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2019年6月12日(水)

“ノープラ生活”やってみた プラスチックごみ削減の挑戦

“ノープラ生活”やってみた プラスチックごみ削減の挑戦

当事者視点で問題解決の糸口を考えるシリーズ。今回は、プラスチックを使わない“ノープラ”生活だ。年間800万トンが海洋に流出し、汚染が深刻化しているプラスチックごみ問題。今月のG20大阪サミットの主要議題にもなり関心が高まっている。日本は1人当たりの排出量、輸出量ともに世界ワースト2位。なぜこれほど多くのプラごみを出すのか、汚名返上には何が必要か。それを明らかにするためディレクターが“ノープラ”生活に挑む。先進的な取り組みを行う先達たちを取材して代替策も模索。EUなどがリサイクルを超え、一部使用禁止にも踏み込むなか、日本が取るべき対策を探り、便利さと環境負荷のバランスを考える。

出演者

  • 石井光太さん (作家)
  • 宮田裕章さん (慶應義塾大学教授)
  • 武田真一 (キャスター) 、 高山哲哉 (アナウンサー)

ノープラ生活やってみた!めざせプラごみ減

池上ディレクター、32歳。プラスチックが含まれているものを一切使わない、ノープラ生活に挑戦します。
まず、目についたのが水回り。歯ブラシ、歯磨き粉、シャンプーの入れ物、お風呂の桶や、ナイロンタオルまで全部プラスチック。

池上ディレクター
「電子レンジのこの部分がプラスチックです。」

家電製品のボディーのほとんどがプラスチック製。

池上ディレクター
「プラモデル、趣味なんですけど。」

10年来の趣味というプラモデルとも、当然ながらお別れ。さらにこんな意外な所にも…。

池上ディレクター
「ポリウレタン7%。おしい。」

なぜか、ほとんどの衣類にも、数%だけプラスチックが混ざっていました。

池上ディレクター
「パンツ2枚にシャツ5枚が残りました。」

今回、ディレクターの家から出たプラスチックを含んだ製品は合計500点以上。生活の至る所でプラスチックに支えられていたことが改めて分かりました。

池上ディレクター
「家の中、すっからかんになりました。電気もありません。」

最後に、銀行カードや免許証、スマートフォンなどの貴重品を、先輩ディレクターに預けます。

先輩ディレクター
「なくなって一番ショックなのは何ですか?」

池上ディレクター
「メガネです。これがないと何もできない。」

この日から放送までの3週間、日の出とともに起き、日没とともに寝る、ノープラ生活が始まりました。

池上ディレクター
「布団がないので自作しました。寝心地は悪くはないですが、体はちょっと痛いです。」

この日はプラスチックが使われていない代替品を探しに街へ。まず向かったのは…。

池上ディレクター
「フレームもレンズも含めて、プラスチックじゃないものを探しています。」

店員
「ちょっと何日かかかっちゃいます、ガラスだと。」

80年代まで主流だったガラスレンズは、安全性の面からプラスチックに置き換えられ、今では在庫を常備していないのだといいます。

店員
「今流れはプラスチックだから、プラスチックのほうにどんどん投資するんで、レンズのクオリティもどんどんプラスチックが上がってきているんで。」

3日目。この日は食材を探しに街へ。ところが、深刻な事態が…。

池上ディレクター
「全部包装されていて、買うのが難しいです。」

その後、スーパー2軒、コンビニも歩き回りましたが、どこも同じ。魚や肉にはプラスチックトレー。野菜には透明なフィルムがかかっていました。

池上ディレクター
「冗談抜きで、ひとつも買えないですね。まじか、全部買えない。」

それにしても、なぜこれほどプラスチックの包装容器が広まったのか。その歴史に詳しい専門家に話を聞きました。

神戸大学 名誉教授 石川雅紀さん
「安いということと、もうひとつ言うと、他のものではできないことができる。」

石川さんは、形や硬さを自由に変えられ、熱や水にも強い、多彩な機能を持つプラスチックは、社会のニーズに合わせて進化を続けてきたと指摘します。

石川さん
「賞味期限を見ていただくと、来年3月。これは相当特別なフィルムなんです。紫外線を防ぐ、酸素はだいたいよくないので通さないとか。」

特に、文字やデザインで情報を表示させる機能には、小売り業界を変えるほどのインパクトがあったといいます。

石川さん
「コンビニとかスーパーだと、説明してくれる人がいませんから、この商品自身が自分を売り込まないといけないんで。みそを買いに来た人に、ここにありますと、まず分からないといけなくて。おいしいみそです、こういうみそですって、全部分からないと手に取っていただけない。」

