フランスの同時テロ以降、異なる民族や宗教に寛容な「共生社会」が試練を迎えている。移民や難民を排除する排外主義が先進国を席巻しつつある。一方で海外からのインバウンド需要に沸く日本。観光だけでなく、今後は継続的な労働力受け入れが経済成長の鍵と言われるが、現実には戸惑いも広がる。世界に開く覚悟をどう考えるか、年頭の2回シリーズで考察する。一日目は、外国人との接点が増えた地域社会での模索を追う。およそ10カ国の人々が住む神奈川の「いちょう団地」では、外国人コミュニティの子どもに日本文化を学んでもらい、親世代の自然な理解を広げたり、外国人に町内会活動へ積極的に参加してもらったりしながら相互理解を深めている。また、「移民先進国」と言われた欧米の日本にとっての教訓も検証する。フランスの「同化政策」失敗を分析するジャック・アタリ、スペインで新たに始まった「反うわさ戦略」の取り組みなどを取材。きれい事だけではない「共生社会」へ向けどのような未来図を描けば良いのか、そのヒントを探る。
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