、政策を引き続き堅持する考えです。国の関係者は「経済性だけでは判断できるものではない」と話していました。また、この政策は関係する事業がリサイクルという輪っかでつながっています。つまり、一か所に何か不透明なことが起きてしまうと、そのほかの部分にも影響しかねない状況になってしまうんです。ある意味、ストップのかけづらい政策とも言えます。

武田:立ち止まる機会がありながらも、さまざまな理由で続くことになった核燃料サイクル。日本原燃は、2022年に再処理工場を完成するとしています。しかし、取材を進めていきますと、サイクル事業を進める上での前提が崩れ、政策の合理性がますます揺らぐ事態が見えてきました。

完成しても…揺らぐ政策の合理性

再来年(2022年)の再処理工場の完成を目指す、日本原燃。安全対策のために7,000億円の追加費用をかけた工事が急ピッチで進められています。東京電力出身の増田社長は、操業に向けた決意を新たにしています。

日本原燃 増田社長
「今回作った工程は、今までとはレベルの違う確度で作ったつもりですので、しっかり計画通り守っていきます。」

しかし、操業の準備が順調に進んでも、核燃料サイクル事業はさまざまな困難に直面することが分かってきました。
今年5月、日本原燃が示した再処理工場の事業計画です。この時点で操業開始から5年でフル稼働。年800トンの使用済み核燃料を再処理するとしていました。

ここから生みだされるプルトニウムは、およそ7トン。これは原爆800発以上に相当する量です。原発事故前の電力業界の計画では、全国16〜18基の原発で「MOX燃料」を使うことで、年7トンのプルトニウムも十分消費できるとしていました。しかし、原発事故のあとに規制基準は厳しくなりました。今、「MOX燃料」を利用できる原発は4基にとどまっています。計画どおり再処理すると大量のプルトニウムが消費しきれず、たまることになるのです。

鈴木教授
「核兵器の材料でもありますので、国際安全保障上、非常に大きな問題となっていると。外交政策としても非常に重要な課題ですので、これもしっかり議論していただきたい。」

この安全保障上の問題を強く警戒したのが、アメリカです。外交・安全保障政策に関わった元政府高官が、公の場で繰り返し苦言を呈していたのです。

国家安全保障会議 元上級部長
「核兵器にも転用できる核物質をどう利用するのか、日本政府と話し合う必要がある。」

NHKの取材に対して、アメリカの政府関係者は懸念の理由について、ほかの国への影響を挙げました。

アメリカ政府関係者
「日本がプルトニウムを増やしているのだから、私たちも持っていいはずだ。そう言い出す国が出てくるかもしれない。」

アメリカの懸念は、中東など緊張状態の続く地域で、日本を前例にプルトニウムを持とうとする動きが広がることでした。

アメリカ政府関係者
「プルトニウムを増やすのではなく、減らさなければならない。そのメッセージをアメリカと日本は世界に広めるべきである。」

こうした考えを踏まえ、日本政府は、稼働している原発で使う量しか再処理しないことを決めました。それはつまり、サイクル事業の前提としていたフル稼働が、現状ではできないことを意味します。
フル稼働できないとすると、サイクル事業の合理性がますます損なわれると指摘するのが、龍谷大学、大島堅一教授です。

龍谷大学 大島堅一教授
「経済的に見ると非常に合理的とは言えないようなものになっている。」

大島教授は、公開資料から再処理工場の事業費の内訳を分析しました。例えば人件費・委託費は、設備の安全維持のため、大きく減らすことは難しいといいます。コストカットしづらいと見られる項目は9割近く。稼働率が下がっても、多額の費用は必要で、経済性がさらに低下するのです。

大島教授
「エネルギー安全保障の核となる技術として、今まで議論されてきている。見返りとして、非常に高くつくということが、もう事前に分かってるというふうに言えるんじゃないでしょうか。本当にこのまま進んでいいのかどうか、改めて考えた方がいいんじゃないかと。」

揺らぐ核燃料サイクル。今後どう考えていけばいいのか、さらに掘り下げます。

揺らぐ核燃料サイクル 今後どう考える?

武田:つまり、再処理工場が完成しても、プルトニウムを十分に再利用できないおそれがあるということなんですね。そうしますと、核燃料サイクルというのは、やはり先が見通せないと言わざるを得ないということですよね。

重田記者:現在、「MOX燃料」を使うことができる原発は4基あります。あと4基が追加する可能性はありますが、動く時期というのはまだ決まっていません。つまり、このサイクルの輪はあまり回らない状況が続いていくとも言えます。

武田:では、ほかにどういう選択肢があるのかということなんですが、それがこの「直接処分」。これはどういうことなんでしょうか?

重田記者:「直接処分」というのは、原発から出た使用済み核燃料をそのまま地中深くに処分する方法です。

武田:使用済みの核燃料を再処理に回すのではなく、直接埋めてしまおうということなんですね。

重田記者:この「直接処分」では、サイクルにかかるこうした施設をつくる必要がありません。このため、コストを大幅に下げられるのではないかというメリットがあります。ただ、デメリットもあります。再処理を行った場合に比べて、高レベル放射性廃棄物の量が多く残ってしまうという点です。
この「直接処分」、海外では選択している国もあります。一方、日本は一部研究は行われていますが、これまで十分に議論されてきたかというと、十分ではないと言えます。いずれにしても、選択肢を考えるということは重要だと思います。そのためには、十分な情報公開が欠かせないと思います。それぞれの選択肢のメリット・デメリット、また、国民負担が一体どれぐらいになるのか、といった必要な情報が十分に提供されていないという専門家からの声も上がっています。国と電力会社には丁寧な情報の提供が求められていると思います。

武田:国のエネルギー基本計画の見直しに向けた議論が今週始まりました。原子力発電をどう位置づけるかも焦点となるわけですけれども、どんな議論が求められるんでしょうか?

重田記者:この核燃料サイクルなんですが、構想が立ち上がったのは昭和30年代です。そして今は令和の時代です。この間、福島第一原発の事故や、高速増殖炉もんじゅの廃炉など環境は大きく変化しました。もちろん、どの選択肢も長所と短所があり、簡単に答えが出る問題ではありません。だからこそ、サイクル政策が動き出そうとしている今、国民的な議論を進めることが必要ではないかと思います。

武田:この核燃料サイクルをどうしていくのか。私たちにとって一見遠い、非常に難しいテーマのように感じられるわけですけれども、原子力発電を含めた電力をどう確保していくのか、これはまさに暮らしに直結した問題です。これから始まる国の議論を関心を持って見ていきたいと思います。