従来、販売員が行っていた宣伝や、商品説明の仕事はプラスチックの包装容器に置き換わり、スーパーやコンビニなど、量販店の台頭を支えてきました。消費者も企業も、便利で効率的な経済を選んだ結果が、現在のプラスチック社会を作ったといいます。

高山:こうさせているのは僕らなんだっていうことが分かっちゃって。じゃぁ、どうすればいいんだろうと。

食事抜きのピンチに陥ったディレクター。個人商店で思わぬ救いの手が差し伸べられました。

「いまどき、これ知ってます?」

「経木っていうんです。昔はお肉屋さんもたぶんこれだった。」

「経木」という木製のトレーで、マグロの刺身を購入。

さらに、昭和2年創業という青果店では…。

店員
「こういうのは、そのまんまで、新聞紙にくるんだりするんだよね、昔は。」

およそ40年前まではこうしてなんでも新聞紙に包んで売っていたそうです。

店員
「(プラスチックだと)長持ちするじゃない。傷もつきにくいとかってね。日本の人って傷がついたものって、あんまり買わなくなったじゃない。」
「頑張れ、難しいよ。」

4日目。歯ブラシや洗剤など、衛生用品が全く手に入らないことがストレスになっていました。

家に帰ったら、使いかけのせっけんで洗濯。

池上ディレクター
「下着、ほとんどないので、これが日課です。」
「今日はこの布巾で、歯を磨きたいと思います。ちゃんと歯を磨きたいです。」

早くもノープラ生活に限界を感じていました。

武田:大変そうでしたけれど、商店街の皆さん、本当に応援ありがとうございます。ただ、このチャレンジのきっかけになったプラスチックごみ問題、深刻なんですよね。

高山:我々が3週間で出すごみの量は1.8キログラム。結構な量ですよね。

日本人1人当たりの排出量で見ると、年間32キログラム。これは、アメリカに次ぐ世界第2位なんです。

専門家は「日本は過剰包装が影響してるんじゃないか」と見ているんです。このまま放置しておくと、2050年には、海の中の魚よりもプラスチックのごみのほうが上回るという予測ですとか、あるいは大気中に微細なプラスチックが含まれているという衝撃の報告も出始めているんです。

ゲスト 石井光太さん(作家)

武田:VTRの中で「店員さんの代わりに商品が自分で自分をアピールするためにプラスチック包装が普及したんだ」という話がありましたけれども、社会の効率化のつけを払わされているのかなという気がしました。

石井さん:池上ディレクターを見ていて、脱プラをやって野生化したなっていうイメージがあったんですね。どういうことかというと、恐らくプラスチックというものを手に入れたおかげで、店に行っても人と接しなくて済む、店員さんから説明を聞かなくても済むという便利さを得たんですよね。でもそれによって、人情味みたいなものがどんどんなくなってしまった。だからこそ、今回、池上ディレクターが脱プラをやった時に、人と出会ったり、食べ物を求めて探して歩いたり、その中で人との温かみを感じたり、野生化していくという、つまり、いい意味で人間らしくいっていったかなというふうに思うんです。そう考えると、脱プラスチックって、便利か不便かって考えるんだけれども、不便をとっても、いろんないい意味があるんじゃないのかな。そこら辺をあとで聞いてみたいと思います。

高山:世界では、規制する動きが加速しています。まず、レジ袋では、フランス、インド、中国など40か国以上で禁止になっています。容器やストローも禁止する動きがありまして、つい2日前には、カナダが2年後の2021年には使い捨てのプラスチックを一部使用禁止にするというニュースもありました。

武田:日本は対策の遅れが指摘されているんですよね。

高山:指摘されているのはもう1つ、プラスチックごみの処理の問題なんです。こういった形で処理が進められているんですけれども、中でも、リサイクルのおよそ半分は、アジア諸国に資源として輸出されているんですが、近年、受け入れの拒否が相次いでいまして、行き場を失っているという状況です。

それから焼却は、熱をエネルギーとして回収する方法なんですが、CO2を排出しているということで批判がありまして、焼却が追いつかないという施設もあります。このままでは、こういった処理も追いつかない、行き場を失ったごみがどんどん増えてしまうということも懸念されています。

ゲスト 宮田裕章さん(慶應義塾大学教授)

武田:この問題は過去にも番組で取り上げて、ごみの行き場がないことが深刻になってきているんですが、一生懸命、家庭で分別に取り組んでいますよね。だから、危機感があまり共有されてないような気もするんですが。

宮田さん:我々が家庭で分別に取り組んでいるペットボトルは、このリサイクルに回されているんです。これは全く無駄ではない。ただ一方で、企業に回っているごみの多くの部分が焼却だったり、途上国に移すという形に回されているので、ある種、犠牲の裏に成り立っているということは言えます。目の前にある商品がどのような過程で我々の前に来て、そしてどのような形で世界に影響を及ぼしているのか。このことを踏まえた上で商品を選ぶのが、これから重要になってきます。例えばファッションの世界では、低価格の商品を実現するために、途上国にすごいプレッシャーをかけて、これが過剰なあまり、多くの方が亡くなる事故が起きたケースがありました。この事件の後、立場の弱い人にリスクを押しつけて成立するようなスタイルはかっこ悪いだろうと。ファッションの考え方も大きく変わりつつあって、エシカル(倫理的)であるかどうかが1つの基準になりつつあるという状況です。

武田:今までは海外に資源として輸出することで、何とかつじつまを合わせてきたけれども、もはやそれは通用しない、エシカルではないということになってきているんですね。
ノープラ生活に限界を感じていた、池上ディレクター。その後、どうなったんでしょう。

池上ディレクター
「そろそろ生活にも限界を感じてきたところです。」

プラスチックを一切使わないノープラ生活に限界を感じたディレクターは、使い捨てではないプラスチック製品は使用するが、ごみは出さないノープラごみ生活を続けることにしました。

池上ディレクター
「どれだけプラスチックごみが減らせるのか、チャレンジしていきたいと思います。」
「朝からもう最悪です。最悪の雨です。」

突然の雨でもビニール傘は買えない日々。プラごみを出さない極意を知るために、先駆者を訪ねました。脱プラ生活を1年以上続ける主婦、古賀陽子さんです。

古賀さん
「これ、竹歯ブラシ。」

これはネット通販で手に入れたという歯ブラシ。柄がプラスチックではなく、竹で出来ています。

古賀さん
「ほとんど普通の歯磨き粉と変わらないかんじで使えていますね。」

歯磨き粉の容器はガラス製で、中身も古賀さんの手作り。材料は、植物性のグリセリンやハッカ油など、簡単に手に入るもの。リンスやマウスウォッシュなどにも利用できます。

古賀さん
「蜜ろうを染み込ませている布なんですけど。」

食材を保存するためのラップも手作り。蜂の巣からとれた、ろうを布にしみこませたものです。洗って何度も繰り返し使えます。

古賀さん
「満足感もあるし、愛着もわくんですよ。なので大事に使おうとしますね。簡単に壊れたから捨てられるような感覚ではなくなるので。プラスチックだと、ちょっと壊れたら、もうポイって捨てちゃえるじゃないですか。」

帰宅後、早速、教えてもらったプラごみ対策を実践。ネット通販で、待望の竹歯ブラシを買ったのですが…。

池上ディレクター
「残念ながら…プラスチックバッグでーす。あーあ。プラスチックじゃないものを探しているにも関わらず、プラスチックに覆われて、手元に届くと。」

その後、蜜ろうと重曹、タンブラーも購入。いずれも、結果的にこん包材など、合計4個、11グラムのプラスチックごみが出てしまいました。

仕事帰りのある夜…。

池上ディレクター
「すごいですね、これ。」

目に飛び込んできたのは街に散乱するプラスチックごみの数々。

池上ディレクター
「ひどいもんですね。」

プラスチックごみを減らすために、個人でできることには限界があることを感じる風景でした。

ノープラごみをもっと広めるにはどうすればいいのか。
19日目。池上ディレクターが向かったのは、世界的に有名なコーヒーチェーンの日本法人。

池上ディレクター
「すいません、今日はありがとうございます。」

使い捨てストローの廃止を目指すこの企業に対して、さらに積極的なプラスチック容器の削減ができないのか尋ねました。

店舗衛生・環境推進チーム 普川玲さん
「使い捨てのプラスチックをなくすのは、多少、利便性が下がるような、ふだん(マイカップの)洗い物をする習慣がない方とか、あるいは持ち歩く習慣のない方にとっては、自分の行動様式を変えなければいけない。」

この企業にとって、環境への配慮と利用者の利便性のバランスが課題だといいます。これまでもワークショップを行い、一般の人たちと解決策を模索してきました。ディレクターは、消費者が率先して動けば、企業ももっと積極的に行動していくのか問いかけました。

普川さん
「私たちが変わるだけでなく、お客様にも一緒に変わっていただくことが、世の中にとっても良い一歩を踏み出せるんじゃないかなという認識をもっています。」

そこでディレクターは、消費者が率先して動く姿を実践してみせることにしました。プラスチック容器を使わず、マイボトルで飲み物を注文。

池上ディレクター
「大丈夫です。プラスチックは使わないので。」

その姿をSNSやホームページで発信して賛同者を募ったのです。

果たして、どれくらいの賛同者を集め、どれだけプラスチック容器を減らすことができたのか。結果はこのあとスタジオで。

武田:池上ディレクターです。3週間チャレンジ、ご苦労様でした。
ヒゲ伸びたね。カミソリもやっぱりダメ?

池上ディレクター:ダメでした。柄がプラスチックなのと、完全に金属で出来ているものがあると聞いているんですが、包装されていたりするので。

石井さん:僕はプラスチックがなくなれば、不便だってことは分かるんですけれども、不便の中にもいいところもあるんじゃないかと思っているんです。そうじゃないとやめようという人もいないですから。実際にノープラをやってみて、どこが便利だ、あるいはメリットがあってよかったって思いましたか?

池上ディレクター:まず、今回感じたメリットは「街を知れた」ということです。私はあの街に5年近く住んでいるんですが、ああいう人の営みがあることを、商店の顔を、全然分からなかったんですけれども、今回、自分から行かなければ手に入らないものを探さなければいけない。そこで生まれるコミュニケーションで、街に息づく姿とか顔が見えた。これは自分の世界が広がったみたいな感じでとても楽しかったです。

武田:不便さに代えても、それはよかった?

池上ディレクター:そう思いました。

宮田さん:今日、早速プラスチックのタンブラーを使われていますが、3週間のチャレンジを終わった今、続けようと思うチャレンジはありますか?

池上ディレクター:今回チャレンジしてみて必要だなと思うものと、なくても大丈夫かなと思うものを挙げてみました。

まず必要だと思うのは、キャッシュカード、身分証から何から全てがプラスチックで、私は何者なんだろうということがちょっとありました。続いて不必要なものの中でいうと、例えば新聞紙の袋とか。

武田:新聞の袋?

池上ディレクター:雨が降った時にもらうものなんですけれども、自分が望むと望まざるとで出てくるものだったり、固形洗剤とか、水ものではないので紙でもいいかなと。そういう意味で、こういうところは減らしていけるのかなというところもあります。あと、先ほどご指摘いただいたタンブラーですが、使っているとすごい愛着が湧いてくるんですよ。最初の3日間は、洗ったりするのが不便だなと思うところも正直ありました。ただ、それが3日過ぎてみれば、習慣化して、続けていけるんじゃないかなという自信になりました。

武田:3日で慣れる?

池上ディレクター:不思議と。

武田:結果、3週間でどれぐらい減らせたんですか?

池上ディレクター:結果、減らした数は、VTRでも出ましたけれど、通販で買った袋、そして新聞紙が入っていた袋だったり、タンブラーが入っていた包装材など、合計9つ、39グラム。

武田:日本人の平均が1.8キログラムなので、相当減っていますね。

池上ディレクター:大体46分の1ぐらいということで、今回、これだけ減らしたと。

武田:でも、普通の人は無理ですよね。

池上ディレクター:絶対無理だと思います。これはちょっと無理をした結果なので。ただ、今回取材をした専門家の方の調査では、実際、学生さんに「プラスチックをちょっと注意しながら生活してみなさい」と言ったところ、今までの半分以下の使用量で済んだということです。1人あたりの使い捨てプラスチックごみの量が半分になるということで、中国よりも低くなると。

武田:ちょっと気をつけるぐらいでそうなると。

池上ディレクター:という結果が出ているので、ちょっとした意識づけなんだと思います。

武田:そして、マイタンブラー作戦は?

高山:池上ディレクターの呼びかけでタンブラーを持ち込もうという動きなんですけれども、リツイートやいいねが1,600以上寄せられまして、写真付きで、こういったふうに寄せてくださる方がいらっしゃいました。

実践された方は12人。大変貴重な12人の方なんですけれども、もっと広がるといいなと、正直思いますね。

武田:引き続き、ぜひ、皆さんよろしくお願いします。
1人1人のこうした取り組みを、企業や社会全体を動かすまでにするには何が必要ですか?

石井さん:僕は、エコというのをファッション化していかなきゃいけないと思うんですね。例えばエコが進んでいる欧米では、ファッションリーダーだったり俳優が、わざとパーティーにプリウスに乗っていく。それをみんなかっこいいと思って、エコに走るということが普通に行われています。しかし、日本ではそういったファッションリーダーがしゃべる機会がなかったり、しゃべってもなかなか認識されなかったりする。それじゃあ、どこに問題があるかというと、メディアがきちんとエコの重要性を伝えていないんじゃないか。僕は、武田さんがすごいなと思うのは、実はずっとタンブラーを使っていらっしゃいますよね。

僕自身はペットボトルを使っているんですけれども、こうやって比べたときに、ものすごくかっこいいですよね。そういったものを、声を出せる人が自分でメディアの中にどんどん出す雰囲気を作れればいいんじゃないのかなというふうに思っています。

武田:どうしても我々は、番組をやったことで、こうやってお伝えしていることで、逆にいうと満足しているところもあるので。

石井さん:行儀の良さみたいなところをちょっと逆に壊してみるというのも必要なんじゃないのかなと思います。

高山:ペットボトルがありますけれども、置き換えて。

石井さん:僕は使いません。

武田:宮田さんは、どうすれば社会を巻き込んでいけると思いますか?

宮田さん:持続可能な世界という視点から見ると、脱プラという課題でも、途上国に対する搾取だったり、あるいは生態系の保全、人々の健康、便利さや価格の裏には世界とのさまざまなつながりがあります。我々が意識してもいなくても、何を食べて、何を着て、どう過ごすかは世界に影響を与えているんですよね。例えばこれから外食をどこで食べようという時に、食べログのようなレビューサイトの得点以外にも、例えば脱プラをどれぐらい取り組んでいるかとか、あるいは食品ロスへの取り組み、労働者環境の改善、さまざまな視点から評価することは可能なので、趣味やライフスタイルが近い人たちとか、業種ごとにアイデアを出して、さまざまな取り組みを、国や国境を越えてデザインすることが、これから可能になるし、必要になってくるかなと思います。

武田:池上ディレクターも、これからどんどん発信していくんだよね?

池上ディレクター:今回、SNSをやって、とてもよかったと思います。

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